解析学とコンピュータ 2005/01/25 最後のまとめ == 一年間、数値計算の話をやった 前期にやったこと 方程式の解法● 線型方程式 ガウスの消去法 ヤコビ法 ガウス=ザイデル SOR 法 非線型方程式 2 分法 ニュートン法 # 方程式以外でもよく用いられる 後期にやったこと 固有値問題● ヤコビ法 ベキ乗法 補間法 補間 ラグランジェ補間 ( 大域的な補間 ) 誤差のない点であれば正しい結果になるが.. 実際には測定誤差があるので、良くない 誤差の影響が外まで及んでしまう スプライン補間 ( 局所的な補間 )● 誤差があっても、局所的なので、蓄積しない。 各々の区間で、三次関数を繋げる 接続点で微係数までを一致させる 三次関数にする意味 (偶数次数はだめ) 次元が低い (一だ) と凸凹 次元が高い (五だ) と計算量が多い # 三次元は丁度よい 心電図などは、ピークがあるので三次元だと駄目 次元が高い方がよい # 自在定規の利用 多項式での近似は、区間の外で暴れてしまうという性質を持つ 関数近似 数値微分 数値積分 台形法 シンプソン法 ガウス法 # これを直接利用することはない # 有限要素法で、個々の要素で積分が必要になっている # そこで数値積分を利用する 常微分方程式● オイラー法 結果を簡単に得たい時に利用する # テイラー展開から導出することができる ルンゲ=クッタ法 偏微分方程式● ( <= これまで「補間」というのは言い過ぎかも.. ) 有限差分法◎ 形状が簡単な場合は計算しやすいが、複雑な形では駄目 強収束 : 差分を小くすれば全体として近似される # 関数自身の誤差が減る 有限要素法◎ 形状を近似するのに向いている 複雑な形を近似するためのよい 弱収束 : 差の積分が 0 に収束すれば良い # 関数自身の誤差の積分が減る ## 根の概念を「強収束からを弱収束にした」という点が有限要素法の骨頂ではないか ? ( 福井説 !! ) 点で動くものは、有限要素法で Okey => 剛体の計算など 線で動くものは、差分方法でないとだめ => 流体の計算など # 有限要素方法だと「点」から漏れてしまう.. 境界要素法◯ トピックス 並列処理 数式処理 # 色々やったが、本来なら、一項目に 2 月位かけるのが普通 ( 毎日講義して終るかどうか.. ) # 収束の証明などやっていない # -- 数学科なので自分でできるよね.. # -- やっても役に立たない.. # 講義の目的は、数値計算の手法のサーベイ # 入門として、本当に必要になったときに、Key word になれば.. # ポイントとして、「気を付ける点」を紹介すること.. == 固有値問題 行列 A に対して A x = r x 満す r ( と、x ) を求める問題 r : 固有値 x : 固有ベクトル n × n の行列の場合は n 個の固有値が出てくる 二次元の場合は、楕円の長軸と短軸の長さ 楕円の軸の角度が固有ベクトルの値 円の場合は、同じ固有値になる (固有ベクトルは一つに定まらないので、直交する二つのものを任意に選んでよい) 行列の問題の解き方 問題の性質を保存したまま、特殊な形 ( 対角だけに要素が残る ) に変形する操作を繰り返す # 行列の対角化を行う 線型方程式 => 基本変換 : 連立方程式の解を変えない 固有値 => 相似変換 : 固有値を変えない 相似変換は、座標変換の一種 ( 回転、反転等、拡大は含まれない ) # Intel CPU の SSE 等は、回転に都合がよい命令 # => 固有値問題を解くのにも都合がよい 50 年前の固有値問題 ( QR 法などがなかった時代 ) 代数方程式に変換されてから、代数方程式を解いていた ( つまり同値 ) 4 次元までは、公式があったが.. 5 次元以上はない 数値計算で解くしかない 連立方程式の問題は、fill-in ( 一度零になった要素が零でなくなるという現象 ) をさけることができる => つまり「直接法がある」ということを意味する 固有値問題は、 fill-in をさけることができない => つまり、「必ず、反復法で解かないといけない(直接方法はない)」ということに対応する # 数値計算での「直接法」は「有限回で必ず根が得られる方法」のこと == 補間 : n 点が与えらえると n 次元の多項式を作ることができる 次元が高いと、暴れてしまうので、あまり高い次元での補間は行わない == 数式処理 - 数値計算 お互いの得手、不得手の部分をおぎなうと良い 数式処理 : 小林先生や、竹島先生が御詳しい # 数値計算の前処理に数式処理を使う 並列処理 : ある意味で大変 一つの仕事を二人でやると上手く行かないかも.. 一般には難しいが... # 以下の場合を目的に利用されている 今の CPU の限界 既に、光の速度 ( 3 x 10^10 cm ) の限界にきている 1 Ghz の One Clock で光の移動速度は、たった 30cm !! # 半導体の中では、更に遲い.. 半導体はもう、速くならない 速くしようとすると、電圧をあげないといけない 電圧を上げると熱 (消費電力) が上がる 半導体が溶けてしまう !! 並列化を行う !! 消費電力をかえず、電圧を下げて、速度を上げる # 今後はこのパターン 速度をかえずに、電圧を下げて、消費電力を下げる # 今後はこのパターン 大規模計算 一年かかる計算を半年にできれば.. リアルタイム性 特定の時間内に答えが出ないと意味がない == 試験 2/1 9:30- 教室は.. ? 来年はカリキュラムが変るので、教科書も変る ==