矢吹拓也 君は、現在、数学科4年生、つまり、皆さんの直接の先輩です。
現役生でありながら、こんな活躍をしている人も居るんだということを是非、皆さんも知っておこう!!
決して、ライセンスKeyをノートなどにメモしないように。設定の分かる人だけ、その場で設定するために、利用してください。
利用法の分からない人は、次回の補習まで、お待ちください。
計算機を利用する上で、まず最初に、計算機の利点を把握しておく必要があるでしょう。
計算機の利点として、最初に挙げられる点は、「大量の情報を正確に保存できる」という「記憶装置」としての側面(2)でしょう。
例えば、皆さんが利用しているNote-PCの記憶容量は、9G ( 1G = 10^9 = 1000,000,000 ) byteあります(3)。1 byteというのは、英字1文字分、日本語にして半文字分(日本語1文字を表現するのに、1 byteを消費するため)の情報であり、例えば、普通の原稿用紙( 400字詰め)一杯の文章は、たった、800 byteでしかありません。
大体、文庫本の1 pageが、1K (1K=10^3=1000) byte程度ですから、1000 Page (!!)の本の内容が、大体1M ( 1M = 1000K = 10^6 = 1000000 )で、9Gは、それの9000倍ですから、まあ、ちょっとした図書室( 9千冊も蔵書がある!! )並の情報がNote-PCの小さな筐体の中に納まっている(収めることができる.. )ということになります(4)。
如何に、計算機が大量の情報を記録できるかということがお分かり頂けたでしょうか?
厳密には、計算機の持つ記憶能力は、計算機自身に内蔵されいる「外部記憶装置(Hard Disk)」に依存しているわけですが、我々が扱うNote-PCには、常に、この外部記憶装置が付いていますので、現時点で、これを区別する意味は余りないでしょう。
ただ、本来は、PCの一部として「部品化されている」ということは覚えておいて損はないでしょう。なぜなら、「部品なら、交換できる」からです。
つまり、故障した場合や、能力(容量)が足りなくなった場合は、交換によって、修理したり、増強できるということです。
情報の最大利点は、「複製が容易」ということです。
一旦、作られた情報は、(作るまでは大変なコストが掛かります、)作った後のCopyコストは、ほとんど0に近く、大量生産に向いています。
計算機には、大量の情報を高速にCopyする能力があります。
価値のある情報をCopyすること(5)により、価値を何倍にも増幅することができます。
如何に、大量の情報でも、それを必要なときに必要なだけ取り出すことができなければ意味がありません(6)。
計算機は、単に情報を蓄えるだけでなく、それを自由に検索し、参照できる(7)点に大きな意味がある(8)わけです。
ある研究レポートによると、人間は、経験していることを、ほとんど全て、脳の中に記憶しているらいしいのです。催眠術など、特殊な方法を利用することによって、本人が自覚していない記憶を引き出すことが可能だったという実験もあるようです。
しかし、実際には、ほとんど覚えているという感覚がありません。(実際、「あっ、忘れた!!」という苦い経験は、どなたでも..)。
つまり、情報は、「ある」だけでは役に立たず、「それが必要な時に引き出せ」なければ意味がないわけです。
さあ、早速、自宅の机を整理しよう... !?
まずは、データと情報という言葉を区別しましょう。
データを特定の目的に従って、処理した結果(9)のこと。
処理には、意図や、目的があり、データから、その目的や意図に沿った何か(この「何か」自身が情報.. )を得ることができます。
例えば、原宿を歩く人達の服装を調査した結果はデータです。
しかし、例えば、そのデータ中で、最も多く現われた服装を見つけ出す(これは、最頻度値(10)を調査するという処理)と、それは、「今、原宿で流行している服装」という意味が生じます。この「データを処理した結果得られた意味」が「情報」なわけです。
そして、このような「情報」を利用して、「原宿に服飾店を経営しているならば、その流行している服を売れば、たくさん売れる可能性が高い」という「判断」が可能になる(11)わけです。
この結果は、例えば、データの一部という形になることが多い。
つまり、情報は、データの特殊な形を持つことがあるわけで、当然、その特殊なデータから、更に別の情報を得ることが可能な場合があります。
つまり、情報を更に処理して、新しい情報が得られる場合もあり、この観点から、通常は、「データ処理」ではなく「情報処理」という言葉が利用されるわけです。
これを統計学の言葉で「モード」と呼びます。
つまり、服装の統計データのモードを計算すれば、現在の服装の流行(モード!!)が分かるわけですね..。
実際は、上記の情報は「現在、最も売れてしまった服」を意味するわけですから、すでにみんなが持っており、却って売れ残るという考え方もあります。
店に置かなければならない商品は、「次に売れる商品」であり、それは次の流行を予想する、あるいは、作ってゆくという能力なわけで..。
計算機に収められているデータの量が、大量であれば、大量である程、それらを処理し、そこから情報を引き出のは、大変の手間になります。
計算機は、その大量なデータを高速に処理し、短時間で、情報を引き出す機能を持っているという点が、計算機の利点となるわけです。
データを処理する場合、それをどのように処理するかによって、得られる情報が異なります。逆の言い方をすれば、目的とする情報により、データをどのように処理しなければならないかが異なる(12)ということです。
そして、その処理手順自身が大変複雑になるわけですが、計算機は、その「処理手順そのものを記憶し、それを実行すること」が可能です。
実は、計算機を計算機たらせている最大の能力が、この「処理手順を記憶し、それに従って、処理を自動的に行う」能力です。
例えば、先ほどの「原宿の服飾店」例で、「品揃えが豊富」をサービスにしたければ、「データに出現した服装の種類」が必要になるでしょう。
その量に合わせて、店舗面積を設計するわけです。
様々な、利点を持つ計算機ですが、欠点も大量にあります。特に大きな欠点は、「計算機自身には、目的意識がない」ことです。
これが、「部下(=人間)」であれば、「目的意識を持た(13)」せれば、後は、自動的に結果が得られるでしょう。
しかし、計算機には、このような目的意識を持たない(14)ため、全て、人間が手取り足取り指示する必要があります。
この人間が与える、詳細な指示の集まりをプログラムと呼んでいるわけです。
つまり、計算機は「ソフト(プログラムのこと)なければ唯の箱」です。
更に、面倒なことに、そのプログラム自身も厄介です。なぜなら、計算機は、本当に細かいことを正確に指示しなければ、まともに動かない(15)し、更に、指示の方法が、特殊(16)です。
つまり、人間の方が歩み寄り、計算機にわかる言葉で、計算機にわかる程度に噛み砕いて指示を指定する必要があるということです。
計算機の利点と欠点は、上記に説明したとおりですが、今週からの数回の演習では、この計算機の特徴をExcelというソフトを利用しながら少しずつ学んで行こうと思います。
Microsoft Excelは、Microsoft 社の誇る表計算ソフトの一つで、いわゆるビジネスソフトの中でも、ワープロソフトに次いで多用されるソフトです。
その意味で、利用価値が非常に高いソフトの一つといえるでしょう。
Excelの起動法は、[スタート]→[全てのプログラム]→[Microsoft Excel]で起動します。
「MicroSoft Excel - Book1」というタイトルの付いたWindowが表示されればOkeyです。
左上にあるメニューバーから、[ファイル(F)]→[終了(X)]で終了します。
表計算ソフトでは、データは、縦横に区切られた升目の中に入れられます。
この一つ一つの枡をセルと呼びます。つまり、一つのセルに一つのデータが入るわけです。
個々のデータは別々に扱うことができ、それぞれ座標(A1 : A行の1列のこと、ようするにセルの名前と思ってよい)が付けられており、それを利用して、セルやセルの内容(データ)を参照することができます。
まあ、大きな配列だと思って構いません。
セルの集まりとして表現される表(これをシートと呼びます)の大きさは、論理的に無限ですが、実際には計算機の能力によって、有限(まあ、4桁程度.. )のサイズしか扱えません。また、データを明示的に入力していない場合は、自動的に存在しないものとして扱われます。
入力したいセルの場所をマウスでクリックすると、そのセルがハイライトされ選択されます。左上に、現在選択されているセルの名前(座標)が表示されると同時に上の真ん中に、セルの内容が表示されます。
セルの内容を変更するには、そのまま選択された状態で、セルに入れたいデータをキーボードから入力し、[Enter]を入力します。
A1からA10までに、素数を小さい順に入れなさい。
A1には2、A10には29が入ります。
入力したデータは、保存しないかぎり、Note-PCの電源を消すと失われてしまいます。
データを保存するための一つの方法は、[ファイル(F)]→[名前をつけて保存(A)]を選び、更に、左側の[ディスクトップ]をクリックします。これによって、保存する先が、ディスクトップになります。
更にファイル名を、自分の望みの名前にして、[保存]を押せば、シートファイルとして保存されます。
この作業を行うと、Excelのタイトルが「Microsoft Excel - Book 1」から「Microsoft Excel -自分のつけた名前」に変わることに注意してください。
一旦、シートファイルを作成すると、そのファイルのアイコンをクリックするだけで、自動的にExcelを起動させることができます。
primeのアイコンをクリックして、Excelが起動し、primeの内容が表示されることを確認しなさい。
この時、タイトルバーの表示が、「Microsoft Excel - prime」となっていることを確認しなさい。
シートの内容を変更、追加した後、これを上書き保存する場合は、単に、[ファイル(F)]→[上書き保存(S)]でできるます。
今度は、B1からB10まで、二つの素数に素因数分解可能な数を小さい順に入れなさい。B1に入るのは、4です。
更に、これを上書き保存をし、一旦、Excelを終了した後に、もう一度、primeを開き、実際に、更新後のデータが入っていることを確認しなさい。
ファイルをcsvという特別な形で保存する方法を述べます。
[ファイル(F)]→[名前をつけて保存(A)]とした後、[ファイルの種類]をCSVに変更し、更に、[ファイル名]を、prime-csvに変更してから、[保存]を押します。
すると、二度ほど、注意を促されますが、気にせずに、[はい]を選んでください。
なお、この作業によって、タイトルバーが「Microsoft Excel - prime-csv」となるので、一旦、Excelを終了し、もう一度primeを開きなおしましょう。
実際に、prime-csvをつくってみよう。
一度、Excelを終了し、ディスクトップ上に、primeとprime-csvの二つのファイルがあることを確認しよう。
「メモ張」を開き、その上に、prime-csvを落とすと、何が表示されるか?
課題は、prime-csvの内容をe-mailで送ることです。課題の提出方法は、「しりとり」と同じ形式(XML 形式)でお願いします。
なお、idは、20020612001, titleはExcel:primeとします。表題に、[R]と判り易い表題をつけることを忘れないように。