代数幾何 I 古津先生 (2008/01/10) 章末問題をやっていた ( 3 番までやっいた ) # 4 番からといいたい処だが、都合により 5 番から始める == [問 5] | x i 1 -i | |A| = | -i x i 1 | | 1 -i x i | | i 1 -i x | 変数が入っているので、多項式 ( 4 次 ) これを因数分解する必要がある 普通に展開すると大変になる => 工夫する 規則性があるので、それに着目する 第 1 列に第 2, 3, 4 列の 1 倍を加える | x+1 i 1 -i | | 1 i 1 -i | |A| = | x+1 x i 1 | =(x+1)| 1 x i 1 | | x+1 -i x i | | 1 -i x i | | x+1 1 -i x | | 1 1 -i x | # これで、基本変形が可能になった 第 4 行に第 2 行の -1 倍を加える 第 3 行に第 1 行の -1 倍を加える 第 2 行に第 1 行の -1 倍を加える | 1 i 1 -i | | x-i i-1 1+i | |A|=(x+1)| 0 x-i i-1 1+i | = (x+1)(-1)^2(1) | -2i x-1 2i | | 0 -2i x-1 2i | | 1-x -2i x-1 | | 0 1-x -2i x-1 | 第 1 列に第 3 列の 1 倍 | x+1 i-1 1+i | |A|=(x+1) | 0 x-1 2i | = (x+1)^2 | x-1 2i | | 0 -2i x-1 | | -2i x-1 | = (x+1)^3(x-3) # 括りだしながらすると、因数分解をする必要がない # 展開の計算をしてしまうと、後で、因数分解が必要になるのでしない ## 展開をすると大変なので、括ることに専念するのが、次の 4 番 !! # よくあるパターンは「縦横を全部だすと、同じになる」 [問 4] | x_0 x_1 .. x_{n-1} | |A| = | x_{n-1} x_0 .. x_{n-2} | | .. | | x_1 x_2 .. x_0 | = \Pi_{\alpha^n=1} (x_0 +\alpha x_1 + .. + \alpha^{n-1} x_{n-1}) # 前期でやったように、1 の n 乗根は n 個数ある。 # まともに展開すると大変 => 全部足すと同じ値になるので、「ぱたーん」!! 第 1 列目に第 2 列目の 1 倍を加える 第 1 列目に第 3 列目の 1 倍を加える .. 第 1 列目に第 n 列目の 1 倍を加える | x_0+x_1+.._x_{n-1} x_1 .. x_{n-1} | |A| = | x_0+x_1+.._x_{n-1} x_{n-1} x_0 .. x_{n-2} | | .. | | x_0+x_1+.._x_{n-1} x_2 .. x_0 | # 一列目が同じなので、括り出す | 1 .. | = (x_0+..+x_{n-1}) | 1 .. | | .. | | 1. | これで、元の式が、(x_0+..+x_{n-1}) という要素を持つことが解る # これを一つずつやると大変 # 実は、これをまとめてやることができる。 ## 最初からまとめるとわかりにくいので、一つの場合を例示してみた。 ## ということで、最初にもどって 第 1 列目に第 2 列目の \alpha 倍を加える 第 1 列目に第 3 列目の \alpha^2 倍を加える .. 第 1 列目に第 n 列目の \alpha^{n-1} 倍を加える | x_0 +\alpha x_1+..\alpha^{n-1} x_{n-1} .. | |A| = | x_{n-1}+\alpha x_0+..\alpha^{n-1} x_{n-2} .. | | .. | | x_1 +\alpha x_1+..\alpha^{n-1} x_0 .. | | 1 .. | = (x_0+\alpha x_1..+\alpha^{n-1} x_{n-1}) | \alpha .. | | .. | | \alpha^{n-1} . | すなわち、元の式は (x_0+\alpha x_1..+\alpha^{n-1} x_{n-1}) という因数がある。 \alpha は任意なので、元の式は、 \PI.. で割切れる。 両辺の次数が同じなので、違いは係数だけ x_0 の係数を比較すると 1 なので、両辺は等しい # これは、展開して比較していたら大変 !! == 講義アンケート 「記名」にすると出席票扱い ( + 3 点する ) [科目コード] M42B (前半の人は M42A となる) == [問 6] n 個の相異なる点があると n - 1 次式で、この n 点を通る曲線が一つ決る (proof) n 個の点を (x_i,y_i) ( i = 1,..,n) とする x_i \ne x_j for ( i \ne j ) 曲線 y = a_0 + a_1 x + a_2 x^2 + .. + a_{n-1} x^{n-1} を考える。 これが、n 点を通るので、それぞれ代入すれば、次の n 個の等式が成立する a_0 + a_1 x_1 + a_2 x_1^2 + .. + a_{n-1}x_1^{n-1} = y_1 a_0 + a_1 x_2 + a_2 x_2^2 + .. + a_{n-1}x_2^{n-1} = y_2 .. a_0 + a_1 x_{n-1} + a_2 x_{n-1}^2 + .. + a_{n-1}x_{n-1}^{n-1} = y_{n-1} これを a_0, .., a_{n-1} の連立方程式だと思い、その解が一意であることを示せばよい この連立方程式を、行列を用いてあらわせば、次の形になる 1 x_1 x_1^2 .. x_1^{n-1} y_1 ( 1 x_2 x_2^2 .. x_2^{n-1} ) ( y_2 ) .. .. 1 x_{n-1} x_{n-1}^2 .. x_{n-1}^{n-1} y_n この係数行列を A とする。 ここで、|{}^tA| は、ヴァンデルモンドの行列式となる 転置をしても行列式の値は変らないので |A| = |{}^tA| = \Pi_{i 区分けすると、次のようになる A = ( B | -B ) ---+---- C + C よって、 |A| = | B O | = |B| |2C| = 4 (a^2+b^2)(c^2+d^2) | C 2C | ここで、a,b,c,d が実数で 0 でないので、この式は 0 とならない !! すなわち、|A| が 0 でないので、A は正則 A が正則なのでクラーメルが使える !! # 規則的で、文字を含む場合はクラーメルを使う例となる !! # クラーメルを利用すので、他の行列式も求める必要がある |A_1| = | 1 -b -a b | | 0 a b -a | | 0 -d c -d | | 0 c d c | # ここで、いきなり展開できる形で、展開してもよいが、.. 2 列目に 4 列目の -1 倍を加えると |A_1| = | 1 -2b -a b | = 2a(c^2+d^2) | 0 2a b -a | | 0 0 c -d | | 0 0 d c | # こっちの方が、展開が楽 同様にして |A_2| = -2b(c^2+d^2) |A_3| = -2a(c^2+d^2) |A_4| = 2b(c^2+d^2) 以上により x = \frac{|A_1|}{|A|} = \frac{a}{2(a^2+b^2)} y = \frac{|A_2|}{|A|} = \frac{-b}{2(a^2+b^2)} z = \frac{|A_3|}{|A|} = \frac{-a}{2(a^2+b^2)} u = \frac{|A_4|}{|A|} = \frac{b}{2(a^2+b^2)} # 基本変形でやることもできるが、大変 [問 8] 平面上に三本の直線がある l_1 : a_1 x + b_1 y = c_1 l_2 : a_2 x + b_2 y = c_2 l_3 : a_3 x + b_3 y = c_3 条件として、 a_1 b_1 A = ( a_2 b_2 ) a_3 b_3 a_1 b_1 c_1 \~A = ( a_2 b_2 c_2 ) a_3 b_3 c_3 として、 |\~A| = 0 の時の三つの直線の関係を求める。 (答) l_1, l_2, l_3 は直線なので、a_i, a_j の中で 0 でないものがある => A の rank は 1 以上となる # rank が 0 となるのは全ての成分が 0 の場合だけ 一方、|\~A| = 0 なので、\~A の rank は 2 以下 そして、常に |A| は |\~A| と等しいか 1 小さいだけ これから、次の場合しか考えられない ア イ ウ ---------------------- rank A 1 1 2 rank \~A 1 2 2 ----------------------- 解 有(1) 無 有(0) # ここまでは以前の内容から解る。より詳しくみると.. rank A = 1 の時は、 a_1 b_1 A = ( a_2 b_2 ) a_3 b_3 で、a_1, b_1 のいずれかは 0 でない。 a_1 が 0 でない場合を考え、a_1 で他の a_2, a_3 を払うと その結果、二列目は 0 にならなければならない ( 0 でないと rank が 2 になる) よって、 a_1 : b_1 = a_2 : b_2 = a_3 : b_3 すなわち、l_1, l_2, l_3 は傾きが等しい これから、 ア : 3 直線は一致する イ : 3 直線は平行 ( 2 本までは一致してもよい ) ウ : 3 直線は一点で交わる == テストの話 # 詳しくは、来週話をするが.. 行列式の計算 置換群の話が少し rank 逆行列 連立方程式(解く方法を 基本変形 最終的な基本変形の結果を示す クラーメル 行列式とその値を計算する 殆ど、計算だけ !!