ノイマン型コンピュータ
ノイマン型コンピュータというのは、現在のほとんど全て ( といっても、過言ではないでしょう ) の計算機 ( コンピュータ ) が採用している計算機システムの原理です。
基本は、CPU ( Central Processing Unit : 中央処理装置 ) と呼ばれる、計算や
制御の流れを司る装置と、Memory ( 記憶装置 ) 呼ばれる、計算の手順が記録
された装置の二つの部分からなり、「CPU が、Memory から、そこに書かれている命令
を一つ一つ読み出しながら、その命令に従って計算を進めて行く」形式が、
ノイマン型コンピュータの基本動作となります。
もちろん、これだけでは、利用ができないので、更に、CPU 以外に、外と情報をやり
取りする I/O ( Input / Output : 入出力 ) 装置 ( Display や Printer, Keyboard や
Mouse, 今なら Network 装置も.. ) や、I/O の一種ですが、一度に Memory に
入りきれない、情報を保存する外部記憶装置
( Hard Disk, Flopy Disk, CD-ROM, DVD-ROM etc.. ) なども
コンピュータシステムの一部として考えられていますが、本当に基本となるのは、
上記のCPU + Memory システムのことです。
このシステムの原理を最初に考えたのは、アラン・チューリングという数学者です。
チューリングは、チューリングテストでも有名で、計算機学者の顔も持っている有名な
数学者です。
チューリングが考えたのは、チューリングマシンと呼ばれる仮想的な装置で、
原理的に計算可能なものは全て、このチューリングマシンの一つ ( 万能
チューリングマシンと呼ばれています.. ) を利用することに
よって、計算できることを、チューリングは証明しました。
なぜ、チューリングが考えた計算機原理に、ノイマンの名前がついたかといえば、
(別に、ノイマンが、チューリングのアイディアを盗んだとかそうゆうことではなく..)
チューリングが考えた計算機の原理に基づいた実際に動く世界最初の計算機システム
の作成、設計の主導者になったのがノイマンだったからです。
つまり、ノイマン型の計算機を考えたのは、チューリングですが、その考えを
実際に実現したのがノイマンだったということです。
実は、ノイマンは、ノイマン型計算機で有名かもしれませんが、それ以上に、
著名な数学者として知られており、その結果、チューリングの名前が影に隠されて
しまったのかもしれません。