問 4 |A| = | x_0 .. x_{n-1} | | x_{n-1} x_0 .. x_{n-1} | | x_1 x_1 .. x_0 | αを 1 の n 乗根即ち α = e^{\frac{2\pi}{n}m i} (m=0,..,n-1)とし、 第 1 列の j 列の α^{j-1) 倍を加える ( j = 2,..,n ) その結果の (k,1) 成分を考えると α^{n} x_{n+1-k} + α^{n+1} x_{n+2-k} + .. + α^{k-1)x_0 + .. + α^{n-1} x_{n-k} = α^{k-1}( x_0 + αx_1 + α^2 x_2 + .. + α^{n-1}x_{n-1} ) よって、どの行の 1 列目は、どれも x_0 + αx_1 + α^2 x_2 + .. + α^{n-1}x_{n-1} で割切れ、 |A| = (x_0 + αx_1 + α^2 x_2 + .. + α^{n-1}x_{n-1}) | 1 x_1 x_2 .. x_{n-1} | | α x_0 x_1 .. x_{n-2} | .. | α^{n-1} x_2 x_3 .. x_0 | つまり、|A| は、 x_0 + αx_1 + α^2 x_2 + .. + α^{n-1}x_{n-1} という因数を持つ。これは、任意のα ( 任意の n に対する α^n ) で成立するので |A| は、\PI_{α^n=1} ( x_0 + αx_1 + α^2 x_2 + .. + α^{n-1}x_{n-1} )n で割切れる。 両辺の次数は n で、x_0 の係数は共に 1 なので、 |A| は \PI ..そのものとなる。 問 5 # 問 4 の結果から、直に計算できるが、まともにやってみる # 基本変形を使って、左側に寄せるのがポイント |A| = | x i 1 -i | | -i x i 1 | | 1 -i x i | | i 1 -i x | = | x+1 i 1 -i | | x+1 x i 1 | | x+1 -i x i | | x+1 1 -i x | = (x+1) | 1 i 1 -i | | 1 x i 1 | | 1 -i x i | | 1 1 -i x | = (x+1) | 1 i 1 -i | | 0 x-i i-1 1+i | | 0 -2i x-1 2i | | 0 1-i -i-1 x+i | = (x+1) | x-i i-1 1+i | | -2i x-1 2i | | 1-i -i-1 x+i | = (x+1)(x^3-x^2-5x-3) = (x+1)^3(x-3) [別解] (問 4 の結果を利用する) 次元が 4 なので、αとして 1 の 4 乗根、すなわち、 1, i, -1, -i を利用すると |A| = ( x + 1 i + 1^2 1 + 1^3 (-i) ) ( x + i i + i^2 1 + i^3 (-i) ) ( x + (-1) i + (-1)^2 1 + (-1)^3 (-i) ) ( x + (-i) i + (-i)^2 1 + (-i)^3 (-i) ) = (x+1)(x-3)(x+1)(x+1) = (x+1)^3(x-3) # 問 4 の形の問題は良く出る 問 6 n 個の点 ( x_i, y_i ) ( x_i が全て異る.. ) を通る曲線で y = a_0 + a_1 x + .. + a_{n-1}x^{n-1} (1) の形のものは一通り # 実際に、n=1,2,3 位までをやってみるとよい まず、(1) が点を通るので、それぞれ各々の点の値を代入してみた結果 a_0 + a_1 x_1 + a_2 x_1^2 + .. + a_{n-1}x_1^{n-1} = y_1 a_0 + a_1 x_2 + a_2 x_2^2 + .. + a_{n-1}x_2^{n-1} = y_2 .. a_0 + a_1 x_n + a_2 x_n^2 + .. + a_{n-1}x_n^{n-1} = y_n となる連立方程式が成立する。ここで、係数行列 A とすれば、 A = ( 1 x_1 x_1^2 .. x_1^{n-1} ) 1 x_2 x_2^2 .. x_2^{n-1} ) ... 1 x_n x_n^2 .. x_n^{n-1} ) となる。 ここで、 |{}^tA| は、バンデルモンドの行列式なので、差積になる。 各々の x_i は異るので、差積は 0 でない。 つまり、係数行列の行列式が 0 でないので、上記の連立方程式は解が一つ 問 7 a,b,c,d \ne 0 の時の連立方程式を解く a x - b y - a z + b u = 1 b x + a y - b z - a u = 1 c x - d y + c z - d u = 1 d x + d y + d z + c u = 1 # クラーメルを使う 係数行列を A とすると A = ( a -b -a b ) b a -b a c -d c -d d c d c これは、区分けをすれば A = ( B -B ) C C よって、 |A| = | B -B | = | B O | = |B||2C| = 2^2|B||C| C C | C 2C | = 4(a^2+b^2)(c^2+d^2) クラーメルでは、列を入れ替えたものを考えればよいので |A_1| = | 1 -b -a b | = | 1 -2b -a b | = 2a |C| | 0 a -b a | | 0 2a -b -a | | 0 -d c -d | | 0 0 c -d | | 0 c d c | | 0 0 d c | |A_2| = -2b |C| |A_3| = -2a |A| |A_4| = 2b |C| よって、 x_1 = \frac{|A_1|}{|A|} = \frac{a}{2|B|} x_2 = \frac{|A_2|}{|A|} = -\frac{b}{2|B|} x_3 = \frac{|A_3|}{|A|} = -\frac{a}{2|B|} x_4 = \frac{|A_3|}{|A|} = \frac{b}{2|B|} 問 8 (l_1) a_1 x + b_1 y = c_1 (l_2) a_2 x + b_2 y = c_2 (l_3) a_3 x + b_3 y = c_3 これの係数行列 A と、拡大行列 \tild{A} を考える a_1 b_1 A = ( a_2 b_2 ) a_3 b_3 a_1 b_1 c_1 \tilda{A} = ( a_2 b_2 c_2 ) a_3 b_3 c_3 直線である以上、両方の係数が 0 にならないので rank A は 1 以上 また、|\tild{A}|=0 なので rank \tilda{A} は 2 以下 # \tilda{A} の rank が 3 だと、行列式は 0 にならない そこで、rank A と rank \tilda{A} の場合分けを考えると rank A rank \tilda{A} ア 1 1 イ 1 2 ウ 2 2 {ア) の時 \tilda{A} を基本変形すると、 ( a_1 b_1 c_1 ) 0 0 0 0 0 0 となることを意味する この場合は、三直線がみな同じであることを意味する {イ) の時 \tilda{A} を基本変形すると、 ( a_1 b_1 c_1 ) 0 0 * 0 0 * これは、平行だが異る三直線となる (ウ) \tilda{A} を基本変形すると、 ( 1 0 d_1 ) 0 1 d_2 0 0 0 これは、(x,y)=(d_1,d_2) が唯一の解になる。 すなわち、三直線は、一点で交わる # 連立方程式だと思うと # ア : 不定 # イ : 不能 # ウ : 唯一の解 # となる 問 9 一直線上にない 3 点 P_1 (x_1,y_1,z_1),P_2 (x_2,y_2,z_2), P_3 (x_3,y_3,z_3), を通る平面の方程式は f(x,y,z) = |x y z 1| |x_1 y_1 z_1 1| |x_2 y_2 z_2 1| |x_3 y_3 z_3 1| となることを示す。 ∵) 第 1 行で展開すると |x_1 y_1 1| |x_1 z_1 1| |x_1 y_1 1| |x_1 y_1 z_1| |x_2 y_2 2| x - |x_2 z_2 1| y - |x_2 y_2 1| z - |x_2 y_2 z_2|=0 |x_3 y_3 3| |x_3 z_3 1| |x_3 y_3 1| |x_3 y_3 z_3| これは、平面の方程式となっている。 また、この式が、点 P_1,P_2,P_3 を通るかどうかだが、実際に代入すると f(x_1,y_1,z_1) = 0 となるので、この平面は、この点を通る 問 10 A : n 次整数行列 A が正則で A^{-1} が整数行列 <=> |A| \pm 1 ∵) (=>) 1 = |E| = |AA^{-1}|=|A||A^{-1}| ここで、A も A^{-1} も共に整数行列なので行列式自身も整数 よって、整数同士の積が 1 になるのは、共に \pm 1 の時だけ (<=) A の (i,j) 余因子を \tilda{a_ij} とする。 これは、整数となる。 A^{-1} = \frac{1}{|A|} ( \tilda{a_ij} ) で、|A| = \pm 1 より A^{-1} の要素は \pm \tilda{a_ij} すなわち整数 問 11 σ \in S_n :--> A_{σ} ( σ(j),j ) 成分だけが 1 ( j = 1..n ) 他は 0 すると、 A_{σ} = ( e_{σ(1)} .. e_{σ(n)} ) となることに注意 イ) A_{σ} が直交行列であることを示す {}^tA_{σ}A_{σ} = ( {}^te_{σ(1)} ) ( e_{σ(1)} .. e_{σ(n)} ) {}^te_{σ(2)} ) .. {}^te_{σ(n)} ) = ( (e_{σ(i)} e_{σ(j)} ) = E ロ) A_{στ) = A_σ A_τ を示す B = (b_1,..,b_n) とすると BA_σ = ( b_{σ(1)} b_{σ(2)} .. b_{σ(n)} ) よって、 A_σ A_τ = ( b_{σ(τ(1))} b_{σ(τ(2))} .. b_{(τσ(n))} ) 一方 A_{στ} = ( b_{σ(τ(1))} b_{σ(τ(2))} .. b_{(τσ(n))} ) したがって、 A_σ A_τ = A_{στ} ハ) sgn σ = \pm 1 <=> |A_σ| \pm 1 τ = (i,j) : 互換とすると A_τ は、E の i,j 列を交換した形なので |A_τ| = -1 となる 一般に、置換 σ は互換の積 τ_1τ_2..τ_n で表現できるので |A_σ| = |A_{τ_1τ_2..τ_n}| = |A_{τ_1}A_{τ_2}..A_{τ_n}| = |A_{τ_1}| |A_{τ_2}|..|A_{τ_n}| = (-1)^n = sig σ となる。 == 試験 時間は 1 時間 12/8 2 章の後半 + 1 12/15 3 章 (行列式)