2005/12/13 数値解析学と演習 福井 先生 前回、偏微分方程式を学んだ 今年は、今日(偏微分方程式の二回目)と来週(並列処理他、トピック)の二日、来年は一度だが、それはまとめを行う 偏微分方程式のイメージ示す ( シミュレーション ) == KII のシミュレーション 数値計算の例と、実際の地震での観測値を比較して、みてみる 地震波の入りかたで、ビルの揺れかた (モード) が違う 実際の計算は、「固有値」問題を数値計算で解いている 地震波はなかなか取れない (地震は、何時どこで起きるかわからない) 本当にひどいと、観測機が壊れてしまって記録が残らない KII (アメリカで観測) とく、建物の中にどのような形で届いたかが知らない 阪神大震災では、幾つか記録を取ることできた # 地震の情報は、Web 経由で取れることがある 最大剪断力が、建物の強度より強いと、壊れてしまう 最大剪断力は、建物の形 ( 設計 ) によって、異る 同じ強度の設計の建物でも、設計が異ると、固有値が異り、結果的に最大剪断力が変化して、壊れたり、壊れなかったりする 地震波の入る角度によっても、剪断力の向きが変わり、壊れたり、壊れなかったっりする。 # サンフランシスコ地震でも、同じ地震で、壊れる建物と壊れない建物があった。 遠くの地震だと、高周波成分が低周波成分に変る => 地震の震源地との距離によっても揺れる建物が異る このシミュレーションでの対象となるビルは 17 F 建で、硬い構造 今の建物は、(それでは持たないので..) 柔構造な設計になっている => 昔のビルに比べて、良く揺れるが、壊れにくい 遠くの地震だと、 小さい建物程、周波数が高い 遠い地震だと、低周波になるので、高層ビルが被害を受ける 地震の被害を小くするには、建物をきちんと作ることはもちろん大事だが どう巧く作っても建物は揺れる => ゆれても被害が小くなるようにしなければならない 家具を固定する == ロックヒルダム ( 普通のダム [コンクリートの強度で持つ] と違う ) ジャリ等の自重で、強度をもたせている 日本ではめずらしい ( 広さが必要なので.. ) 形状と、境界条件を入れて、偏微分方程式を解いている # こまかいシミュレーションを行うと、「ジャリが飛んでいる」ものもある # => (砂利が飛んで)形状が変るので、計算が大変 == 高速道路の橋桁 # 動きが理解りやすいように、強調してある 橋桁の下に、特別な敷物を入れると、揺れが減る 建物の下にゴムを入れる 支える土台の柱が土台にぶつからないカーブを計算すると、林檎と軸の形にするとよい => 自然は偉大 # 攪拌するための容器の形も、「卵型」にすると、交ぜ安い == 材質の質を変えたシミュレーション 材質の違う所で、反射や屈折が起きる ( 光と同じ.. 波だから... ) 山があると地震波が屈折したり、反射したりする == 建築基準法 高い建物は、動的なシミュレーションが必要 2000 年から変った ( 阪神大震災 ) 四国の柱 ( 鉄を沢山使っている ) 本当に高いビルの柱には、コンクリは使えない 自重を支える必要があるから 霞ヶ関ビルの柱は、鉄骨だけ == シミュレーションを行うためには、地面の中の構造が必要 宇宙の方は、遠くまで解るが、水の中や地面の中は良くわからない == シミュレーションは、数値実験だけでなく、実際に振動台で揺らして、測定結果を得る == 動的遠心模型実験 新潟地震ので問題 液化現象が起きた 砂や泥を回して、地震が起きた時にどのような状況になるかを調べる == 地震が起きると墓石が飛ぶ ( 墓石は、台の上に置いてあるだけなので.. ) 墓石の飛んだ結果から、過去の地震の状態が解る == 偏微分方程式の形 ( 3 次元の場合 ) # 以下、 # \PD{u}{x} = \frac{\partial u}{\partial x} # \PDD{u}{x} = \frac{\partial^2 u}{\partial x^2} # \PDC{u}{x}{y} = \frac{\partial^2 u^2}{\partial x\partial y} \PDD{u}{x}+\PDD{u}{x}+\PDD{u}{x} = f 時間応答があると \PD{u}{t} = \PDD{u}{x}+\PDD{u}{x}+\PDD{u}{x} + f ( 過渡応答解析 : 動解析 ) 安定状態 ( 時間の変動がなくなる / 無限時間後.. ) だと \PD{u}{t}=0 を意味するので、 \PDD{u}{x}+\PDD{u}{x}+\PDD{u}{x} = f ( 安定 : 静解析 ) の形に戻る 高い建物では、地震の場合、上から 1/3 位の所に力がかかる 地震での状況を調べるには、静解析だけではだめで、動解析が必要 建物の振動は、高さだけでなく、縦横比 ( アスペクト比 ) が問題 通常の物理化学では、 \PDD{u}{x}+\PDD{u}{x}+\PDD{u}{x} = f の形で、すこし複雑になると \PDC{u}{x}{y} が入る。 静的解析の例 構造の強度を調べるプログラム 一点を固定し、他点に、力をかける 材質を均一にして、強度を最大にする形状は ? => 通常の (常識的な.. ) 鉄塔の形になる == 偏微分方程式では、メッシュ分割を行うが、どこに変数をおくかは問題によって異る 構造に力を加える場合 => 格子の交点で力が釣合うので交点の所を変数とする 流体力学 => 格子の辺の所に水が流れる 格子の交点所に変数を取るとだめ 格子の辺の所に変数を取る必要がある # 戸川先生が、一度失敗して、流体のシミュレーションで格子の交点に変数ととってみたら.. 水が漏れ出すという数値計算結果が得られた.. ## 問題に応じて、常識的な点を取る必要がある == 偏微分方程式 \PDD{u}{x} + \PDD{u}{y} 差分化すると \frac{u(x+Δx,y)+2u(x,y)+u{x-Δx,y)}{(Δx)^2} \frac{u(x,y+Δy)+2u(x,y)+u{x,y-Δy)}{(Δy)^2} の形、これを行列にすると 1 次元 \ \\\ \\\ 0 \\\ \\\ 0 \\\ \\\ \ 2 次元 \ \ \\\ \ \\\ \ 0 \ \\\ \ \ \\\ \ 0 \ \\\ \ \\\ \ \ 3 次元 \ \ \ 0 \\\ \ \ \\\ \ \ \ \\\ \ \ \\\ \ \ \ \\\ \ \ \\\ 0 \ \ \ 1 次元の場合は、直接法でも、反復法で Okey 2 次元以上の場合は、要素に 0 が多いことがきいてくるので、反復法が有利 大きな行列は、偏微分方程式からでてきる場合がおおい => 上のようなスパース行列になる # 後は、株価予想の応用が 次元の大きな計算結果は、数値結果を可視化するための技術も必要 特に時間が関る場合はアニメーションの技術が必要になる == 来週は、このような大きな計算をするために並列化を行う == シミュレーションを行うには 地震波の情報 けんしょう 地面の内部の情報 建築家は、お客さん向けに色々なデモがよういされていて、楽しい == 数値解析的なこまかい話は避けて、どのような分野に応用されるかという観点で話をしている 理論技術の応用先がわからないと、意味が取れない 色々な数値計算の方法があり、どこに応用されるかを理解して欲しい 大雑把に物事(筋)をつかむ能力 姉羽問題 電卓で計算してもたりないことは解るが.. 携っている人間なら一目でわかるはず 文珠の温度形 /\ || || || || || /\ || || +-++-+ <- ここで折れることは、「見て」解る | | | | 株値問題 普通だったらありえない注文 入力値チェックは常識 リアルタイムのシステムでは、応答に誤りがあると大変なので、値のチェックは必然 => 素朴な感覚が大事 # 講議の中で、「精密にいえば嘘」になる内容を説明している # 枝まで話すと、理解りにくいことになるので.. # 幹と枝を両方話すと、幹と枝の区別がつかなくなる # => あえて枝の部分を省いて説明している == 材料の質による振舞いの違い 鉄板を作る時の圧延の方向によって強度が異る プレスで型を作ると戻り方が違うので、車のボンネットを作る時に気を使う必要がある # 試作で成功したが、量産で失敗することがある 紙のすく方向によって、紙繊維に縦横の違いがある 繊維向きに逆らって紙を折ろうとすると硬い ちゃんとした本屋さんだと、頁がめくりやすいように、本の縦と、繊維の向きがそろえてある 最近の本屋では、この原則が守られていないことがあり、面倒 !!