「小テスト」 ( 20 分位 ) : 来週行う「中テスト」の予告編 # 小テストは、せいぜい 2 点程度 中テストは、前期試験 ( = 後期試験 ) より軽い程度。 == [問題の解説] [1] F=< 1, x, x^2, x^3 > より、4 次の E -> F : E = F = として、 f_1 を e_1, .., e_4 で表現し、その係数を縦に並べれば、A ができる。 基本は、連立方程式を解くだけであるが、問題形に着目して、次のような 簡単な方法がとれる。 まず、 S = 1/3 { e_1 + e_2 + e_3 + e_4 } を計算すると、 1 + x + x^2 + x^3 となる。これに着目すると、 f_1 = 1 = S - e_3 となるので、簡単に計算できる。 [2] 方法通り ( 複素数係数なので、内積を取る時に、後の要素にバーが付く ことに注意 ) == 来週がんばれ == 前回まで、 正規直交基底の間の取り換え行列はユニタリ 今回は、その逆から、 E: 正規直交基底 P: ユニタリ行列 とすると、 P によって、E を変換してできるベクトル群 F も正規直交基底 prof) P = (p_{ij}) とすると、 f_i = Pe_i = \Sum_k P_{ki} e_k よって (f_i f_j) = \Sum == def ユニタリ[実計量]空間 V から V 自身のへの計量同型写像を V の ユニタリ[直交]変換写像を V のユニタリ[直交]変換という Th. T : V の変換 ||Tx|| = ||x|| (\forall x \in V) <-> T : ユニタリ変換 prof) ( <= ) は clear ( => ) # one-to-one x \neq y <=> x -y \neq <=> || x - y || \neq 0 <=> || T(x - y) || \neq 0 <=> || T(x) - T(y) || \neq 0 <=> T(x) - T(y) \neq 0 <=> T(x) \neq T(y) # onto dim V = dim T(V) + dim T^{-1}(0) ここで、1-to-1 より、 T^{-1}(0) = {0} よって、dim T^{-1}(0) = dim {0} = 0 つまり、 dim V = dim T(V) あきらかに、 T(V) \subset V で、かつ次元が同じなので、 V = T(V) よって、onto # 計量同型 x, y \in V に対して、 || x+y || = || x|| + ( x, y) + \~( x, y) + || y|| ||T(x+y)|| = ||Tx|| + (Tx,Ty) + \~(Tx,Ty) + ||Ty|| ここで、 ||T(x+y)|| = || x+y || ||T(x)|| = ||x|| ||T(y)|| = ||y|| なので、 (x, y) + \~( x, y) = (Tx,Ty) + \~(Tx,Ty) つまり、 Re( (x, y) ) = Re( (Tx,Ty) ) 同様にして、 ( xi, y ) に関して同様におこうと Im( (x, y) ) = Im( (Tx,Ty) ) よって、Re, Im ともに等しいので、同じ Th. C^n のユニタリ変換とは、ユニタリ行列によって、定まる線型変換 T = T_A : 変換 T がユニタリ <=> Aがユニタリ prof) (Tx, Ty) = (x,y) ( \forall x,y \in C^n ) <=> (Ax, Ay) = (x,y) ( \forall x,y \in C^n ) <=> (A^*A-Ex,y) = 0 ( \forall x,y \in C^n ) <=> A^*A-E = 0 <=> A^*A = E ( A がユニタリ ) Th.[6.6] T : 変換 (E,φ) : 正規直交基底 A : E に関する T の行列 ならば、 T : ユニタリ <=> A : ユニタリ prof) T が計量同型 <=> T_A : が計量同型 <=> A : ユニタリ 例 7: V = <1, \cos{x}, \cos{2x}, .., \cos{nx}, \sin{x}, \sin{2x}, .., \sin{nx}> は、 2n+1 次元実線型空間となる。 ここで、内積を次のように定義する。 (f,g) = \int_{-\pi}^{\pi} f(x)g(x) dx すると、V は実計量空間 c ( \in R ) に対して、「平行移動」T を (Tf)(x) = f(x+c) とすると、T は線型変換。 prof) # T が V で閉じているかどうかが問題 \sin{k(x+c)} = \sin{kx}\cos{kc} + \cos{kx}\sin{kc} \cos{k(x+c)} = \cos{kx}\cos{kc} + \sin{kx}\sin{kc} これは、基底の線型和になっているので、T(V) \subset V であることがわかる。 T は、V の直交変換 prof) f \in V とすると、 f(x + \pi) = f(x) である。 # V の基底は、どれも、周期 \pi だから.. よって、 (Tf, Tg) = \int_{-\pi}^{\pi} f(x+c)g(x+c) dx = \int_{c-\pi}^{c+\pi} f(x)g(x) dx = \int_{c-\pi}^{\pi} f(x)g(x) dx + \int_{\pi}^{c+\pi} f(x)g(x) dx = \int_{c-\pi}^{\pi} f(x)g(x) dx + \int_{-\pi}^{c-\pi} f(x)g(x) dx = \int_{-\pi}^{\pi} f(x)g(x) dx = ( f, g ) つまり、内積が保存されるので、直交変換 上記の基底は、直交基底 prof) \int_{-\pi}^{\pi} 1\cos{kx} dx = 0 \int_{-\pi}^{\pi} 1\sin{kx} dx = 0 \int_{-\pi}^{\pi} \cos{kx}\sin{lx} dx = 0 \int_{-\pi}^{\pi} \cos{kx}\cos{lx} dx = \frac{1}{2}\int_{-\pi}^{\pi} \{\cos{kx+lx} + \cos{kx-lx}\} dx = 0 ( if k \neq l ) \int_{-\pi}^{\pi} \sin{kx}\sin{lx} dx = -\frac{1}{2}\int_{-\pi}^{\pi} \{\cos{kx+lx} - \cos{kx-lx}\} dx = 0 ( if k \neq l ) よって、どれも直交 そこで、正規化を行う。 (1,1) = \int_{-\pi}^{\pi} 1 dx = 2\pi (\cos{kx}, \cos{kx}) = \int_{-\pi}^{\pi} \cos^2{kx} dx = \pi (\sin{kx}, \sin{kx}) = \int_{-\pi}^{\pi} \sin^2{kx} dx = \pi なので、 e_0 = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} e_{2k-1} = \frac{1}{\sqrt{\pi}}\cos{kx} e_{2k} = \frac{1}{\sqrt{\pi}}\sin{kx} とすれば、 は、正規直交基底となる。 # T に対応した、変換行列を求める T1 = 1 より、Te_1 = e_1 T\cos{kx} = \cos{kc}\cos{kx} - \sin{kc}\sin{kc} より、_ Te_{2k-1} = \cos{kc}e_{2k-1} - \sin{kc}e_{2k} T\sin{kx} = \sin{kc}\cos{kx} + \cos{kc}\sin{kc} より、_ Te_{2k} = \sin{kc}e_{2k-1}} + \cos{kc}e_{2k} より、 1 0 0 0 0 A = 0 \cos{c} \sin{c} 0 -\sin{c} \cos{c} 0 0 0 \cos{2c} \sin{2c} 0 0 0 -\sin{2c} \cos{2c} 0 0 0 0 0 \cos{nc} \sin{nc} 0 0 0 0 0 -\sin{nc} \cos{n2c} ここで、AA^* を計算すると、E になるの、直交行列 # V の元を n 次以下のフーリエ多項式