# また、遅刻した B = Q^{-1}AP T : V -> V' (E;\phi), (F;\psi) に対応する基底の変換行列 P (E';\phi'), (F;\psi') に対応する基底の変換行列 Q A : E, E' に関する T の行列 B : F, F' に関する T の行列 == [定理 5.1] T : V -> V' T(V) の基底 を拡大して、V' の基底 を作る T e_i = e_i' とすると、 e_1, .., e_r は独立 Ker T = T^{-1}(o') は n-r 次元なので、その基底 をとると、 E = は V の基底 E, E' に関する T の行列 A = (a_ij) を考えると A = F_m,n(r) となる。 # 基底を適当に取ると、色々な行列 A が出てしまうが、上の方法で、基底を工夫して、取れば、 # A は、標準形にできる。 定義 T : V -> V' の dim T(V) を T の階数(ランク)と呼び、 rank T で表す [定理 5.2] E、E’に関する T の行列を A とすると rank A = rank T proof) 定理 5.1 の F, F' に関する T の行列 B とすると B = F_m,n(r) となる。 A = Q^{-1}BP なので、 rank A = rank B = r = dim T(V) = rank T となる。 # T に関する行列は、基底の取りかたによって、色々あるが、その rank は全て同じ [定理 5.3] A:(m.n) 型 A のランクは A の独立な列(行)ベクトルの最大数に等しい proof) A = ( a_1, .., a_n ) rank A = r とする。 T_A : K^n -> K^m とすると、 rank T_A = dim T_A(K^n) || rank A = r なので、 dim T_A(K^n) = r 一方、 T_A(e_i) = Ae_i = e_i だが、 a_1, .., a_n は T_A(K^n) を生成する。 # が、a_1, .., a_n が独立でなければ、基底にはならない # => 独立でない可能性があり、その場合は余分なものがある T_A(K^n) の次元は r なので、 a_1, .., a_n の中から r 個の独立なものを取ることができる。 <<ランクのまとめ>> A : (m,n) 型 の次元の定義 1) A を基本変形して、標準型 F_m,n(r) に変形した時に、対角線上に並ぶ 1 の個数 2) A の 0 でない小行列式の最大次数 3) T_A(K^m) の次元 4) A の線型独立な列ベクトルの最大次数 5) A の線型独立な行ベクトルの最大次数 # 1) から 5) は、同値なので、どれを定義として利用してもよい。 # 以下、線型変換の話題 T : V -> V 上での (E;\phi) を考える。 # 同じ空間なので、同じ基底を使うのが普通 # 事情で、異なる基底を採用することもある (E;\phi) に関する T の行列を A とする。 # 基底が一つの場合は、同じ基底を使ったと思うことにする B=P^{-1}AP A と B は相似 |A| = |B| tr A = tr A A : E に関する行列 B : E に関する行列 P 基底の取り換え行列 [定義] |A| を T の行列式 tr A を T の固有和と定義 [例] V={ {x_n} | x_{n+2} - 3 x_{n+1} + 2 x_n = 0 } # これは二階の漸化式で定義されるので、二次元の線型空間 E = e_0 = { 1, 0, -2, .. } e_1 = { 0, 1, 3, .. } T : V ----> V : 最初の要素を取り除く \in \in {x_n} {x_1,x_2,..} T e_0 = { 0, -2, .. } = -2 e_1 T e_1 = { 1, 3, .. } = e_0 + 3 e_1 よって、T の E に関する行列 A は、 A = ( 0 1 ) -2 3 となる。 F = f_0 = { 1, 1, 1, .. } f_1 = { 1, 2, 4, .. } をかんがえると、 E -> F の取り換え行列 P は、 f_0 = e_0 + e_1 f_1 = e_0 + 2 e_2 を利用して、 P = ( 1 1 ) 1 2 逆行列は P^{-1} = ( 2 -1 ) -1 2 よって、 F に関する T の行列 B は、 B = P^{-1}AP なので、 B = ( 1 0 ) 0 2 となる。 # これの応用を考えると、.. B が対角化されているので... この B の結果から、 T f_0 = f_0 T f_1 = 2 f_1 となるので、 f_0 は、一つずらしても f_0 のままだから f_0 = { 1, 1, 1, ... } = {1} f_1 は、一つずらすと 2 f_1 と二倍になるから f_1 = { 1, 2, 4, ... } = {2^n} 一方、 は基底なので、 \forall {x_n} \in V \exist α, β s.t. {x_n} = α f_0 + β f_1 = { α + β 2^n } となり、一般型を得ることができる。 V = { y = f(x) | D^2 y - 3 Dy + 2y = 0 } D f_0(x) = f_0(x) より f_0(x) = e^x D f_1(x) = 2 f_1(x) より f_0(x) = e^{2x} f(x) = α e^x + β e^{2x} == [定義] T : V -> V W \sub V : 部分空間 で、 T(W) \sub W の時、 W は T による不変部分空間 ( T-不変 ) と呼ぶ この時、 W の基底 を拡大して、 V の基底 が作れ、 E に関する T の行列 A = (a_ij) は、 A = ( A_11 | A_12 ) -----+------ O | A_22 の形になる。 T|W ( T の W への制限 ) を考えると T|W の に関する行列は、A_11 となる # 更に特別な場合 V = W (+) W' ( 直和 ) W, W' は共に、T-不変の時 この時、 : W の基底 : W' の基底 とすると E = は V の基底で、 E に関する T の行列は A_11 O A = ( ----+---- ) O A_22 となる。 T|W' に対応する行列は A_22 となる。 # これは、二つの場合だけでなく、一般に n 個の場合でも同様に計算できる [例] V = P_n(K) T_b : V -------> V \in \in f(x) |-> f(x+b) W = P_m(K) ( m < n ) # これは V の部分空間になっている <具体例> V = P_2(K) <1,x,x^2> W = P_1(K) <1,x> T_b (1) = 1 T_b (x) = x + b T_b (x^2) = x^2 + 2b x + b^2 よって、 1 b b^2 A = ( 0 1 2b ) 0 0 1 # 実は (m 基底の取り換え行列 P 線型変換に対応する行列 A ==