# 15 分位遅刻 置換の積 \sigma, \tau を置換とする \sigma, \tau の関数として合成した結果 \tau\sigma も置換になる \sigma, \tau の合成した結果を二つの置換の積と呼ぶ [注意] \sigma と \tau の積 \tau\sigma と \tau と \sigmaの積 \sigma\tau は異なる可能性がある。 [定理] 1.1 (\sigma\tau)\low = \sigma(\tau\low) 1_n \sigma = \sigma 1_n = \sigma \sigma\sigma^{-1} = \sigma^{-1}\sigma = 1_n [定義] (対称群) S_n = { n 文字の置換 } を 「n 次対称群」と呼ぶ # 対称群の元の個数は有限なので、これは有限群の例になっている # 対称群の性質は、2 年以後に学ぶ。ここでは最低限の話題 [定理] 1.2 イ) \sigma が S_n 全体を重複なく動く時 \sigma^{-1} も S_n 全体を重複なく動く # これは後(来週) に # \sum_{\sigma \in S_n} P(\sigma) = \sum_{\sigma \in S_n} P(\sigma^{-1}) # を示すのに使いたいので、ここでやっている ロ) \tau \in S_n で、\sigma が S_n 全体を重複なく動く時 \sigma\tau も S_n 全体を重複なく動く # これは後(来週) に # \sum_{\sigma \in S_n} P(\sigma) = \sum_{\sigma \in S_n} P(\sigma\tau) # を示すのに使いたいので、ここでやっている proof) S_n --------> S_n \in \in \sigma |-> \sigma^{-1} という対応を考える。 すると、 \sigma_1 \ne \sigma_2 => \sigma_1^{-1} \ne \sigma_2^{-1} よって、 1 対応 1 また、定義域と値域の元の個数が有限で同じなので、 上へ写像 よって、この写像は、 全単射 同様に S_n --------> S_n \in \in \sigma |-> \sigma\tau という対応を考える。 すると、 \sigma_1 \ne \sigma_2 => \sigma_1\tau \ne \sigma_2\tau よって、 1 対応 1 また、定義域と値域の元の個数が有限で同じなので、 上へ写像 よって、この写像は、 全単射 [定義](互換) t \in S_n が i と j の二つしか動かさない時、これを「互換」と呼び (i,j) で表す # 一つも動かさない置換は、恒等置換 # 考えると解るが、一つしか動かない置換は存在しない # 二つのものを動かす互換は最小限の動きをする置換と言える [定理] 1.3 全ての置換は、互換の積で表せる。 # 証明は略(面倒なので..) # 方針は、帰納法による # 表現の仕方は無限にある # ただ、偶数個でできるか奇数個でできるかは定まる その時、互換の個数が偶数なのか奇数なのかは、表し方に寄らない。 proof) # この証明も面倒なのだが、次の符合の定義に必要なのでやる。 [定義](差積) \Delta(x_1,..,x_n) = \Pi_{i1 A_n = { 偶置換 } B_n = { 奇置換 } の時、\tau を互換とすれば、 A_n -------> B_n \in \in \sigma |--> \sigma\tau \sigma\tau <--| \sigma これは、1 対 1 上への写像なので、 |A_n| = |B_n| よって |A_n| = |B_n| = 1/2 |S_n| = n!/2 [問 3] \sigma = ( 1 2 .. n-1 n ) n n-1 .. 2 1 とする。 n が偶数の時 \sigma = ( 1 2 .. n/2 n/2+1 .. n-1 n ) n n-1 .. n/2+1 n/2 .. 2 1 = (1,n)(2,n-1), .., (n/2, n/2+1) よって、 sgn\sigma = (-1)^{n/2} n が奇数の時 \sigma = ( 1 2 .. (n+1)/2 .. n-1 n ) n n-1 .. (n+1)/2 .. 2 1 = (1,n)(2,n-1), .., ((n-1)/2, (n+3)/2) よって、 sgn\sigma = (-1)^{(n-1)/2} すなわち、 +1 ( n = 4m, 4m+1 ) sgn\sigma = { -1 ( n = 4m + 2, 4m+3 ) [定義](行列式) n^2 個数の変数 x_{ij} ( i,j = 1 .. n ) の多項式 \sum_{\sigma \in S_n} x_{1\sigma{1}}x_{2\sigma{2}}..x_{n\sigma{n}} # これは n 次式になる を、「n 次の行列式」と呼び。 | x_{11} x_{12} .. x_{1n} | | x_{21} x_{22} .. x_{2n} | | .. | | x_{n1} x_{n2} .. x_{nn} | で表す。 [例] (n=1 の時) | a_11 | = \sum_{\sigma \in S_1} sgn{\sigma} x_1\sigma{1} ここで、 S_1 = { 1_n } sgn 1_n = +1 なので、 = a_11 (n=2 の時) | a_11 a_12 | | a_21 a_22 | = \sum_{\sigma \in S_2} sgn{\sigma} x_1\sigma{1}x_2\sigma{2} S_2 = { 1_n (1,2) } なので、 = a_11 a_22 - a_12 a_21 (n=3 の時) | a_11 a_12 a_13 | | a_21 a_22 a_23 | | a_31 a_32 a_33 | = \sum_{\sigma \in S_3} sgn{\sigma} x_1\sigma{1}x_2\sigma{2}x_3\sigma{3} S_3 = 6 個ある なので、 = a_11 a_22 a_33 + a_12 a_23 a_31 + a_13 a_21 a_32 - a_11 a_23 a_32 - a_12 a_21 a_33 - a_13 a_22 a_33 ここまでの定義は、計算してみると、前期にやった内容と結果が同じなった # この定義が拡張になっていることが解る (n=4) 同様に定義されるが今度は 24 個なので計算するの大変 => 別の手段 ( 基本変形と展開 ) で計算する # この話は、来週か再来週にする [定義] (行列 A の行列式 |A|) A = ( a_ij ) に対し、 \sum_{\sigma \in S_n} a_{1\sigma{1}}a_{2\sigma{2}}..a_{n\sigma{n}} を、A の行列式とよび |A|, det A, det(a_1,..,a_n) または、 | a_11 .. a_1n | | .. | | a_n1 .. a_1n | で表す。 [例] (対角行列の行列式) A = | a_11 O | | .. | | O a_nn | の時 |A| = a_11 .. a_nn である。 特に、 |E_n| = 1 |O_n| = 0 [例] 行列 A の一つの列が全て 0 ならば |A|=0 proof) 1 列目が 0 とする すなわち a_1k = 0 ( k = 1..n ) よって、 a_1\sigma{1} = 0 ( \forall \sigma \in S_n ) したがって、 |A| = 0 # 列もちょっと難しいが同様であることに注意 # a_{k1} = 0 (\forall k ) == 8093 そもそも登録されていない ?