2005/07/14 代数学幾何学及び演習 I (古津先生) # 講議を進めてても、どうせ中途半端なので、今日は演習問題を解く P.71 問 6 A : n 次 ( k \in N ) の時 イ) A^k = E => A: 正則 ∵ k = 1 なら、A=E より、A は正則 k>1 のときは、 A^k = A^{k-1}A = AA^{k-1} = E つまり、A^{k-1} = A^{-1} となるので、正則 ロ) A^2 = A かつ、 A \ne E => A は正則でない。 # 背理法で示す A が正則だと仮定する、すると A^{-1} が存在するので、 A^2 = A の両側に A^{-1} をかけると A^2A^{-1} = AA^{-1} より A = E ところが、これは、条件に反するので、仮定が誤り よって、A は正則でない。 ハ) A^k = O => A は正則でない # A^k = O となる A を「羃零行列」と呼ぶ ∵ k=1 なら、A = O より、正則でない k>1 の時、A が正則と仮定すると、両辺に逆行列 A^{-1} をかけると A = O よって矛盾 ニ) A : 羃零 => A \pm E : 正則 ∵ A^k = O k=1 の時 E \pm A = E \pm O = E なので、正則 k>1 の時 (E-A)(E+A+A^2+..+A^{k-1}) = E - A^k = E よって、E-A は、正則 上の A に -A を代入して、 (E+A)(E-A+A^2+..+(-1)^{k-1}A^{-1}) = E -(-1)^kA^k = E よって、E+A は、正則 # この最後の ニ) の性質は、証明などで時々使う P.71 問 7 XY-YX=E となる n 次行列 XY は存在しない ∵) Tr(XY-YX) = Tr(XY)-Tr(YX) = Tr(XY)-Tr(XY) = 0 一方、 Tr(E) = n なので、 Tr(XY-YX) \ne Tr(E) なので、 XY-YX \ne E # XY-YX は O になることは、あるが、E になることはない P.71 問 8 A:(l,m) 型, B:(m:n) の時 rank AB \le rank A rank AB \le rank B # やり方は同じなので、一方だけを示す。 ∵ rank B = r とすると、 \exist P, Q : 正則 s.t. PBQ = F_{m,n}(r) ∴ B=P^{-1}F(r)Q^{-1} ∴ ABQ=AP^{-1}F(r) # ここで区分けをおこなうと、 r m-r r n-r ( A_11 | A_12 ) ( E_r | O ) r -----+------ ----+---- A_21 | A_22 O | O m-r r = ( A_11 | O ) r -----+--- -----> F_{l,n}{s} A_21 | O こうだとすると、実は、同じ行列をかけることにより r = ( A_11 ) r ---- -----> F_{l,r}{s} A_21 とできるので、これより、 s \le r = rank B # s は、l, r より小さい || rank ABQ || rank AB # Q は正則なので、rank は変らない P.30 問 4 T : を原点の囘りの角θの回転とする。 S_1, S_2 : (原点を通り X 軸とのなす角度をαとなる直線) l_1 と (l_1 と X 軸に対して線対称な直線) l_2 に対する線対称 T, S_1, S_2 に関する行列を A, B_1, B_2 とする。 A = ( \cos(θ) -\sin(θ) ) \sin(θ) \cos(θ) B_1 = ( \cos(2α) \cos( 2α-π/2 ) ) \sin(2α) \sin( 2α-π/2 ) = ( \cos(2α) \sin(2α) ) \sin(2α) -\cos(2α) # これが、線対称の公式 B_2 = ( \cos(2α) -\sin(2α) ) # B_1 で、αに-αを代入 -\sin(2α) -\cos(2α) これより、S_1 と S_2 の合成に対応する行列は、 B_1 B_2 = ( \cos(4α) \sin(4α) ) \sin(4α) -\cos(4α) となるので、4α=θとすれば、 A = B_1 B_2 すなわち、T は S_1 と S_2 の合成によって、作られる p.30 問 5 平面 π : (a,x)=0 # これは、x に 0 を入れても成立するので、原点を通る平面 # a は、πに垂直なベクトル に関する対象変換 T は線型 ∵)πは原点を通るので、今、S を πへの射影子とすると、 Tx + x = 2 Sx となる。 よって、 Tx = 2 Sx - x ここで、 S は、線型なので、2 倍も線型 -x も線型 なので、 T も線型変換 更に、 (a,x) Sx = x - ----- a (a,a) より、 (a,x) Tx = x - 2 ----- a (a,a) # この最終形をみても、線型性が解る P.30 問 8 a, b, c \in V (a,a) (a,b) (a,c) B = ( (b,a) (b,b) (b,c) ) (c,a) (c,b) (c,c) A = ( a, b, c ) の時 |B| = |A|^2 である。 ta ∵) tAA = ( tb ) ( a b c ) = B tc よって、 |B| = |tAA| = |tA||A| = |A||A| = |A|^2 == 大問は、6 位あった 多項式 最大公約数 (ユークリッドの互除法) 複素数 計算二題 掛け算、足し算、共役、オイラー 第1章 内積, 外積 (他) 第1章 行列式二題 三次の行列の計算 第2章 階数二題 階数の計算 第2章 基本変形他 # ほとんど、計算、計算問題ができるように !! [採点基準] 原則として答しかみない # 途中で計算が間違っていても、最終的な答があっていればよい # cf. rank の計算では、基本行列はかかなくてもよい 講議が 70 点で、これに演習の 30 点数がつく # 前期は、点数が取れる人が多いが、後期は点数が取れない # => 前期で稼いでおこう !!