2005/10/20 代数学幾何学及び演習 I (古津先生) # 5 分位遅刻した # 前回は、合同変換を学んだ 合同変換 T = T_o T_a 合同変換の内、裏返しがおきないもの => 運動 運動は、符号を変えないので |A| > 0 合同変換は、大きさをかえないので |A| = \pm 1 これより、|A| = 1 が決る。 特に、原点を移動しない運動は、回転になる 平面の回転は、 ( \cos{x} -\sin{x} ) \sin{x} \cos{x} となるが、空間の回転は、回転の軸が x, y, z 軸の何れかでないと、大変 z 軸での回転は、 ( \cos{x} -\sin{x} 0 ) \sin{x} \cos{x} 0 0 0 1 となる。 二章の問題に出てくる概念 # 二章の問題は時間が余ったら、最後にやる 羃零行列 \exist k \in N s.t. A^k = O 対称行列 {}^tA = A 後退行列 {}^tA = -A 正規行列 AA^* = A^*A エルミートや、ユニタリを含む 交替積 [X,Y] = XY-YX # XY=YX ならば、[X,Y] = O に注意 A = (a_ij) で、a_ij \ge 0 => A は、非負行列 v = (a_i) で、a_i \ge 0 => v は、非負ベクトル \sum_{j=1}^n a_ij = 1 の時、確率行列 == 第3章 行列式 # 二次元と三次元の行列式は、一章で既に学んだ。これの一般形式を学ぶ | a b | | c d | = ad - bc | a b c | | d e f | = aei + bfg + cdh | g h i | - aff - bdi - ceg # これを、この様な形で、一般化するのは大変なので、別の(一般化しやすい..) 形で、再定義する。 ## その為に準備が必要で、今日は、その準備だけで終る。 §1 置換 (群) [定義] ( 置換 ) A = { 1, 2, .., n } # 有限集合 に対して、 A から A への 1 対 1 の変換σを「n の置換」と呼ぶ # σ は上への写像であることに注意 # 置換の種類は n! # 置換の表現方法 : 置換の内容を「表形式」で表す σ = ( 1 2 .. n ) ← 入力 i_1 i_2 .. i_n ← 出力 # つまり、σ(k) = i_k となる # [注意] 上の順番は任意 # ( 1 2 3 ) と ( 2 3 1 ) は同じ置換とみなす。 # 2 3 1 3 1 2 [例] S_3 ( |A|=3 であるような A 上の置換全体の集合 ) は 3!=6 個 ( 1 2 3 ) 1 2 3 ( 1 2 3 ) 1 3 2 ( 1 2 3 ) 2 1 3 ( 1 2 3 ) 2 3 1 ( 1 2 3 ) 3 1 2 ( 1 2 3 ) 3 2 1 [定義] 恒等(単位)置換 ( 1 2 .. n ) 全ての要素を動かさない置換 1 2 .. n を「恒等(単位)置換」と呼ぶ [定義] 逆置換 σ = ( 1 2 .. n ) i_1 i_2 .. i_n に対して、上下を交換した次の置換を、元の置換の逆置換と呼ぶ σ^{-1}=( i_1 i_2 .. i_n ) 1 2 .. n [例] σ = ( 1 2 3 ) 2 3 1 の時 σ^{-1} = ( 2 3 1 ) 1 2 3 = ( 1 2 3 ) 3 1 2 [定義] 置換の合成 置換σとτの合成を、σとτの「積」と呼び τσ = σ・τ で表す。 [例] σ = ( 1 2 3 ) 2 3 1 τ = ( 1 2 3 ) 1 3 2 τσ = ( 1 2 3 ) 3 2 1 στ = ( 1 2 3 ) 3 1 2 [1.1] (στ)ρ = σ(τρ) 1_n σ = σ1_n σσ^{-1} =σ^{-1}σ = 1_n [定義] S_n = { n 文字の置換 } : n 次対称群 [1.2] イ) J : S_n -> S_n \in \in σ |-> σ^{-1} は全単射 ロ) R_τ : S_n -> S_n \in \in σ |-> στ :_τ : S_n -> S_n \in \in σ |-> τσ は全単射 proof) # 値域と定義域の大きさが同じなので、単写なら全射となることに注意 イ) (単写であることを示す) σ_1 \ne σ_2 ならば、σ_1^{-1} \ne σ_2^{-1} よって、 J は単写 よって、 J は全射 ロ) (単写であることを示す) σ_1 \ne σ_2 ならば、 σ_1τ \ne σ_2τ τσ_1 \ne τσ_2 よって、 R_τ, L_τ は単写 よって、 R_τ, L_τ は全射 [定義] σ \in S_n が 2 つの文字だけを入れ替え、他は入れ替えない場合 「互換」と呼ぶ この時 σ = ( i, j ) で表現する # この表現は、教科書では使っていないが、代数などで良く利用するので、 # この講議では利用することにする。 [定理] 任意の置換は、何個かの ( (1,j) の形の.. ) 互換の積として 表すことができる。 [例] S_3 を実際に互換の積で表してみる.. ( 省略 ) # 一般には、帰納法で証明する [定理] τ : 互換 => τ^{-1} = τ proof) ττ=1_n [1.3] S_n \in σを互換の積で表わした時に、互換の個数が、偶数か 奇数かはσできまる。 proof) n 変数の差積を考える Δ(x_1,..,x_n) = \Pi_{i