# おおはばに遅刻 基底の定義と存在 ( いくらでもある ) が示されている。 [系 3.5] V \ne {0} の時、基底が存在する 基底の種類は沢山あるが、基底に含まれるベクトルの個数は、一定であることがわかり、その個数が 実は次元となる。 # 以下、次元の存在証明のための準備 [定理 3.6] V \~= V' \phi : V -> V' : 同型対応 a_1, .., a_n \in V : 線型独立 (従属) => \phi(a_1), .., \phi(a_n) \in V' : 線型独立 (従属) proof) c_1 a_1 + .. + c_n a_n = 0 ... (1) と c_1 \phi(a_1) + .. + c_n \phi(a_n) = 0 ... (2) を考えると、これは、\phi と \phi^{-1} によって、移りあうので、同値 すなわち、 (1) が独立(従属) <=> (1)が自明解を持つ(持たない) ^ | v (2) が独立(従属) <=> (2)が自明解を持つ(持たない) [定理 3.7] V が n 個のベクトルからなる基底を持つ => V \~= K^n proof) \in V を V の基底とすると、 \phi : V ---------------------------> K^n \in \in x = x_1 e_1 + .. + x_n e_n -> ( x_1 ) x_2 .. x_n は線型で、一対一、上への写像なので、同型対応。 よって、 V \~= K^n [定理 3.8] K^n において、n 個より多くのベクトルは、線型従属 特に m\ne n -> K^m \not\~= K^n proof) a_1, .., a_m \in K^n (m>n) とする。 これらの線型関係 x_1 a_1 + .. + x_m a_m = 0 を考えると、これは、m 変数の n 連立方程式になり、その係数行列 A は (n,m) 型 の行列になる。 rank A = min{ m, n } = n なので、 解の自由度 = m - rank A = m - n > 0 となり、自明な解以外の解を持つ。 すなわち、 a_1, .., a_m は、従属。 さらに、 K^m \~= K^n とすると、 同型対応 \phi : K^m -> K^n が存在する。 すると、 K^m の基底 e_1,..,e_m \in K^m に対して、 \phi(e_1), .., \phi(e_m} は独立。 よって、[3.6] より m =< n 一方、逆に、\phi^{-1} を考えれば、同様にして m >= n よって、 m=n すなわち、 同型 <=> m=n これの対偶をとって m \ne n <=> K^m \~= K^n [定理 3.9] V が n 個のベクトルからなる基底をもてば、 n 個より多くのベクトルは従属 特に、 V の任意の基底は、n 個のベクトルになる。 proof) [3.7] より V \~= K^n 一方、 m 個の基底が別にとれたとすると、 [3.7] より V \~= K^m \~= は同値関係なので、 K^n \~= K^m [3.8] より、 m = n [定義] V の基底の含むベクトルの個数を「V の次元」と呼び dim V で表す。 V = { 0 } の時は、特に dim V = 0 と定義する。 # 無限の場合の基底にかんしては、むずかしいので省略 # 以前にやった、例の次元をそれぞれ考えてみる。 dim V^2 = 2 dim V^3 = 2 dim K^n = n # 次元を示す方法 ( 二つある ) # 一つは、具体的に、基底を作ること # もう一つは、次元が判っている ( 例えば K^n ) と同型であることを示すこと dim M_{m,n} = mn proof) : E_ij は i,j 成分のみ 1 で、他は 0 とすると基底になる これの個数は mn 個なので、次元は nm <別解> M_{m,n} \~= K^{mn} だったので、 dim M_{m,n} = dim K^{mn} = mn V = { x \in K^n | Ax = 0 } の時、 dim V = n - rank A V = { f(x) | 多項式 } 1, x, x^2, .., x^n, .. ; 無限個が独立 => dim V = 無限 特に、 V_n = { f(x) \in V | f(x) は n 次以下 } とすると、 <1, x, .., x^n> が基底になるので、 dim V_n = n + 1 V = { T : A -> K } とする #A を A の元の個数とすると、 #A が無限なら V も無限次元 [例] A = {0.1} 1 ( x = \alpha ) T_{\alpha}(x) = { 0 ( x \ne \alpha ) とすれば、 : \alpha \in [0,1] は独立。 #A = n すなわち、A = { a_1, .., a_n } とすると が、基底。 proof) T(a_i) = b_i (\forall i) の時、 T = \sum_{i=1}^n b_i T_{a_i} よって、 dim V = n # この例では、A の濃度と、V の次元が一致することになる # A = [0,1] の時は、無限次元で、しかも連続無限になっている V = { {a_i} : 実数列 } e_0 = { 1, 0, 0, ... } e_1 = { 0, 1, 0, ... } e_2 = { 0, 0, 1, ... } .. とすれば、すべて独立なので、dim V = 無限 V_0 = { {a_i} : 実数列で収束する } の時、 V_0 \sub V であるが、さらに、上の e_i \in V_0 なので、 dim V_0 = 無限 V_1 = { {a_i} \in V | n 次漸化式を満す } 漸化式で定義されるので、最初の n 個を决めれば自動的に残りも決る。 すなわち、独立なのは、 e_1, .., e_n までで、これが基底になるので、 dim V_1 = n # 一箇所だけ 1 にして、残りは 0 にして基底を作るというテクニックはよく利用する V の二つの基底 E= F= を考えると、 x_1 e_1 + .. + x_n e_n = x = y_1 f_1 + .. + y_n f_n V / \ φ / \ φ' / \ / \ / \ K^n <----- K^n \in φ・φ'^{-1} \in x_1 P y_1 (x_2) <------------| (y_2) .. .. x_n y_n E から F への行列 P φ・φ'^{-1} に対応する正則行列 P これは、 y ( F で表現した係数ベクトル ) から, x ( E で表現した係数ベクトル ) への変換 であることに注意 # E から F への行列 P なのに、 # x = Py # となっている [直観と逆順] # [注意] これは、計算できるようにしておく !!!