2003/06/13 線型空間の線型写像の話をしていた... [5.2] 線型写像の RANK の定義まですんでいた.. => これは、線型写像に対応した行列の RANK に一致する。 # 一年の代機 I で行列の性質を学んでいるので、 # 線型空間の性質が行列の性質で表現できると便利 # => 線型空間の性質と行列の関係を色々と調べている.. [5.3] A in Mmn(K) とすると rankA = ( A の線形独立な列ベクトルの最大数 ) = ( A の線形独立な行ベクトルの最大数 ) prof) A = ( a1, .., an ) ( where ai in K^m ) rank A = r とする T_A : K^n -> K^m とおくと [5.2] より rank A = rank T_A = dim T_A(K^n) いま、e1, .., en : K^n の単にベクトルとすれば、 T_A(ei) = A ei = ai より、 T_A(K^n) の現は、全て a1, .., an の線型結合で表せる a1, .., an の中で独立で、最大なものをえらべば、これは、 ようするに、T_A(K^n) の基底になっている。 基底の個数は、T_A(K^n) の次元に等しいので ( A の線形独立な列ベクトルの最大数 ) = r 後半は、 rank ^tA = rank A よりあきらか # rank には色々あったが、これをまとめると... A in Mmn(K) において、 rank A とは... 1) Aを基本行列で標準形に変形したときに、対角線乗にならぶ 1 の個数 A --> Fr(m,n) 2) A の 0 でない小行列式の最大次数 3) dim T_A(K^n) 4) A の線形独立な列ベクトルの最大数 5) A の線形独立な行ベクトルの最大数 rank を求められたら、上記の 5 つのうち、どれを用いても良いので 都合のよいものを考える。 == # 以下、話をしばらく限定する T : V -> V : 線型変換に限定 ( 空間が同じなので、同じ基底 E を用いる ) T V -------------> V | | | φ |φ | | v v K^n ----------> K^n A=φoToφ^{-1} A = (aij) E = を考えると、 x = x1e1 + .. + xiei in V Ta = x1'e1 + .. + xi'ei in V となる。この時 (x1',..,xn') = A ( x1, .., xn ) となる == 別の基底 (F:φ') を取ると... P : E -> F となるような基底変換とすれば B : F に関する T の行列とすると、 B = P^{-1}AP prof) 図 T_B K^n ----------> K^n ^ ^ | | | φ' |φ' | | T T_P V -------------> V T_P | | | φ |φ | | v v K^n ----------> K^n T_A より、 T_A o T_P = T_P o T_B よって、 T_P^{-1} o T_A o T_P = T_B よって、 B = P^{-1}AP == Text p.93 で「相似」を定義した A \equ B def \exist P : 正則 s.t. B = P^{-1}AP より、 線型変換 T の異なる基底に対応した行列は、どれも 「相似」であることがわかる。 == 行列 A, B が相似だと det A = det B tr A = tr B が成立する。 つまり、線型変換 T に対応する行列な、どのような基底を選んでも 実は、det や tr はかわらない、そこで、その値を det T, tr T と定義する。 == [例 6] V = { {x_n} | x_{n+2} - 3 x_{n+1} + 2 x_n = 0 } を考える。 ここで、基底の二つ E, F を例えば、次のようにもとめる。 # これは、x_0, x_1 を線型にとれば、自動的に独立になる # ので、そのようなものを考えればよい。 E としては、 x_0 x_1 = 1 0 x_0 x_1 = 0 1 とすれば、独立なので、基底 e_0 = { 1, 0, 2, -6, .. } e_1 = { 0, 1, 2, -6, .. } がとれる ( x_2 以降は、漸化式より自動的に定まる )。 同様に F としては x_0 x_1 = 1 1 x_0 x_1 = 1 2 とすれば、 f_0 = { 1, 1, 1, 1, .. } f_1 = { 1, 2, 4, 8, .. } となる。 ここで、E -> F の基底変換は、 f_0 = e_0 + e_1 f_1 = e_0 + 2 e_1 なので、 P = 1 1 1 2 ここで、例 5 より A = 0 1 -2 3 だったので、 B = P^{-1}AP より B = 1 0 0 2 [別解] 基底を変換した結果をかんがえると Tf_0 = f_0 Tf_1 = 2 f_1 より、直接 B = 1 0 0 2 がでる なお、ここで、B が対角行列であることをかんがえると.. T f_0 = f_0 T f_1 = 2 f_1 であるので、 f_0 = { 1, 1, ... 1 .. } = { 1 } f_1 = { 1, 2, .. 2^n .. } = { 2^n } となる。 一方、f_0, f_1 は基底なので、V の任意元 x は、 x in V = αf_0 + β f_1 となる。つまり、 x = { α + β 2^n } ということで、「漸化式が解けた」ことがわかる。 == V = { y = f(x) | y'' + 3 y' + 2 y = 0 } F = < f_0, f_1 > f_0(0)=1, f_0'(0)=1 f_1(0)=1, f_1'(0)=2 とすれば、同様にして、対応する行列 B = 1 0 0 2 がえられる。 ここで、 D f_0 = f_0 D f_1 = 2 f_1 より、 f_0 = e^x f_1 = e^{2x} よって、 f(x) = αe^x + βe^{2x} # ポイント # B が対角行列であることが重要 # このような f_0, f_1 を探す方法は、後で学 == def. T : V -> V W \sub V にたいして、 T(W) sub W が成立するとき.. W は、「T による不変部分空間(T-不変)」と呼ぶ W : T-不変 W の基底 < e1, .., er > を拡大して、 V の基底 E= ここで、基底ベクトルの一つ ej を T による変換した 結果 Tej = a1j e1 + .. + enj ej をかんがえる。 ここで、W が T 不変であることかんがえると、これは、 E の基底で表現できるので、 Tej = a1j' e1 + .. + enr' er これは、同じものなので、ようするに、 a1j = 0 ( r+1 <= j <= n ) をいみする。 同様に、他の j に関してもかんがえると.. これは、 A= A11 A12 O A22 ということである。 == T の作用を W に制限すると、T は W から W への変換となる。 # これは、W が T 不変なので、成立することに注意 これを T_W とあらわすことにする。 同様にして基底の j 番目の基底 ej の像は、 T_W ej = Tej = a1j e1 + .. + erj er となるので、結局、 にかんする T_W の行列は、 a11 .. a1r .. ar1 .. arr = A11 となっていることがわかる。 == V = W \sum W' となり、W, W' が T 不変、 を W の基底 を W' の基底 とすると E= は V の基底となる。 この V に対応する行列を A とすれば、 A = A11 O O A22 となり、A11 , A22 が T_W, T_W' の対応する行列になる。 == 例 7 Tb : Pn(K) -> Pn(K) in in f(x) :-> f(x+b) は線型変換だった。 ここで、特に n < m の時に Tb は関数の次数を変えないので.. W = Pm(K) は V = Pn(K) の Tb 不変な部分空間 ここで、さらに m = 1, n = 2 の場合を考える V=P2(K) の基底は <1, x, x^2> W=P1(K) の基底は <1, x> として E に関する Tb の行列は、例 4 より 1 b b^2 A =0 1 2b 0 0 1 一方、W にかんしては、 1 b 0 1 なので、確かに、右上の部分をとったかたちになっている。 == p127 問 1 V=R^4 a1 = ( 1 2 0 4 ) a2 = ( -1 1 3 -3 ) a3 = ( 0 1 -5 -2 ) a4 = ( -1 -9 -1 -4 ) W1 = _R W2 = _R W1 \cap W2 の次元を考える まず、W1, W2 の次元をかんがえると、共に 2 次になっている ことがわかる。 ここで dim ( W1 + W2 ) = dim W1 + dim W2 - dim ( W1 \cap W2 ) だった、そこで、dim W1 + W2 をかんがえると...これの次元は 3 つまり dim ( W1 \cap W2 ) は 1 そこで、この一つだけの基底をもとめてみる。 ここで、 dim ( W1 \cap W2 ) の元 x を考えると、これは、共通 要素なので、 x = p a1 + q a2 = r a3 + s a4 これから、p, q, r, s に関する連立方程式をといて p = -3s q = -2s r = s これより、 r = s = 1 の例を考えて a1 + a2 が基底ベクトルとなる。