情報通信ネットワーク論(2002/04/25)
Ver. 1.0
2003年4月25日
栗野 俊一
目次
お知らせ
- 特にありません。
On Line Test
去年出したOn Line Testを紹介しておきます。
次回以降、講義が終った時点で、その週に学んだ事項に関する小テストを、上記の形で行う予定です。
ML (Mailing List) について
この講義用のMLを作成しました。
ccna2003@media.cst.nihon-u.ac.jp
です。
MLへの参加方法等に関しては、
昔の資料のcomp-math-mlをccna2003に読み換えて読んでください。
なお、fml-test-mlの方は、利用しないでください。
なお、fml 公式 Page等も参考になるでしょう。
また、このMLへの参加は任意です。
実習について
実習の希望を募ります。実習を希望するものはMLに参加したうえで、そのML宛に、以下の情報を送ってください。
- 名前
- 学科
- 学生番号
- 希望時間(以下から、選択)
- 金曜日5限
- 火曜日5限
- 火曜日6限
- その他、具体的な曜日、時間を書く(ただし、日曜、各曜日の午前中、月曜日、木曜日、金曜日は不可)。
期限は、次回の講義日の前日まで。
Network Model
Model の必要性
Internetは、Multi Vendor環境(複数の業者が色々な製品を開発しており、それが、相互に接続(1)されている環境)なので、それらを整理し、分類するために、Model化が必要。
Layer Model
複数のModelを重ねることにより、通信システム全体をModel化する形式の一つ。
部品となる個々のModelは、Layer (層)と呼ばれ、そのLayerを縦に重ねることにより、全体が構成される。
- 個々のLayerでは、それぞれ異なる役割やサービスを担っている。
- 上のLayerから下のLayerを隠す(カプセル化)、
- 個々のLayerは、差替可能。
Network Model
二つの Network Model
Internetで利用されるNetwork Modelは、次の二つ。
- OSI参照Model :学術的な側面が強い。物事の整理や抽象的理解に便利。Internetができてから、整理のために作成された。
- TCP/IP Model :実学的な側面が強い。Internetで利用されている、現実のシステムを後からModel化したもの(その意味で、整理されていない所もある.. )。Internetの発展と共に成立( OSIより前に成立)。
OSI 参照 Model
- 次の7つの層からなる。
-
物理層
-
物理的な信号の規格。通信媒体の規格を決定し、最も基本的な通信手段(2)を提供する。
-
データリンク層
-
単一のメディア内での通信( LAN通信)を提供する。
-
ネットワーク層
-
複数のメディアで接続された大規模なネットワーク網での通信を提供する。
いわゆる、通信の為の層はここまで(3)で、以下は、通信に対する追加サービスの形で、提供される。
-
トランスポート層
-
信頼性を提供する。
-
セッション層
-
セッションの確立や管理を行い、多重化機能を提供する。
-
プレゼンテーション層
-
データ形式の互換性を提供する。
-
アプリケーション層
-
利用者と直接やり取りをする層で、目的によって多種多様なサービスを提供する。
TCP/IP Model
- 次の4つの層からなる。
-
ネットワーク層
-
同一メディア内での通信機能を提供する( OSIの物理層+データリンク層)。これは、EthernetのModel化である。
-
インターネット層
-
ネットワークのend to end間の通信機能を提供する( OSIのネットワーク層)。これはIP ( Internet Protocol )のModel化である。
-
トランスポート層
-
通信の信頼性を提供する( OSIのトランスポート層)
これはTCPのModel化である。
-
アプリケーション層
-
その他全部の機能( OSIのセッション層から上全部)。
TCP/IPでは、IPを中心とした考え(4)になっており、IPを実現するための手段(物理、データリンク層)と、IPを手段として利用するサービス(トランスポートより上)が作られている。
Model の効用
- 複雑さの軽減( M * NからM + Nへ)
- インターフェースの標準化(組合せて利用する),相互運用の促進
- モジュール化(独立性:一つの部分の変更が、他の部分に影響しない)
- 学習の容易性(分割統治法)
CCNA の対象
Mainは、ネットワーク層( IP,少し、IPX )(5)。次にトランスポート層と、データリンク、物理層をやる。