定理 3.6 φ : V -> V' : 同型対応 a1,..,an in V が線型独立(従属) => φ(a1),..,φ(a_n) が独立(従属) # 実は、逆も言える prof) 線型和 c1a1+..+cnan = 0 をφで移すとφの線型性より、 φ(c1a1+..+cnan) = c1φ(a1)+..+cnφ(an) = φ(0) = 0 つまり、前者が自明でない解があることと、移したさきが 自明な解があることは同値となる。 したがって、前者が独立 ( 自明解がない ) ならば、後者 も独立 ( 自明解がない ) なる。 従属の場合も同様である。 「同型対応は、独立を独立に写し、従属を従属に移す」 定理 3.7 V が n 個のベクトルあらなる基底を持てば、 V ≡ K^n となる。 prof) を V の基底とする。 all x in V exist! x1,..,xn in K s.t. x = x1e1 + .. + xnen # この x1,..,xn が x に対して一意的に存在 # 存在 => 定義 # 一意的 => 証明済(定理 ??) この関係を利用して、x in V と ( x1, .., xn ) in K^n を 対応させるφを考えるとこれは、同型対応 prof) φ(x) = ( x1,..,xn ) と置く # このφの線型性と全単射の性質を示す [線型性質] x + y = (x1+y1)e1+..+(xn+yn)en cx = (c x1)e1 + .. + (c xn)en を利用すると、 φ(x+y) = φ(x) + φ(y) φ(cx) = cφ(x) が言える。 [全単射] (1 to 1) φ(x) = φ(y) => (x1,..,xn) = (y1,..,yn) => x1 = y1, .., xn = yn => x = y ( onto ) 定理 3.8 K^n において、m > n ならば、 x1,..,xm は従属 # 連立方程式の性質を利用する。 ## 利用しない方法もあるが、 ## それには準備が必要なので、後でやる。、 特に、 m != n => K^m != K^n Prof) [前半] K^n から m ( > n ) 個のベクトル a1,..,am を取り x1 a1 + .. + xm am = 0 とき、成分毎に等式をたてる.. x1 a11 + .. + xm am1 = 0 x1 a12 + .. + xm am2 = 0 ... x1 a1n + .. + xm amn = 0 この式は、x1 = .. = xn = 0 という自明な解を持つが、そ の他にも、「式の数 n が変数の数 m よりすくないので、自 明な解が存在する」 ( これが、「連立方程式の性質」) ことが 言える => a1, .., am が従属である # 実は、この解全体のなす空間も線型空間になり、 # その次元は、元の次元から、係数行列の次元を引 # いたもの.. [後半] 今、K^m ≡ K^n とする。すると、あるφ : 同形対応 が存在する。 ここで、K^m から、基底 e1,..,em を取ると、それら は独立。 そこで、φで移すと、φ(e1),..,φ(em) は、独立 ( 定理 3.7 ) よって前半より、m <= n 同様に φ^-1 を利用すれば m >= n が成立するので これより m = n 定理 3.9 K 上の線型空間 V が n このベクトルからなる基底をもてば、 n 個より 大きなベクトルは従属 特に、V の任意の基底は n 個のベクトルとなる。 prof) (前半) [定理 3.7] より、V ≡ K^n なので、その同形対応をφとする a1,..,am in V ( m>n ) とすると、[定理 3.8] より、 φ(a1),..,φ(am) は線型従属。よって、a1,..,an も線型 従属 [定理 3.6] (後半) a1,..am in V が V の基底 => K^m ≡ V 一方 K^n ≡ V でもあったので、 K^m ≡ V ≡ K^n より、 K^m ≡ K^n つまり、 m = n ( by [定理 3.8] ) 定義 (次元) V の基底がの個数 n を V の次元とよび dim V で表す。 # 連立方程式を利用しない、証明 定義 S sub V ( S は有限集合 ) において S sub が S の極大線型独立系とは、 1) e1,..,en が独立 2) S の任意のげんが e1,..,em 線型和で表現できる とする。 3.10 S sub V が、n 個の元よりなる極大線型独立系をもてば、n 個 より多くの S のベクトルは線型従属である。 特に S の任意の極大線型独立系は、n 個のベクトルよりなる。 prof) # #S ( S の要素数 ) に関する帰納法でしめす。 k = #S = 1 の時, Clear k - 1 で成立するとして、k を示す E = { e1, .., en } を S の極大独立系とする S sub F = { f1,..,fm } が線型独立とする。 m <= n を示す E sub F なら Okey そうでないとすると.. fm not in E してよいので.. S' = S - { fm } とする。すると #S = k - 1, よって、 により、E は S' の極大独立系となる。 F' = F - { fm } = {f1,..fm-1} も S' で独立 帰納法の仮定より、 m-1 <= n いま、 m-1 = n とする(こうすると矛盾であることをしめす)。する と、帰納法の仮定により、F' は S' の極大線型独 立系になる。 e1,..,en は f1,..,fm-1 の線型結合で表せる 更に、fm は e1,..,em で表せる => fm は f1,..,fm-1 で表せる => f1,..,fm が独立であるという仮定に矛盾 => m-1 != n つまり m - 1 < n よって、 m <= n 定理 3.9 の別証明 ( 定理 3.8 つまり、連立方程式の性質を利用しない.. ) E = : V の基底 F = : 線型独立 今、S = E cup F とする。すると、[定理 3.10] より、 E は、S の極大線型独立系よって、S に含まれる線型独立な ベクトルの集合のサイズは n 以下、つまり F も線型独立 なベクトルの集合なので、そのサイズ m も n 以下、 もし、F が基底ならば、同様にして、n も m 以下出しめせるので、 m = n が言える。 # 去年、「連立方程式の性質」を利用すれば、簡単だが、そうでない # 時の為に、他の方法も示した。 定理 3.11 V, W が共に K 上の次元の等しい線型空間とすると、この二つの 線型空間は、同形 prof) dim V = dim M = n とすると、 V ≡ K^n W ≡ K^n よって、 V ≡ W # [注意] これまで V = { 0 } は除外して考えてきた、従って、 # 今回までで、{ 0 } の次元は決っていない。 定義 V = {0} の次元は 0 == <<次元の例>> dim K^n = n dim V^2 = 2 dim V^3 = 2 dim Mmn(K) = mn prof) Eij = { e V = { x in K^n | Ax = の時 dim V = n - rank A P(K) : K 上の 1 変数多項式 dim P(K) = 無限 Pn(K) : n 次以下の多項式 dim Pn(K) = n + 1 V = { T : A -> K } ( V は A から K へ線型写像全体.. } #A = 無限 => #V = 無限 prof) Ta(x) = 1 ( x = a ) = 0 ( x != a ) とすると、{ Ta | a in A } は独立 つまり dim V > dim {Ta} = #A = 無限 #A = n ( 有限の場合 ) => dim V = n が基底 W = { [a,b] 上の連続関数 } V = { 実数列 } W = { 収束列 } 共に、無限次元 prof) ak = { 0, ..., 1, 0, .. } ^ k 番目のみ 1 他は、0 とすると、 { a1, .., ak, .. } は独立 一方、 { a1,.., } sub W sub V なので dim V > dim W < dim { a1, ..} = #N = 無限 V = { {xn} | x_(n+k) + a_(n-1) x_(n-k-1) +..+ a0xn = 0 } => dim V = n x1 xn xn+1..xn+k e1 = { 1, 0, ..0, -a0, .. } e2 = { 0, 1, ..0, -a0, .. } .. en = { 0, 0, ..1, -a0, .. } # x1,..,xn を決めると自動的に xn+1,.. xn+k が解る # 漸化式を満すので.. が基底としてとれる V = { y = f(x) | (d^k y)/(d x^k) + an-1(x) (d^(k-1) y)/(d x^(k-1)) .. + a0(x)y = 0 }