後期から。対角化について 固有値を求めることにより、対角化を行う。 固有値をもとめるには.. == def A: n 次行列 \Phai_A(x) = det(xE-A) で定義される \Phai_A(x) を特性(固有)多項式とよぶ \Phai_A(x) = 0 で定義される方程式を を特性(固有)方程式とよぶ この方程式根(解)を特性(固有)根(解)とよぶ def V : 線型空間 / K T : V の線型関数 A : ある、基底にかんする T の行列 T の特性(固有)多項式等は、A でのそれで定義する # A は、基底のとりかたよって、異なるものになる。 # この T の特性(固有)多項式の定義は well defind か ? # 上記の定義が、基底のとりかたによらず、一意であればよい # prof) B : 別の基底にかんする T の行列 とすると、 \exist P : 正則 s.t. B = P^{-1}AP よって、 \Phai_B(x) = |Ex - B| = |Ex - P^{-1}AP| = |P^{-1}ExP - P^{-1}AP| = |P^{-1}(Ex - A)P| = |P^{-1}||Ex - A||P| = |P^{-1}| \Phai_A(x) |P| = \Phai_A(x) \Phai_A(x) の性質 n 次式 n 次の係数は 1 n - 1 は - Tr A 0 次の係数は (-1)^n|A| \Phai_A(x) = 0 の根は、(複素数の範囲で重複を別にかぞえれば..) n 個ある # 代数の基本定理 例 4) A が上三角行列 \Phai_A(x) = (x-a_{11})(x-a_{22})..(x-a_{nn}) よって、特性根は、a_{11}, a_{22}, .., a_{nn} 特に、 A^n は、対角要素が a_{ii}^n となる上三角行列になるので、 その特性根は、a_{11}^n, a_{22}^n, .., a_{nn}^n 例 5) p q A = ( A_{11}, A_{12} ) p O , A_{22} q の時、 \Phai_A(x) = \Phai_{A_{11}}(x) \Phai_{A_{22}}(x) prof) \Phai_A(x) = | xE_n - A | = | xE_p - A_{11} | | xE_q - A_{22} | = \Phai_{A_{11}}(x) \Phai_{A_{22}}(x) Th. [1.3] 行列 A (複素線型空間の線型変換 T ) の固有値は A ( or T ) の特性根と一致する。 実線型空間の線型変換 T の固有値は、 T の実数性根と一致する。 # 空間 | 実 複 # A の要素 +-------------------- # 実 | 実 複 (<= 間違えやすい) # 複 | なし 複 prof) \alpha \in C が A の固有値 <-> \exist x s.t. Ax = \alpha x <-> \exist x s.t. Ax = \alpha x Th. [1.4] 行列 A が対角行列 D に「相似」である。 A ~ D ( \exist P s.t. D = P^{-1}AD ) [対角化可能] <=> A の特性根の\alpha に対する固有空間の次元が、\alpha 重複度に一致する。 prof) \alpha_1, .., \alpha_k 固有値 m_1, , m_k 重複度 W_1, , W_k 固有空間 n_1, , n_k 次元 m_1 + .. + m_k = n |\alpha_1E-Ax| = 0 の時、もし、\alpha_1 に対する j 個の線型独立な、固有ベクトル e_1, .., e_j があれば、これに追加して、基底をつくる。 この基底に関する T_A の行列は、 ( \alpha E * ) O * これは、固有値 \alpha_1 を、 j 個以上ある。 j <= m_1 よって、 n_i <= m_i 一方、 n_1 + .. n_k = n [ 1.2 ] よって、 n_i = m_i Col. A の特性根が全て異る => 対角化可能 Col. 更に、A:実行列で、特性根が全て実数 => P は実数正則行列がとれる。 [例 6] 6 -3 -7 A = ( -1 2 1 ) 5 -3 -6 6-x -3 -7 \Phai_A(x) =A = | -1 2-x 1 | 5 -3 -6-x = x^3 - 2x^2 - x + 2 = (x-2)(x-1)(x+1) = 0 よって、固有値は、 2, 1, -1 # 「固有値、固有ベクトル、を求め、対角化せよ」的な問題 # は、この区切で部分点がつく !! 固有ベクトルは、 2 固有値 1 に対するもの P_1 = ( 1 ) 1 1 固有値 -1 に対するもの P_2 = ( -1 ) 1 1 固有値 2 に対するもの P_3 = ( 0 ) 1 対角化のための行列 P は ( P_1 P_2 P_3 ) とすればよい。 対角化された行列は 1 0 0 P^{-1}AP = ( 0 -1 0 ) 0 0 2 となる。 # P を作る P_1, P_2, P_3 の順番により、 # 対角化された行列に並ぶ固有値の順番が変化する。 [例 7] 1 2 1 A = ( -1 4 1 ) 2 -4 0 \Phai_A(x) = x^3 - 5x^2 + 8x -4 = (x-1)(x-2)^2 = 0 x = 1, 2(重解) # 重解があると、対角化できるかどうかわからない !! -1 固有値 1 に対するもの P_1 = ( -1 ) 2 1 固有値 2 に対するもの P_2 = ( 0 ) 1 0 固有値 2 に対するもの P_3 = ( 1 ) -2 # 重解があると一つの固有値から、複数の固有ベクトル # が探す必要があるので、大変 # 特に、二つとっても、独立でないと # 意味がないので、注意 !! よって、 P = ( P_1 P_2 P_3 ) 1 P^{-1}AP = ( 2 ) 2 [例 8] V = { {x_n} | x_{n+3} - 4x_{n+2} + x_{n+1} + 6x_{n} = 0 } は、3 次元の線型空間 基底として、 e_0 = { 1, 0, 0, .. } e_1 = { 0, 1, 0, .. } e_2 = { 0, 0, 1, .. } がとれる。 T : V -> V として、 要素を一つシフトする写像を取ると、これは線型変換 これの上記の基底にかんする T の行列 A をとると 0 1 0 A = ( 0 0 1 ) -6 -1 4 \Phai_A(x) = x^3 - 4x^2 + x +6 = (x+1)(x-2)(x-3) = 0 x = -1, 2, 3 固有値 -1 に対する固有ベクトル f_1 は Tf_1 = -f_1 より f_1 = { 1, -1, 1, -1, .. } = { (-1)^n } 同様にして f_2 = { 2^n } f_3 = { 3^n } # 以下、数列の一般解法の話 ここで、F= とすれば、これは V の基底であり、 F に関する T の行列は、( 対角化された.. ) -1 P^{-1}AP = ( 2 ) 3 となる。 { x_n } \in は、 { \alpha f_1 + \beta f_2 + \ganma f_3 } と一般的にあらわすことができる。 更に、P を E から F へのとりかえ行列とすれば、 \alpha x_0 P^{-1}( \beta ) = x_1 \ganmma x_2 となるので ^{-1} がわかれば、初項 x_0, x_1, x_2 が決れば、 ( それから、上記の \alpha, \beta \gamman ) がわかり、 それら初項を持つ一般項を求めることができる。 # つまり、対角化を行うことによって、行列の一般項を求める # ことができることに注意