[復習] # 先々週に学んだが、今日も利用するし、重要なので、復習しておく 基底の取り換え E -> F の行列 A 線型空間 V があり、E, F が基底の時、 x_1 (x_2) .. \in x_n K^n /^ / | x \in V | T_P = \phi \psi^{-1} \ | \| k^n y_1 \in (y_2) .. y_n この時、 x = P y となる、行列 P を求めたい。 一般に、 P = ( p_ij ) とすると、 f_j = p_1j e_1 + p_2j e_2 + .. + p_nj e_n となる。 [例] V=P_2(K) の時 E = <1, x, x^2> F = <(x+1)^2,x+1,1> f_1 = (x+1)^2 = 1 + 2 x + x^2 = 1 e_1 + 2 e_2 + 1 e_3 f_2 = x+1 = 1 x = 1 e_1 + 1 e_2 + 0 e_3 f_3 = 1 = 1 = 1 e_1 + 0 e_2 + 0 e_3 ここで求めた、係数を縦に並べたもの 1 1 1 P = ( 2 1 0 ) 1 0 0 # 必ず、縦に並べる。毎年、横に並べる学生がいる。 == # 逆の話もある [定理] E と P から F を定めると、F は基底になる。 # 基底を同型対応で写すと、基底になる == # 今日の内容は、線型写像の話 # 線型写像の話は以前にもやった # # T : K^n -> K^m : 線型写像 # # \exist A : (m,n) 型 s.t. T=T_A # # T : V -> V' の時も同様な話が成立するのでは ? # # 一般の線型空間上の、線型写像の例を考える [例 1] V = P_n(K) の時、 (T_b f)(x) = f(x+b) とすると、これは線型写像。 T_b : V -> V : 線型 # 平行移動 proof) (T_b (f+g))(x) = (f+g)(x+b) = f(x+b) + g(x+b) = (T_b f)(x) + (T_b g)(x) (T_b (c f))(x) = (c f)(x+b) = c ( f(x+b) ) = c (T_b f)(x) # 実は、これは、線型写像なので、それに対応する行列がある。それを後で求める。 [例 2] V = { {x_n} | x_{n+1} + a_{k-1} x_{n+k-1} + .. + a_0 x_0 = 0 } T : V --------> V \in \in {x_n} |--> {x_{n+1}} : 要素を一つずらす || || {x_0, x_1, ..} { x_1, x_2, .. } [例 3] V = { y=f(x) | y^{(n+1)} + a_{k-1} y^({n+k-1}) + .. + a_0 y = 0 } D : V --------> V \in \in y |--------> y' : 微分する # これらの線型変換に対応する行列を考える T : V -> V' : 線型 V の 基底 (E:\phi) V' の 基底 (E':\phi') x = x_1 e_1 + .. + x_n e_n |-> Tx = x' = x_1' e_1' + ... + x_m e_m' T V -------------> V' | | | | | \phi | \phi' | | | | x_1 v v x_1' x_1 (x_2) K^n -----------> K^m (x_2') = T (x_2) .. .. .. x_n x_m' x_n \phi' T \phi^{-1} || T_A ( \exist A : (m,n) 型 ) この A を基底 (E,\phi), (E',\phi) に対する T の行列と呼ぶ # A は E, E' が変れば変る # この A をどうやって求めるか ? 先と同様、x = e_j の場合を考えると、 T e_j = a_1j e_1' + .. + a_mj e_m' となるので、この関係を利用して、求められる。 # Text では、もっと、まとめて求める方法が紹介されているが、この方法が間違いが少くて良い [例 4] V = P_2(K) T_b : V -> V E = E' = <1,x,x^2> # 変換の場合は、基底を同じにする事が多い T_b(e_1)(x) = 1 = 1 e_1 + 0 e_2 + 0 e_3 T_b(e_2)(x) = x + b = b e_1 + 1 e_2 + 0 e_3 T_b(e_3)(x) = (x + b)^2 = b^2 e_1 + 2b e_2 + 1 e_3 よって、 1 b b^2 A = ( 0 1 2b ) 0 0 1 [例 5] V, T は、[例 2] と同じもの 基底 E = E' = とすると、 e_0 = { 1, 0, .., 0, -a_0, .. }, T e_0 = - a_0 e_{k-1} e_1 = { 0, 1, .., 0, -a_1, .. }, T e_1 = e_0 - a_1 e_{k-1} .. e_{k-1} = { 0, 0, .., 1, -a_{k-1}, .. }, T e_{k-1} = e_{k-2} - a_{k-1} e_{k-1} となるので、 0 1 0 .. 0 A = ( 0 0 1 .. 0 ) \ \ \ 0 0 0 .. 1 -a_0 -a_1 -a_2 .. -a_{n-1} となる。 [例 6] V, T は、[例 2] と同じもの 基底 E = E' = で f_i^{(j)} = \delta_{i,j} ( j = 0, .., k-1 ) # 初期値を决めると、解が一意に与えられるという事は微分方程式論をやって解る とすると、 (D f_i)^{(j)} = f_i^{(j+1)} = \delta_{i,j} j=n の時が決まっていないので、それを求めると、 D f_i = f_{i-1} - a_i f_{k-1} となる。 これをまとめると、 1 ( j = i + 1) D f_i = { 0 ( それ以外 ) -a_i ( j=k-1 ) となる。 これは、[例 5] と全く、同じ形なので、行列も、同じ行列になる。 == 講義の内容は、いまやっている章まで => 一般の内積は、入らない ( が、C^n の内積は範囲 )