== 回転行列 T が与えられると、それに対して、三つの角度 (\thita, \phi, \vphi )オイラーの角 を使い、その行列表現を、この三つの角度で、表現できる。 A = ( ) (式 6) 三つの角度で、回転を表現できる。 T e_3 を考えれば、\thita と \phai の図形的な性質はわかる。 \vphi の図形的な意味は難しい. e_3, Te_3 を含む平面 と Te_1, Te_2 を含む平面 の交線を ON とすると、ON と Te_1 のなす角度が \vphi # \thita, \phi を判り易くとったので、そのしわよせが、\vphi へ.. # 本来もとめたかったのは、回転軸とその回りの回転量だったので、これから、 # それを求めることを考える。 軸の方向ベクトルは、この回転 T によって、変更されないわけだから、T の固有ベクトルであることがわかる。 そこで、T の固有ベクトルを求めると.. Tx = x を解いて (\cos{\thita} - 1)(\sin{\phi-\vphi} x_1 + { 1-\cos{\phi-\vphi}}x_2)=0 のがもとめられ、これをもとに、固有ベクトルの例を一つ求めると以下のようになる。 x_1 = (1-\cos{\thita}){1-\cos{\phai-\vphi}} x_2 = -(1-\cos{\thita})\sin{\phai-\vphi} x_3 = \sin{\thita}(\cos{\phai}-\cos{\vphi}) これが、固有ベクトル A の固有値は、式(5) より、1, \cos{\alpha}\pm i\sin{\alpha} なので、 Tr A = 1 + 2\cos{\alpha} 一方、(6) より、 Tr A = (\cos{\thita}+1))\cos{\phi-\vphi}+1} - 1 この二つは等しいので、 \cos{\alpah} = \frac{1}{2}(\cos{\thita}+1)(\cos{\phi+\vphi}+1)-1 が得られる。ここで、この式を満す \alpha は、\cos{\alpha} \ne \pm 1 の時に 二つある。 # これは、回転軸 z' の取る方向が二通りあり、それによって角度が二種類で # るので、しょうがない。そこで、軸 z' の取る方向を固定し、それによって、 # 角度も固定する。 そこで、z 方向と z' 方向となる角が \frac{\pi}{2} をこえないように選ぶ とする。つまり、( 二つのベクトルの内積である.. ) z 成分が非負であるよ うにする。 ここで、z = \sin{\thita}(\cos{\phi}-\cos{\vphi}) であり、現在 \sin{\thita} が正になるような \thita しか考えていないので、結局、 \cos{\phi} \ge \cos{\vphi} の時に、z' は f 方向、そうでないときには、-f 方向と、まず z' の方向と定める。 この時、この向きの長さ 1 のベクトルを e_3' とすると、 0 < \alpha < \pi <=> e_3, te_3, e_3' が右手系 <=> det(e_3, te_3, e_3') が正 <=> det(e_3, te_3, (\cos{\phi}-\cos{\vphi})\)f) が正 そこで、det(e_3, te_3, (\cos{\phi}-\cos{\vphi})\)f) の値を計算すると.. - \sin{\thia}(1-\cos}\thita})(\cos{\phi}-\cos{\vphi})(\sin{\phi}-\sin{\vphi}) となる。処が、最初の二つの項目は、常に正の値なので、結局、二つの項目だけで、この項の符号が確定する。 0 < \alpha < \pi <=> (\cos{\phi}-\cos{\vphi})(\sin{\phi}-\sin{\vphi}) < 0 ... (9) # 結局、これによって、 # T -> オイラー角 -> 軸の方向と回転の大きさ # が計算できたことになる。 # しかし、ここで、オイラー角が一意に極らない場合があったので、その場合 # も考える必要がある。 a33 = 1 の時 これは、回転軸が z 軸方向 ( 0 0 1 ) 、回転軸は \alpha となるこ とが分って、これは、(6) で \thita=0, \phi+\vphi = \alpha の場合。 この時 (7) の式は、( 0 0 0 ) になり、一致しない。 (8) の方は、\cos{\phi+\vphi} より一致 a33 = -1 の時 れは、(6) で \thita=\pi, \phi-\vphi = \beta の場合。 この時 (7) も一致 (8) \cos{\alpha} = -1 より、\alpha = \pi より一致 # 以上をまとめると.. 定理 6.3 となる。 [注意] Y_{\thita} を y 軸の回りの角 \thita の回転 Z_{\phi} を z 軸の回りの角 \phi の回転 Z_{\vphi} を z 軸の回りの角 \vphi の回転 とすると、 T = Z_{\phi}Y_{\thita}Z_{\vphi} となる。 (prof) それぞれの回転の行列を作り、実際に掛けあわせると、(6) 式になる ので Okey # 一般の回転は、複数の軸のまわりの回転の組み合わせで実現できる。 == 以上で、シラバスで用意した内容はすべて済んだ。 後は、章末問題を適当に行う。 == 期末テストの問題は... 4 章 @ シュミット 5 章 ( 辺り.. ) @ スペクトル 二次形式の応用 注意!! 4 次の固有値の計算ができるようにしておく !! == 後は、章末問題を適当に行う。 問題 3 V : n 次元ベクトル空間 def. T が 羃(巾)零変換とは.. \exist k \in N s.t. T^k = O i) T が羃(巾)零 <-> T^n = O [<-] は定義よりあきらか [->] を考える。 適当な V の基底を取ることにより、その基底に関 する T の行列 A として、上三角行列にできる。 # 常に対角化できるとは限らないが、上三 # 角にはできる。 この対角線上には、固有値 \alpha_i がならぶ。 A^k を計算すると、この対角要素は \alpha_i^k がならぶ。 T^k = O より A^k = O なので、alpha_i^k = 0 つまり、alpha_i = 0 よって、A は対角要素が 0 対角要素が 0 である上三角行列同士の積を計算すると、 今度は、対角の一つ上も 0 になる。 同様に n 回かけると、全ての要素が 0 になる すなわち A^k = O よって、T^k = O ii) T が羃(巾)零 <-> T の特性根が全て 0 [=>] T の特性根を \alpha_i とすると、上記のように、対角要素に \alpha_i がならぶようになり、羃(巾)零より、\alpha_i は 0 [<=] A の対角要素が 0 なので、A^n = 0 となり、T は 羃(巾)零 問題 4 A, B : 実対称 -> AB = BA prof) A の相異なる固有値 \beta_1, .., \beta_k 対応するなる固有空間 W_1, .., W_k とする。この時、各々の W_i は B-不変 prof) x \in W_i に対して A(Bx) = B(Ax) = B(\beta x) = \beta (Bx) なので、Bx \in W_i W_i の正規直交基底で、B の固有ベクトルからなるものが取れる。 これらを全ての i に関して、V の正規直交基底 を作ると、p_1, .., p_n は、A と B の両方の固有ベクトルとなる。 P = (p_1, .., p_n) は、直交行列なので、 P^{-1}AP, P^{-1}BP, は、ともに、対角列行列。 問題 5 i) A : 実交代行列 \alpha ; A の固有値 x : \alpha に対する固有ベクトル、長さ 1 (Ax,x) = (\alpha x x) = = (x A^{*}x) = -(x Ax) = -(x \alpha x) = -\bar{\alpha} つまり \bar{\alpha} = -\alpha よって、 \alpha は、0 または、純虚数 ii) A : 実交代行列 なので、A は正規行列 P によって、対角化できる。 一方、A は実行列なので、\alpha が固有値 \bar{\alpha} も固有値 しかも、固有値は、前問より 0 または、純虚数なので、結局、 \alpha_1, \bar{\alpha_1} .., 0, 0.. となる。つまり、Rank は、( 0 でない.. ) 2n 個の純虚数の個数 に等しいので偶数。 == 来週、もっと、問題を確認してくる。質問等があれば受け付けるので、質問を もってくること。