前回、二次曲線と二次曲面の分類と、その表を作った == 柱面 : 直線 ( x_3 = 0 ) に平行な直線移動した軌跡になっている。 # 直線の合併集合 5 楕円柱面 8 双曲柱面 10 放物柱面 楕円錘面 x_2 = x_3 を x_1 = 0 まわりで回転した場合 \sqrt{x_1^2+x_2^2} = \sqrt{x_3^2} より x_1^2+x_2^2 - x_3^2 = 0 一葉双葉曲面 x_2 = x_3 を x_1 = 1 まわりで回転した場合 \sqrt{x_1^2+x_2^2} = \sqrt{1+x_3^2} より x_1^2+x_2^2 - x_3^2 = 1 def. 線織面 : 直線で囲まれた(2次?)曲面 (直線の合併集合) # 平面は、線織面でない == §6 直交変換とくに、三次元空間の回転 A : n 次実正規行列とる。 α_1, .., α_n : A の特性根 # 特性根は複素数になる可能性があるが、実行列では、 # 複素数の特性根は固有値にならない。 # 全ての特性根が実数ならば、それが、全て固有値になるので、これを # を利用して、A を簡単にできる ( 対角化 ) 。 # 特性根は複素数になっても実数の範囲で、あるていど、簡単にしたい.. Th. \alpha_i が虚数ならば、\bar{\alpha_i} も特性根 prof \bar{\Phi_A(\alpha_i)} をとるとこれは、 \Phi_A(\bar{\alpha_i}) になる。 \Phi_A(\bar{\alpha_i}) = \bar{\Phi_A(\alpha_i)} = \bar{0} = 0 なので、\bar{\alpha_i}も、\Phi_A(x)の根 \Phi_A(x) は、(x-\alpha_i)(x-\bar{\alpha_i}) でわれるので、これを繰り返して 因数分解し、実数根しなかないようにする。 以下、根をならべなおし、 \alpha_1, .. \alpha_{2m} : 複素数 \alpha_{2j} = \bar{\alpha_{2j}} \alpha_2m+1, .. \alpha_{n} : 実数 とする。 これらの固有値に対応する C^n 上の A の固有ベクトルからなる C^n の正規直交基底 p_1, .., p_n を取ることができる。 # これは、A の直交性より出てくる。 すると、 p_{2j} = \bar{p_{2j-1}} ( j = 1..m ) p_{k} = \bar{p_{k}} ( k = m+11..n ) となる。 prof) p_{2j-1} は A の \alpha_{2j-1} に対する固有ベクトルなので Ap_{2j-1} = \alpha_{2j-1}p_{2j-1} よって、これの共役を取れば 左辺 = \bar{Ap_{2j-1}} = \bar{A}\bar{p_{2j-1}} = A\bar{p_{2j-1}} = A\bar{p_{2j} 右辺 = \bar{\alpha_{2j-1}p_{2j-1}} = \bar{\alpha_{2j-1}}\bar{p_{2j-1}} = \alpha_{2j1}p_{2j} p_{k} は実数なので Okey 次に、次のようなベクトルのへんかんを行う q_{2j-1} = \frac{q_{2j-1}+\bar{q_{2j-1}}}{\sqrt{2}} q_{2j} = \frac{q_{2j-1}-\bar{q_{2j-1}}}{\sqrt{2}i} q_k = p_k すると、q_i は R^n の正規直交系 prof) ... # q_i の正規性質と直交をチェック == 与えられた固有根 \alpha_{2j-1} を a_{j} -i b_j ( a_j, b_j \in R ) とすると、 Aq_{2j-1} = a_j q{2j-1} + b_j q+{2j} Aq_{2j} = -b j q{2j-1} + a_j q+{2j} prof) ... 実際に、代入して計算してみればよい。 この結果、Q = ( q_1, .., q_n ) とすれば、これは直交行列で.. Q^{-1}AQ = ( a_1 -b_1 0 0 0 0 ... ) b_1 a_1 0 0 0 0 ... 0 0 a_2 -b_2 0 0 ... 0 0 b_2 a_2 0 0 ... ... ... 0 0 a_m -b_m 0 0 ... ... 0 0 b_m a_m 0 0 ... ... 0 \alpha_{2m_1} 0 ... 0 \alpha_{n 0 定理 6.1 ( 以上をまとめると.. ) 実正規行列は直交行列 Q によって、上の形に変換される。 == 系 6.2 特に、A が直交行列ならば、 | \alpha_i | = 1 よって、 a_j^2 + b_j^2 = 1 ( 単に円上 ) そこで、 a_j = \cos{\thita_j} b_j = \sin{\thita_j} とすれば、上記の定理より、 Q^{-1}AQ = ( \cos{\thita_1} -\sin{\thita_1} 0 0 0 0 ... ) \sin{\thita_1} \cos{\thita_1} 0 0 0 0 ... ) ... 0 \pm 1 ... 0 \pm_1 == 系 6.2' 実計量空間 V の直交変換 T に対して、V の邸kとうな正規直交 基底 を取れば、 Te_{2j-1} = \cos{\thita_1}e{2j-1} + \sin{\thita_1}e_{2j} Te_{2j} = - \sin{\thita_1}e{2j-1} + \cos{\thita_1}e_{2j} Te_{k} = \pm e_k とできる。 == 特に |A| = |Q^{-1}AQ| = | \cos{\thita_1} \sin{\thita_1} | .. (\pm 1).. |-\sin{\thita_1} \cos{\thita_1} | = \pm 1 であることに注意 == # 以下、n = 3 という特別な場合。 3 次元の 直交行列 A の内行列式が 1 のものを考えると、 これは、三次元の原点の回りの回転 T # 長さをかえず、原点を移動せず、行列式が 1 のもの となっている。 系 6.2' より、適当な正の向きの直交座標系 ( x', y', z' ) に関して Q^{-1}AQ = ( \cos{\alpha} \sin{\alpha} 0 ) -\sin{\alpha} \cos{\alpha} 0 0 0 1 とできる。 # これは、結局、z' 軸の回りに \alpha だけ回転したもの そこで、任意の三次元上の回転から、この z' の方向と回転角 \alpha を求めるという問題を考える。 # 回転の行列を三つの角度(オイラーの角)で与える。 == まず、一般の三次元上の回転の行列 A a_11 a_12 a_13 A = ( a_21 a_22 a_23 ) a_31 a_32 a_33 を考える。 A は直交で、|A|=1 なので、|a_{ij}| <= 1 特に |a_{33}| <= 1 そこで、 a_{33} = \cos{\thita} ( 0 <= \thita <= \pi ) とする。 # 区間 [ 0 \pi ] で \cos は単調増加なので.. この \thita は a_{33} に対して、一意に定まる。 a_13 縦ベクトル ( a_23 ) は、正規なので、 a_33 a_31^2 + a_31^2 + a_31^2 = 1 よって、 a_31^2 + a_31^2 = 1 - a_31^2 = \sin^2{\thita} よって、( 0 <= \phi <= 2\pi ) とすれば、 a_13 = \cos{\phi}\sin{\thita} a_23 = \sin{\phi}\sin{\thita} となる \phi が ( \thita \ne 0, \pi の場合のみ.. ) 一意に定まる。 # \thita \= 0, \pi の場合は、後で考える 同様に、横ベクトル ( a_31, a_32, a_33 ) も同様にして、 a_31 = \cos{\vphi}\sin{\thita} a_32 = \sin{\vphi}\sin{\thita} ( 0 <= \vphi <= 2\pi ) 次に、( \thita \ne 0, \pi の場合 ) a_13 a_11 1) 縦ベクトル ( a_23 ) ( a_21 ) が直交する a_33 a_31 a_13 2) 縦ベクトル ( a_23 ) は正規 a_33 3) a_31 が上でわかっているということで、 a_11, a_21 を計算すると a_11 = \cos{\thta}\sin{\phi}\cos{\vphi}\pm\cos{\phi}\sin{\vphi} a_21 = \cos{\thta}\cos{\phi}\cos{\vphi}\mp\sim\phi}\sin{\vphi} # ここで、\pm に関しては、二通りの可能性が考えられる。 同様に、a_21, a_22 も計算できる。 ここまでは、\pm が確定しないが、今度は、横ベクトルに関する 性質を利用すると、\pm が確定し、結局、 A = ( .. Text 参照 .. ) となる。 この ( \thita, \phi, \vphi ) をオイラー角という。 更に、\thita 0, \pi の場合は、a_{33} = \pm 1 となる。 a_{33} = 1 の時は、 左上の 2 x 2 の行列は、平面の回転になるので、 \cos{\alpha} -\sin{\alpha} 0 \sin{\alpha} \cos{\alpha} 0 0 0 1 となり、これは、一般形式の \alpha = \phi + \vphi としたのと同じ a_{33} = -1 の時は、 左上の 2 x 2 の行列は、線対称になるので、 -\cos{\beta} -\sin{\beta} 0 -\sin{\beta } \cos{\beta} 0 0 0 -1 となり、これは、一般形式の \beta = \phi - \vphi としたのと同じ # 以上、まとめると... 原則として、A が決れば、オイラー角は存在する。 \thita が 0, 2\pi でなければ、一意に定まるが、 0, 2\pi の場合は、上記の形で他の場合もありうる。 # 一つを固定すれば、他のは決る。 == 次回 このオイラー角を指定して作られる三次元の回転から 回転軸の方向と回転の量を調べる方法を説明する。