代数幾何 I 古津先生 (2008/05/08) # 最初は、少し、教科教科書から離れて、補足の話をする # ほぼ、高校の復習だが、忘れていたり、また、やっていない内容もある == 原点 O と 点 A があり、a = OA とする O A P(x) ----*----*---*--- 直線 OA 上の点 P の位置ベクトルを x とすれば、 x = t a ( t \in R ) ... (1) となる。 # 逆に、t が R 上を自由に動けば、(1) 式は、直線 OA の式 # 今度は、t に制限をかけてみる t>0 O から右の半直線 t<0 O から左の半直線 00 は、A から B の方向の半直線 t<0 は、A から B と反対方向の半直線 t>1 は、B から A と反対方向の半直線 t<1 は、B から A の方向の半直線 0 0, s > 0 とすれば、やはり線分AB # 同じ意味で、複数の表現があることに注意 == [内分/外分] # これは高校の復習 [内分] 線分 AB を m:n に内分する点 P の位置ベクトルを x とすると A P B ---*----*-------*---- m n AP = \frac{m}{m+n} AB # t = \frac{m}{m+n} となっていることに注意 なので、 x = \frac{n}{m+n} a + \frac{m}{m+n} b となる。 # 特に、m=n=1 の時は、中点の式になっている [外分] 線分 AB を m:n に外分する点 P の位置ベクトルを x とすると m>n の時 m A B P ---*----*-------*---- m-n n より、 AP = \frac{m}{m-n} AB # t = \frac{m}{m-n} 一方、m0 AB より O と反対側の半平面 s+t<0 AB より O と同じ側の半平面 t = 0 の時は、線分 OA 上の点 t > 0 の時は、線分 OA 上から、B と同じ側の半平面 t < 0 の時は、線分 OA 上から、B と反対側の半平面 s = 0 の時は、線分 OB 上の点 s > 0 の時は、線分 OB 上から、A と反対側の半平面 s < 0 の時は、線分 OB 上から、A と同じ側の半平面 t = 0 s = 0 t<0 \ t>0 s>0 / s<0 \ / \ / s + t > 0 -------*--------*------ s + t = 1 A \ / B s + t > 0 \ / \ / \/ * O /\ 特に、三角形の内部は、 s + t < 1 t > 0 s > 0 で表現できる。 平行四辺形の内部は、 0 < t < 1 0 < s < 1 で表現される。 # 平面上の図形を、ベクトル形式で表現できるようにしておくこと # この他に、平面上の図形で、ベクトルで表し易いのは、円 点 A を中心に、半径 r の円上の点 P とすると、 AP = r なので、 | x - a | = r が、円の方程式となる。 # 楕円とか、放物線などは、ベクトルで表すのは大変 # ここで、教科書に戻る == [空間内の直線] 点 P_1 (x_1) を通り、ベクトル a に平行な直線の式 x = x_1 + t a ( t \in R ) # これは、平面の時と同じ式になっている事に注意 これを、 a = P_2 P_2 として、各々の点の座標を P_1 ( x_1, y_1, z_1 ) P_2 ( x_2, y_2, z_2 ) P ( x, y, z ) としたら、それぞれの位置ベクトルの関係から x x_1 x_2 - x_1 ( y ) = ( y_1 ) + t ( y_2 - y_1 ) z z_1 z_2 - z_1 よって、 \frac{x-x_1}{x_2-x_1} = \frac{y-y_1}{y_2-y_1} = \frac{z-z_1}{z_2-z_1} ( = t ) が、直線の方程式 例 1 x + 2 y + 3 z = 1 2 x + 2 y + z = -1 # 空間で、一次式が二つあれば、直線 # 空間で、一次式が一つで、平面だが、二つの平面の共通部分(交線)が空間の直線となる 連立すると z = x + 1 y = -2x - 1 となるので、これより、 x = \frac{-y-1}{2} = z - 1 で直線の式。 ベクトル表記したい場合は、適当に、x に値をいれて、この直線上の 相異なる二点の座標を求める。 例えば、 ( 0, -1, 1 ) ( -1, 1, 0 ) これより、 x 0 -1 ( y ) = ( -1 ) + t ( 2 ) z 1 -1 が得られる。 # ここで、点の取り方は色々あるので、答も色々でてくる可能性がある。 例 2 直線 l_1 (a に平行) と l_2 (b に平行) の為す角をθとする # 為す角は二通り勘がられるが、小さいを方を取る # 0 <= θ <= \frac{π}{2} ベクトル a と b の為す角は θ か π - θ ここで、 \cos{θ} = \frac{(a,b)}{|a||b|} なので、 \cos{θ} = \frac{(a,b)}{|a||b|} ( (a,b) > 0 の時 ) = - \frac{(a,b)}{|a||b|} ( (a,b) < 0 の時 ) # 符合によって区別するのは大変なので、一つにまとめると これより、 \cos{θ} = \frac{|(a,b)|}{|a||b|} となる。 [直線と点の距離] # 実は、計算の方法は、空間でも平面と同じ # ∵ 空間内に直線と点があれば、それを含む空間上の平面が存在する # 後は、その平面上で話をすれば、平面上の話なので、結果も変らない l : x = x_1 + t a と、点 P (x_0) との距離を PP' = | x_0 - x_0' | とすると、 x_0' = x_1 + t a (a, x_0 - x_0' ) = 0 より、 (a, x_0 - x_1 - t a ) = 0 だから t = \frac{(a,x_0-x_1)}{(a,a)}} これより、 x_0' = x_1 + \frac{(a, x_0 - x_1)}{(a,a)} a よって、 | x_0 - x_0' | = | x_0 - x_1 - \frac{(a, x_0 - x_1)}{(a,a)} a | となる。 これの両辺を二乗して整理すると、教科書の形になる # ここら辺は、前回と全く同じ # Text では、ちょっと表現が異なるのは、計算を二乗でやっているから == # 空間内の直線の式を、ベクトル形式と、方程式の形でかけるようになって欲しい !! 問 二点 (1,1,2), (2,3,4) を通る直線の式 l : \frac{x-1}{2-1} = \frac{y-1}{3-1} = \frac{z-2}{4-2} より、 l : x-1 = \frac{y-1}{2} = \frac{z-2}{2} また、ベクトル表示は、 x 1 1 ( y ) = ( 1 ) + t ( 2 ) z 2 2 となる。 問 二点 (1,1,2), (1,3,4) を通る直線の式 l : \frac{x-1}{1-1} = \frac{y-1}{3-1} = \frac{z-2}{4-2} ここで、x の項目は、分母が 0 なので、これは分けて、分子を 0 とする。 l : x = 1, y = z-1 # 注意が必要 !! # ベクトル表示の場合は気にする必要はない。 x 1 0 ( y ) = ( 1 ) + t ( 2 ) z 2 2 問 二点 (1,1,2), (1,1,4) を通る直線の式 l : \frac{x-1}{1-1} = \frac{y-1}{1-1} = \frac{z-2}{4-2} ここで、今度は、x と y の両方で、分母が 0 なので、これは分けて、分子を 0 とする。 のこりは、式が既に、二つあるので、三つ目は捨てる l : x=1, y=1 # 空間の直線の方程式ってやってる ? ==> 確認する。