代数幾何 I 古津先生 (2008/05/15) # 少し遅刻した ベクトル表示 内積表示 変数式表示 平面の直線 x+ta (一つ) (a,x)=d (一つ) 一つ 空間の直線 x+ta (一つ) 二つ 二つ 空間の平面 x_0+ta+sb(二つ) (a,x)=d (一つ) 一つ 平面上の一直線上にない三点 P1, P2, P3 を選ぶ a = P1P2 b = P1P3 は、S にふくまれ、独立。 S の任意の点 P について P1P = ta + sb と表せる。 OP = OP1 + P1P なので、 x = x_1 + t a + s b ( s,t \in \R ) が、S のベクトル表記 # 式の形から、ベクトル表記へ 問1 S: 2x-y-3z = 1 [答] この S 上の点で、一直線上にない三点を選べばよい。 # 三点を選びかたは、沢山あり、どれでも良いが、後で計算がしやすように # 値が、整数となるものを探すとよい。 ## 「例えば」次の三点を選ぶ P1: (0,-1,0) P2: (1,1,0) P3: (-1,0,1) 平面上の 3 点がわかったので、これから、 1 a = P1P2 = ( 2 ) 0 -1 b = P1P3 = ( 1 ) 1 をもとめ、ベクトル表記は、 x 0 1 -1 (y) = (-1) + t (2) + s ( 1) z 0 0 1 となる。 # 逆に、ベクトル表記から、式の形へ 問2 S: x 1 1 -1 (y) = ( 2) + t (-1) + s (-2) z 0 0 1 [答] # やりかたとして、 # (a) 成分毎の連立方程式 x = 1 + t - s y = 2 - t - 2s z = 1 # から、連立方程式を解いて s, t を消去する方法 # と # (b) s, t に適当な値をいれて、一直線上にない三点 # 「例えば」 # P1 ( 1, 2, 0 ), P2 (2, 1, 2), P3 (0,0,1) # を選び、これから式を求める方法がある。 ## 今回は、(a) の方が簡単である。 # ベクトルと式表示は相互に変換可能なのでできるようにしておくこと !!! == 空間に、同一平面上にない四点OABC を選ぶと、 a = OA b = OB c = OC は線型独立 点ABC 含む平面を S とすると、 x = a + t(b-a) + s(c-a) = (1-t-s) a + t b + s c # ここで、(1-t-s) = u とすると S : x = u a + t b + s c ( u + s + t = 1, u, s, t \in R ) とあらわせる。 これを利用すれば、三角形 ABC の内部の点 P は、 x = u a + t b + s c ( u + s + t = 1, u>0, t>0, s>0, u, s, t \in R ) と、平面と同じようにできる。 # 同様にして、平面上の話は、すべて空間上に拡張できる ## 折角空間の話をしているのに、平面だけでは詰まらないので、空間の話をする # 空間内の平面を一つきめると、空間は、その平面によって二つの部分(半空間)に分れる 平面 S : x = u a + t b + s c ( u + t + s = 1 ) で、 原点 O を含む半空間は x = u a + t b + s c ( u + t + s < 1 ) # 原点 O は、u = t = s = 0 の場合なので、< と > のうち # < の方であることが解る となる。 逆に、原点 O を含まない半空間は x = u a + t b + s c ( u + t + s > 1 ) 次に、平面 OAB を考えると、これは、 x = u a + t b ( すなわち s = 0 ) となる。ここで、残りの点 C を含むのは、 s>0 の方。 同様に、 平面 OBC x = t b + s c ( u = 0 ) : A を含むのは u > 0 平面 OAC x = u a + s c ( t = 0 ) : B を含むのは t > 0 これから、 四面体 OABC の内部は x = u a + t b + s c s + t + u < 1 s > 0, t > 0, u > 0 となる。 == 空間内部の球の表面のベクトル表記 中心 P_0(x_0) 半径 r の球の球面上の点を P(x) とすれば、 PP_0 = |x-x_0| = r となるので、 |x-x_0| = r が答えとなる。 # これは、平面上の円の公式とまったく同じになることに注意 同様にして、球の内部は |x-x_0| < r となる。 # ここまでは、簡単だが、その他は難しい # 例えば、空間内の円は、球と平面の交点で表されるが、直接は表現できないので、 # 連立式の形で表現するしかない。 # 楕円なども大変 == 平行六面体 # 平行6面体は、後で (外積の処で..) でてくるので、これもやっておく。 点 OABC を同一平面上にない四点とする。 a = OA b = OB c = OC は線型独立になる。 a と b, b と c, c と a を利用してそれぞれ平行四辺形が作れる これらの平行四辺形と、それぞれ向いあわせの平行四辺形の六つで囲まれた 領域が、平行六面体 OABC-DEFG d = a + b e = b + c f = c + a g = a + b + c 空間の点は、 x = u a + t b + s c であるが、 平面 OABD は、 s = 0 平面 GEFC s = 1 となる。 同様に、 平面 OBCE は、 u = 0 平面 GDFA u = 1 平面 OCAF は、 t = 0 平面 GDEC t = 1 なので、 平行四辺形の内部は x = u a + t b + s c 1 > u > 0 1 > t > 0 1 > s > 0 となる。 == # あと、平面の内積表示をやっていないので、これをやる 平面 S S : a x + b y + c z = d を考える。 次に、S に平行で、原点を通る平面 S_0 S_0 : a x + b y + c z = 0 を考える。 a x a = ( b ), x = ( y ) c z とする。 すると、S_0 の式は、 S_o : (a,x) = 0 で表現される。 同様にして、 S : (a,x) = d となる ( これが、平面の内積表示 )。 ここで、a は、S と直交しているので、a を S の法線ベクトル。 == [定義] 平面 S, S' の法線ベクトルを a, a' とする。 この時、a と a' の交角を、S と S' の交角と呼ぶ [問 1] S_1 : x + 2 y + 2 z = 3 S_2 : 3 x + 3 y = 1 の交角θを求める。 [答] 平面の交角は、法線ベクトルの交角なので、まず、法線ベクトルを求める S_1, S_2 の法線ベクトルは ( 係数を並べるだけでもとめられるので.. ) 1 a_1 = ( 2 ) 2 3 a_2 = ( 3 ) 0 ベクトルの交角は、すでにやっていて \cos{θ} = \frac{(a_1,a_2)}{|a_1||a_2|} = \farc{9}{3 \times 3\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{2}}{2} よって、 θ = \frac{\pi}{4} # 交角 は、0 <= θ \frac{\pi}{2} で求めることに注意 # わりと簡単なので、できるようにしておく !!! == 平面と点の距離 # なんどもやって飽たころだろうが、とにかくやる # 実は、同じ式になる。 # 平面の表現として、利用するのは、内積方式 平面 S S : (a,x) = d と、点 P(x_0) の距離を考える。 P から S に降ろした垂線の足を P' ( x_0' ) とする # この話、平面上の直線と点の話と全く同じ議論、かつ同じ式、同じ結果 # ∵ 空間内の平面の内積表示が、平面上の直線の内積表示と同じだから (a,x_0') = d x_0-x_0' = t a となるので、これから (a, x_0 - ta ) = d (a, x_0) - d = t (a,a) よって、 t = \frac{(a,x_0)-d}{(a,a)} PP' = | x_0-x_0' | = |t a| = |t| |a| = \frac{(a,x_0)-d}{|a|^2)}|a| = \frac{(a,x_0)-d}{|a|} これが、平面と点の距離の公式。 更に、式形式で表現されている平面と点の距離を考える。 S : a x + b y + c z = d P : (x_0, y_0, z_0) の距離は、 PP' = \frac{|a x_0 + b y_0 + c z_0 - d|}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}} == # 前回、直線と直線の交角はやった、今日は、平面と平面。残りは、平面と直線 直線の方向ベクトルは b で、平面の法線ベクトルを a とすれば、直線 l と平面 S の 交角は、a と b の交角を \frac{\pi}{2} から引いた値である。 すなわち、直線と平面の交角θは \cos{\frac{\pi}{2}-θ} = \frac{|(a,b)|}{|a||b|} = \sin{θ} で、求めることができる。 [問 2] 2 つの平面 S_1, S_2 で、S_1 S_2 に共に直交する平面をつくれ まず、S_1 と S_2 が平行でない場合を考える 平行でないので、S_1 と S_2 は交わるので、その S_1 と S_2 の交線を l とする。 S_1, S_2 の法線ベクトルを a_1, a_2 とし、l の方向ベクトルを b とすると、 l は S_1 に含まれるので、 (a_1, b) = 0 (a_1 と b は直交) l は S_2 に含まれるので、 (a_2, b) = 0 (a_2 と b は直交) b を法線ベクトルとする平面 S を考えると ( すなわち l と直交する平面) S は S_1, S_2 と直交する。 # ここで、一つ自由度がある。なので、もう少し条件 ( 例えば原点を # 通る ) を追加すると一つに定まる。 一方、S_1 と S_2 が平行とする ( この場合は == ここまでで、平面と空間の図形が表現できるようになったので、次からは、行列が入る。 高校で、行列を利用して、点の移動や変換をおこなった [Memo] 2002 -> 高橋先生 2003 -> フルツ 143 XP