\documentclass[a4j]{jarticle} \input{style.tex} \title{代数学幾何学演習II (No.002)} \date{2003年4月25日} \author{利根川 聡} \begin{document} \maketitle \no4 行列 $ A=(\v{a}_1 \ \v{a}_2 \ \v{a}_3 \ \v{a}_4 \ \v{a}_5) $ に 左から正則行列 $ P $ をかけたところ、 $ \Mat5{1 & 3 & 0 & 0 & 2 \\ 0 & 0 & 1 & 0 & 3 \\ 0 & 0 & 0 & 1 & -2 \\ 0 & 0 & 0 & 0 & 0} $ という形になった。\vspace{-3mm} \\ (1) $ P\v{a}_1, P\v{a}_2, P(2\v{a}_4+\v{a}_5) $ を求めよ。 \\ (2) $ \v{a}_2=3\v{a}_1 $ を示せ。 \\ (3) $ \v{a}_5 $ を $ \v{a}_1, \v{a}_3, \v{a}_4 $ の線形結合で 表せ。 \\ (4) $ \v{a}_1, \v{a}_3, \v{a}_4 $ は線形独立であることを示せ。 \\ (5) $ \v{a}_2, \v{a}_4, \v{a}_5 $ は線形独立であることを示せ。 \vs \no5 次に示すのは、行列 $ A=\Mat4{1 & 1 & -1 & -1 \\ 2 & 0 & 1 & 0 \\ 1 & -1 & 2 & 1} $ に基本変形を 施していった様子である。 \vspace{2mm} \\ $ \Mat4{1 & 1 & -1 & -1 \\ 2 & 0 & 1 & 0 \\ 1 & -1 & 2 & 1} \to \Mat4{1 & 1 & -1 & -1 \\ 0 & -2 & 3 & 2 \\ 1 & -1 & 2 & 1} \to \Mat4{1 & 1 & -1 & -1 \\ 0 & -2 & 3 & 2 \\ 0 & -2 & 3 & 2} \to \Mat4{1 & 1 & -1 & -1 \\ 0 & -2 & 3 & 2 \\ 0 & 0 & 0 & 0} \to $ \vspace{2mm} \\ \hfill $ \Mat4{1 & 1 & -1 & -1 \\ 0 & 1 & -\frac32 & -1 \\ 0 & 0 & 0 & 0} \to \Mat4{1 & 0 & \frac12 & 0 \\ 0 & 1 & -\frac32 & -1 \\ 0 & 0 & 0 & 0} \to \Mat4{1 & 0 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 0 & 0} $ \vspace{2mm} \\ (1) 以下の文が正しくなるように、〈左・右〉のいずれか一方を選び、 下線部にあてはまる行列を求めよ。 (1a) 2番目の行列は、行列 $ A $ に〈左・右〉から行列 \underline{\hspace{10mm}} をかけると得られる。 (1b) 4番目の行列は、行列 $ A $ に〈左・右〉から行列 \underline{\hspace{10mm}} をかけると得られる。 (1c) 最後の行列は、その直前の行列に〈左・右〉から行列 \underline{\hspace{10mm}} をかけると得られる。 \\ (2) 最後の行列を $ F $ とする。$ A=PFQ $ が 成り立つような正則行列 $ P,Q $ を求めよ。 \\ (3) $ A=(\v{a}_1 \ \v{a}_2 \ \v{a}_3 \ \v{a}_4) $ と表すとき、 $ \v{a}_3, \v{a}_4 $ は $ \v{a}_1, \v{a}_2 $ の線形結合で 表せることを示せ。 \\ (4) 連立方程式 $ A\v{x}=\v{0} $ の一般解を求めよ。 \vs \no6 次の行列の階数(ランク)を求めよ。 \[ A=\Mat3{1 & 5 & 3 \\ 2 & 3 & 4 \\ 3 & 1 & 5}, \hs B=\Mat4{1 & 2 & 3 & 2 \\ 2 & 3 & 5 & 1 \\ 1 & 3 & 4 & 5}, \hs C=\Mat5{1 & 2 & -3 & 2 & 1 \\ 1 & 3 & -3 & 2 & 0 \\ 2 & 4 & -6 & 3 & 4 \\ 1 & 1 & -4 & 1 & 6} \] \\ \no7 以下の行列の行列式および逆行列を求めよ。 $ C,D $ に対しては、逆行列が存在するための $ x $ の 条件も言え。 $$ A=\Mat4{1 & 2 & 0 & -1 \\ -3 & -5 & 1 & 2 \\ 1 & 3 & 2 & -2 \\ 0 & 2 & 1 & -1}, \quad B=\Mat4{7 & 4 & 2 & -3 \\ -2 & -1 & 5 & -6 \\ 0 & 0 & 3 & 5 \\ 0 & 0 & 1 & 2}, \quad C=\Mat4{x & 1 & 0 & 0 \\ 0 & x & 1 & 0 \\ 0 & 0 & x & 1 \\ 0 & 0 & 0 & x}, \quad D=\Mat5{x & 1 & 1 & 1 & 1 \\ 1 & x & 1 & 1 & 1 \\ 1 & 1 & x & 1 & 1 \\ 1 & 1 & 1 & x & 1 \\ 1 & 1 & 1 & 1 & x} $$ \vspace{10mm} \\ \no8 次の連立方程式を解け。(3)では、連立方程式が解をもつような 定数 $ a $ の値を求めた上で、解を求めよ。 \vspace{2mm} \\ (1) $ \left\{ \begin{array}{rl} x+2y-z+8w & =10 \\ 2x-3y+z-w & = -1 \\ -x+y+4z-5w & = -1 \\ x-2y+2z-3w & = -2 \end{array} \right. $ \quad (2) $ \left\{ \begin{array}{rl} 2x+y-z+6w & =4 \\ -x+5y+2z+w & =10 \\ x+2y+3z+w & =-4 \\ 2x-y+z+8w & =-2 \end{array} \right. $ \quad (3) $ \left\{ \begin{array}{rl} x+3y+z & =3 \\ -2x+2y+3z & =-2 \\ ax+y-2z & =5 \\ -x-2y+2z & =-12 \end{array} \right. $ \vs \no9 以下に与えるベクトルの組 $ \basis{\v{f_1},\v{f_2},\v{f_3}} $ に シュミットの直交化法を適用して、 正規直交基底 $ \basis{\v{e_1},\v{e_2},\v{e_3}}$を作れ。 \\ (1) $ \v{f_1}=(1,1,1), \ \v{f_2}=(0,1,1), \ \v{f_3}=(0,0,1) $ \\ (2) $ \v{f_1}=(1,-2,1), \ \v{f_2}=(1,2,-3), \ \v{f_3}=(2,1,1) $ \\ (3) $ \v{f_1}=(4,1,1), \ \v{f_2}=(1,0,-1), \ \v{f_3}=(2,-4,5) $ \\ (4) $ \v{f_1}=(1,i,0), \ \v{f_2}=(0,2,i), \ \v{f_3}=(1,-i,3) $ \\ (5) $ \v{f_1}=(i,-1,1), \ \v{f_2}=(2+i,-i,2+i), \ \v{f_3}=(3,1-i,2) $ \\ (6) $ \v{f_1}=(1,1-i,i), \ \v{f_2}=(-1+2i,1,-1), \ \v{f_3}=(i,1-2i,1) $ \vs \no{10} $ \v{a}_1=(1,0,1), \ \v{a}_2=(0,2,2), \ \v{a}_3=(3,7,1) $ と おく。 \\ (1) $ \v{a}_1, \v{a}_2, \v{a}_3 $ が線形独立であることを示せ。 \\ (2) $ \v{b}=(-1,3,-7) $ を $ \v{a}_1, \v{a}_2, \v{a}_3 $ の 線形結合で表せ。 \\ (3) $ \v{c}=(-6,c,3) $ とおくとき、 $ \v{a}_2, \v{a}_3, \v{c} $ が線形従属となるように $ c $ の 値を定めよ。 \vs \no{11} $ A,B $ を実数を成分とする $ n $次正方行列とする。 \\ (1) $ A,B $ がともに逆行列をもつとき、積 $ AB $ も逆行列を もつことを示せ。 \\ (2) $ A $ および積 $ AB $ が逆行列をもつとき、$ B $ も 逆行列をもつか? 証明または反例を与えよ。 \vs \no{12} $ A,B $ を実数を成分とする $ n $次正方行列とし、 $ A $ は直交行列であるとする。 \\ (1) $ B $ が直交行列ならば、 積 $ AB,BA $ も直交行列となることを示せ。 \\ (2) 積 $ AB $ が直交行列ならば、 $ B $ および $ BA $ も直交行列となることを示せ。 \vs \no{13} $ A,B $ を実数を成分とする $ n $次正方行列とする。 \\ {\bf 注}:任意の $ A,B $ に対して $ \t(AB)=\t B\,\t\! A $ が 成り立つことは、証明なしに用いてよい。 \\ (1) $ A $ が正則行列ならば $ \t A $ も正則で $ (\t A)^{-1} =\t(A^{-1}) $ が成り立つことを示せ。 \\ (2) $ A $ が正則な対称行列ならば $ A^{-1} $ も対称行列となる ことを示せ。 \\ (3) $ A,B $ が対称行列ならば積 $ AB $ も対称行列となるか? 証明または反例を与えよ。 \vs \no{14} 行列 $ A $ を $ A=\Mat2{A_{11} & A_{12} \\ O & A_{22}} $ (ただし、$ A_{11},A_{22} $ は正方行列とする) と区分けするとき、以下の問に答えよ。 \\ (1) $ A $ が正則であるためには $ A_{11},A_{22} $ が ともに正則であることが必要であることを示せ。 \\ (2) $ A_{11},A_{22} $ がともに正則ならば $ A $ も正則である ことを示し、$ A^{-1} $ を $ A_{11},A_{12},A_{22} $(および、 必要ならばその逆行列)を用いて表せ。 \end{document}