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情報通信ネットワーク論(2002/07/08)
Ver. 1.1

2002年7月8日
栗野 俊一
日本大学 理工学部 数学科
kurino@math.cst.nihon-u.ac.jp
http://edu-gw2.math.cst.nihon-u.ac.jp/~kurino/ccna/index.html
情報通信ネットワーク論2002/07/08 の資料

目次

目的

この演習の目的はCISCOのより様々な操作方法について学びます。

CISCOのNetwork設定方法の復習
三回目の実習の復習(特に、設定方法)。
CISCOの様々なコマンド(新規)
CISCOを操作するための、これまでと異なった、設定内容や操作コマンドを幾つか学びます。

CISCO の操作

今回の実習では、CISCO Routerの様々なコマンドをを学びます。

実験1: running-config と startup-config

二つのconfig

CISCO Routerは、次の二つのconfiguration (設定)情報をもっています。

startup-config
原則として、CISCOのpower on時に、running-configにCopyされる情報。この情報は、staticなmemory(1)に保存されているため、power offしても消えないことに注意しよう。
running-config

CISCOの実行時の設定のこと。CISCOは、このrunning-configの内容に従って振舞う。

また、config modeで、変更できる内容も、このrunning-configの内容である。

この設定は、dymamicなmemory(2)に保存されているため、power off時に、その内容は失われる。

  1. 電源を消しても、記憶が残るmemory (記憶領域)
  2. 放っておくと、情報が失われるので、絶えず( dymamic ==動的に.. )その記憶を更新(同じ内容を書き直す... )必要があるが、static memoryに比較して、安価で、高速なことが多い。

    電源が消されると、更新がなされなくなるため、記憶内容は失われる。

    普通のmemoryといえば、このdynamic memoryのことを指す。

二つのconfig の区別

次の実験を行いなさい。

  1. show running-configとshow startup-configを用いて、二つの内容を比べてみなさい。
  2. config modeに移り、hostnameを変更しなさい。

    hostname cisco-YYYY
    

    ただし、YYYYは、自分の学籍番号。

  3. 再び、running-configとstartup-configの内容を比較し、どちらの内容が変わっているかを確認しなさい。
  4. CISCOの電源を一旦offし、再び、onすると二つのconfigはどうなるかを確認しなさい。

二つのconfig の区別

前述のように、config modeで、変更できる内容は、running-configだけである。しかし、この内容は、power off時に失われ、power on時にstartup-configの内容で上書きされる。

そこで、startup-configの内容を変更する方法が必要であることがわかる。

実は、running-configと異なり、startup-configの内容は、一部だけを変更することはできない。

変更できるのは、「まるまる、running-configと同じにする」という方法だけである。

それには、copyコマンドを利用(3)する。

copy running-config startup-config

もちろん、この逆も可能で、

copy startup-config running-config 

として、running-configの内容を、startup-configの内容に書き戻すこともできる(4)

  1. コマンドとしてのcopyコマンドは、以下に説明するように、非常に多様な機能をもっている、新しいコマンドである。

    しかし、便利なことは、時に危険をもたらすことが多い。

    今回の例も、それで、copyコマンドで、configurationをcopyする時に、running-configや、startup-configの名前を誤ってtypoすると、悪影響が生じることがありうる。

    これに対して、古いコマンドである、write命令は、単に、writeと実行するだけで、running-configの内容を、startup-configに書いてくれる。

    writeは、単機能のコマンドでしかないが、それだけに、分かり易く安心して利用できるコマンドである。古いコマンドでもあり、将来利用できなくなる可能性があるが、初心者の内は、copyを使うより、writeの方が安全は安全である。

  2. 残念ながら、writeコマンドでは、これができない。

copy コマンドの利用

次の実験を行いなさい。

  1. 現在のhostnameをメモに残しなさい。
  2. config modeに移り、hostnameを変更しなさい。
  3. copy startup-config running-configとして、running-configの内容を書き戻しなさい( hostnameがもどることを確認しよう)。
  4. 再び、hostnameを変更しなさい。
  5. 今度は、copy running-config startup-configとして、startup-configの内容を書き換えてみよう。
  6. show startup-configとして、startup-configの内容が書き換わっていることを確認しよう。
  7. CISCOの電源を一旦offし、再び、onし、確かに変更された内容がstartup-configの形で、保存されていることを確認しよう。
  8. hostnameを最初にメモした内容にもどし、startup-configに反映しておこう。

実験2: tftp server の利用

CISCOの設定ファイルは、CISCO自身だけでなく、Network上の他のHostに置くことも可能です。このためにtftpを利用します。

実験2 のNetwork

2002/06/03 の資料

と同様にして、CISCOをNetworkに接続しよう。

windows 上の tftp server

Windows用のtftp serverを入手し、自分のWindows PCにInstallしょう。

そして、tftp serverを起動しよう。

tftp を使った config

copyコマンドを利用すると、running-configやstartup-configの内容をNetwork経由で、tftp serverとやりとができます。

  1. hostnameをcisco-YYYYに変更しよう。YYYYは、自分の学生番号である。
  2. copy startup-config tftpとして、startup-configの内容をtftp serverに転送しよう。

    cisco-YYYY#copy startup-config tftp
    Remote host []? xxx.xxx.xxx.xxx
    Name of configuration file to write [cisco-yyyy-confg]? startup-YYYY
    Write file startup-YYYY on host xxx.xxx.xxx.xxx? [confirm]
    

    ここで、xxx.xxx.xxx.xxxは、tftp serverのIP Address (つまり、自分のPCのIP Address )となる。また、YYYYは、自分の学生番号にしよう。

  3. tftp server (自分のNote-PC )に、新たに、startup-YYYYができていることを確認しよう。

    また、この内容をメモ帳等で確認し、これが、startup-configと同じものであることを確認しよう。

  4. 同様にして、running-configも保存してみよう。保存ファイル名は、running-YYYYとしよう。
  5. startup-YYYYをWindows上で、Copyし、new-startup-YYYYを作ろう。

    メモ帳等で、new-startup-YYYYの内容を書き換えてみよう(例えば、hostnameを、new-cisco-YYYYとする)。

  6. copy tftp startup-configとして、tftp serverのファイルから、startup-configを変更してみよう。もちろん、この時に、指定するファイルは、new-cisco-YYYYの方である。
  7. show startup-configとして、startup-configが書き直っていることを確認しよう。
  8. 同様にして、running-configも、ftp Serverから、内容を引き出せることを確認しよう。
  9. tftp serverに保存している内容を利用して、CISCOのRouterの状態を実験の最初の状態にもどしてみよう。

実験3: telnet

これまで、CISCOの設定は、Console Cableを用いて行ってきたが、Networkに接続されているCISCOは、Network経由で、設定を変更することができる。

tty password の設定

CISCO Routerに次の設定を追加しよう。

line vty 0 4
password XXXX
login

ただし、XXXXの部分はパスワードで、これは、実習時に伝える。

この設定により、CISCOにNetwork経由で、設定が可能になる。

telnet

windowsから、telnet (または、teratermでもよい)を利用して、CISCOに接続してみよう。passwordを聞かれるが、それは、上記の設定した内容でよい。

そうすると、あたかも、Console Cableで接続できたかのような状態になる。

他の CISCO の参照

他の人のCISCOのIP Addressを聞いて、他の人のCISCOに入ってみよう。