この演習の目的は次の四つです。
Windows(1)pcを用いた、Network実習
IP Network設定に必要な情報は、以下の通りです。
そのPCをNetwork上でユニークに識別する
これに関して、次の二つの質問が出ましたので、それに関する回答を述べておきましょう。
A.もし、そのようなことが生じたとしたら、それは、Networkの管理者が何らかのミスを行っているか、あるいは、悪意ある人が、わざとそれを行っている可能性があります。
原則として、Internet上のIP Addressは、重複させてしまうと通信ができなくなってしまいます(電話番号が重なったら何が起きるか想像してみましょう。)。
正常な管理者であれば、このようなことが起きないように注意深くIP Addressを管理しているはずですので、そのようなことは起きないと思ってよいでしょう。
また、わざと、他人と同じIP Addressを設定すると、その結果として、他人の情報を盗み聞きすることが可能になる場合もあります。そのような事が行われているとすれば、それは、通常は悪意の結果(他人の情報を盗み聞きするわけですから..)と考えたほうが良いでしょう。
まあ、もちろん、ちょっととしたミス結果としてや、トラブルを解決するために実験として、管理者が明示的に、一時的にIP Addressの重複等の一般的でない設定を敢えて行うことはありえますが、通常の状態ではないということです。
A.大変良い点に目をつけました。実は、これらのIP Addressは、実際には重複して利用されているのです。しかし、以下に述べる理由により、これは、問題がありません。
前問への回答でも繰り返し述べたように、Internetでは、原則として、通信にかかわる全てのHostは、異なるIP Addressを持ちます。これは、電話番号の例えから当然のことであると理解できると思います。
しかし、特別な仕掛けを導入することにより、丁度、電話の外線番号と内線番号のような関係を、IP Networkの中に、持ち込むことができます。
これはNATあるいは、NAPTという技術と関係があるのですが、これに関しては、後の実習で行いますので、楽しみにしてください。
さて、電話の例えにもどって説明を続けましょう。
外線は、当然のことながら一般のIP Addressと同様、ユニークでなければなりません。しかし、その一方、内線番号は、組織の中で好きな番号を利用できます。
実は、それと同じことが、IP Networkの世界でも可能なわけで、実は、演習で利用されているIP Addressは、そのような「内線番号のように組織内で、別々に利用することを想定してある特別なIP Address ( Private IP Address )」だったわけです。
したがって、会社毎に、内線番号1番があっても良いのと同じ様に、大学や、家庭毎に、同じPrivate IP Address ( 192.168.xx.xx等)が重複して利用されても構わない(というか、構わないように、特別な仕掛けがされている.. )わけです。
ただし、内線番号を利用する場合は、普通の外線と使い方が異なる(例えば、外から、内線番号に電話を掛ける場合は、一度、代表番号に電話をしてから、更に、内線番号に掛けなおす必要がある.. )と同様、Private IP Addressも、そのようなNetwork的な制限がある(具体的にどんな制限かも、後ほど..)こともついでに覚えて置きましょう。
ためのIDで、十進数の数( 0 ~ 255 :二進数で、8桁[ 8 bit ]の数)の四つ組みで、その四つの数を、'.' (ピリオド)で区切ったもの(例: 192.168.1.1 )。
原則として、PC毎に異なるIP Addressが振られます。
IP通信では、直接通信できるネットワーク(2)にあるHostと、そうでないネットワークにあるHostを区別する必要があるが、そのために、IP Addressの中のどの部分(先頭から何bitだけ.. )その区別を行うために利用するかという部分の長さを表す。
基本は、IP Address中の前から何bitを、Network番号とするかを示すための長さ(例: 24 bitなら/24と書く)を示すが、昔の規格との互換性のために、その長さ分のbitを1にし、残りを0にした、ip addressと同じ形式の四つ組み(例: 255.255.255.0 )で表すこともある。
直接通信できないネットワークにあるHostと通信する場合に、その情報を中継するRouterのIP Address。
当然のことながら、このRouterとは、直接通信できる必要がある。
IP Addressとは、直接無関係だが、IPを利用した、様々なアプリケーションにおいて、IP Addressの代わりに、Domain Nameを利用するので、Domin nameからIP Addressを求めるサービスが必要になる。
このIP Addressは、そのサービスを行うサーバーのIP Addressである。
ここで、「直接通信できる」というのは、今はいい加減に「同じHubで接続されているHost」位の意味で捉えてください。
なお、次の点に注意してください。
この二つが指定されないとIP通信はできない。
しかし、逆に、これだけ指定すれば、「直接通信」はできる。
つまり、状況によって、全ての情報が必要になるわけではないということです。
Networkの設定方法は、次の二通りがあります。
[スタート]→[設定]→[コントロールパネル]→[ネットワーク]→[TCP/IP]で設定する方法。
これは、上記の4つの情報を、具体的に設定します。
windowsで、利用可能なコマンド(全て、「DOSプロンプト」から起動します。)を以下に述べます。
DHCPによる、現在の設定を確認したり、(まだ、設定が済んでいなければ、明示的に.. ) DHCPを利用して、再設定を行うことができます。
このコマンドによって、MAC Addressも知ることができることに注意。
c:\usr\ccna\資料\20030530>ping 133.43.98.131 Pinging 133.43.98.131 with 32 bytes of data: Reply from 133.43.98.131: bytes=32 time=449ms TTL=237 Reply from 133.43.98.131: bytes=32 time=53ms TTL=237 Reply from 133.43.98.131: bytes=32 time=35ms TTL=237 Reply from 133.43.98.131: bytes=32 time=59ms TTL=237 Ping statistics for 133.43.98.131: Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss), Approximate round trip times in milli-seconds: Minimum = 35ms, Maximum = 449ms, Average = 149ms c:\usr\ccna\資料\20030530>
tracertコマンドの後に、通信の宛先を指定することによって、そことの通信をするときに、追加するRouterのIP AddressのListを表示する。
c:\usr\ccna\資料\20030530>tracert -d 133.43.98.131 Tracing route to 133.43.98.131 over a maximum of 30 hops 1 1 ms 1 ms 1 ms 192.168.0.1 2 9 ms 7 ms 7 ms 43.240.175.252 3 8 ms 8 ms 8 ms 10.18.5.41 4 8 ms 9 ms 7 ms 10.18.5.17 5 8 ms 8 ms 9 ms 10.0.18.137 6 9 ms 8 ms 8 ms 10.9.17.137 7 9 ms 9 ms 9 ms 210.171.224.150 8 9 ms 10 ms 9 ms 150.99.197.141 9 10 ms 10 ms 9 ms 150.99.197.21 10 10 ms 10 ms 10 ms 150.99.197.38 11 10 ms 10 ms 11 ms 150.99.197.226 12 13 ms 12 ms 11 ms 150.99.170.17 13 13 ms 12 ms 13 ms 133.43.230.1 14 18 ms 19 ms 16 ms 133.43.230.14 15 19 ms 29 ms 28 ms 133.43.98.7 16 40 ms 39 ms 42 ms 133.43.98.133 17 42 ms 41 ms 40 ms 133.43.98.131 Trace complete. c:\usr\ccna\資料\20030530>
pingに失敗した場合でも、このコマンドによって、どこで問題が生じているかが判定できる。
arp -aを実行し、現在のarp tableには、何もないことを確認しなさい。
arp -aを実行し、通信相手のIP Addressや、MAC Addressを確認しよう。
tracert -d www.yahoo.co.jpなどとして、自分のPCから、yahooまで、どれくらいのrouterを経由するかを確認しなさい。
このときについでに、yahooのip addressも確認しておくこと。
こちらでDHCP Serverを停止したら合図をします(6)。
そしたら、もう一度、winipcfgで、[再設定]を行ってください。DHCP Serverないとどうなるかがわかると思います。
[スタート]→[設定]→[コントロールパネル]→[ネットワーク]→[TCP/IP]で、先ほどメモした、情報の内、ip addressとnetmaskだけを設定してください。
設定を有効にするには、再起動が必要なことに注意。
この状態で、PC同士は、pingが可能だが、外(例えば、yahooとは通信できないことを確認しよう)。
pingを使ったときに、ip addressを指定した場合と、www.yahoo.co.jpとした場合のメッセージの違いも確認しよう。
同様にping/tracertを利用して、今度は、ip addressを指定した場合に、yahooと通信できることを確認しよう。
domain name ( www.yahoo.co.jp )をつけたらどうなるだろうか?
やはり、ping/tracertで、yahooと通信( IP Address, Domain Nameの両方)を確認しよう。
また、tracertで-dをつけた場合にどうなるかも確認すること。
普段は、大学側で、すでに、設置済みなので、皆さんは、意識する必要がなかったわけですが、今度は、皆さんが、そのDHCP Serverを設置する立場になるわけですから、これを意識する必要があります。
この演習では、DHCP Serverの設置方法の実習も行う予定ですので、楽しみにしていてください。
PC間を結ぶには、HUBだけがあれば十分です。いくつかのグループ分かれて、Hubに自分のPCを接続し、それぞれ、IP Address (とNetmask)を手動で設定して、PC間の通信ができることを確認しなさい。
当然のことながら、Routerが接続されていないので、Internetは利用できないことも確認しよう。
Cross Cableという特別なCableがあり(7)、これだけで、2台のPCが接続できる(あたかも2 portのHubがあるかのように利用できる)ことを確認しよう。