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情報通信ネットワーク論(2002/10/25)
Ver. 1.0

2002年10月25日
栗野 俊一
日本大学 理工学部 数学科
kurino@math.cst.nihon-u.ac.jp
http://edu-gw2.math.cst.nihon-u.ac.jp/~kurino/ccna/index.html
情報通信ネットワーク論2002/10/25 の資料

目次

目的

この演習の目的は、前回の演習に引き続き、tcpdumpを利用して、Hub, Switch, Routerによって、コリジョンドメイン、ブロードキャストドメインがどのように分割されるかを確認することです。

RouterとHub, switchなどの振る舞いの違い

HubとSwitchがIP Network的に透明(1)ですが、Routerは、見えます(2)

このRouterによって、ブロードキャストドメインさえも分割されることを確認します。

  1. あってもなくても、IP Network的には単なる線と区別できないことを意味します。

    実際、二台のPCを繋ぐだけであれば、Cross Cableが一本あればよく、Hub/Switchは不要です。

    このため、通常「Networkの論理図」には、Hubや、Switchを明示しません(単に「線」として表すことが多い)。

  2. つまり、Routerには、IP Addressが振られ、IP Addressを使って、区別することが可能だということです。

    逆に、HubやSwitchには、IP Addressを付ける必要はありません(もちろん、Hub, Switch自身と通信をしたい場合[SNMPを利用するなど..]の場合は、IP Addressを設定する必要がありますが、設定しなくても、中継装置としては問題なく動きますし、そもそもIP Addressを設定できない[SNMPなどが利用できない] Hub/Switchもありますし.. )。

Router と Switch/Hub との違い

実験1: Router によるブロードキャストドメインの分割

実験1 の Network

Router 1台( Linux-R : Linux-PCにEthernet Cardを二枚挿して作る)に二台のHubを接続して、二つのNetworkを作る。

一方のHubに、tcpdump可能なLinx-Xと、もう一台Host (Linux-Y)(3)を付け、他方のHubにも二台のHost ( Linux-A, Linux-B )を付ける。


		(tcpdump)
		Linux-X				Linux-Y
		[192.168.1.1]			[192.168.1.2]
		|				|
	>-------+------------+------------------+-----------------------<
			     |					192.168.1.0/24
			     [192.168.1.253]
			     Linux-R
			     [192.168.2.253]
			     |
	>-------+------------+------------------+-----------------------<
		|				|		192.168.2.0/24
		[192.168.2.1]			[192.168.2.2]
		Linux-A				Linux-B

  1. Hostは、Windowsでも構わない。

tcpdump の実行

Linux-X側で、次のようにしてtcpdumpを実行する。

tcpdump の実行
[root@Linux-X /root]# tcpdump -n -i eth0

実験 1: 他方からの通信とtcpdump の出力の観察

tcpdumpと反対側にあるHost (Linux-A)から、他のHost ( Linux-B, Linux-Y )に対してNetworkコマンドを実行し、パケットを送ってみよう。

また、Linux-Aで、routedを起動し、RIPのブロードキャストが、tcpdumpの出力に現れないことを確認しよう。