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20031121 (2003/11/21)
Ver. 1.0

2003年11月21日
栗野 俊一
kurino@math.cst.nihon-u.ac.jp
http://edu-gw2.math.cst.nihon-u.ac.jp/~kurino/2003/ccna/ccna.html
情報通信ネットワーク論2003/11/21 の資料

目次

トランスポート層

トランスポート層の役割

  1. この場合のEndは、ここでは、通信を行うProgramを指す。

    Endという意味でUser ( End User )を指すこともあれば、Host ( End Host )を指す場合もあるので、注意する。

  2. 「できる」という可能性をのべているわけであるが、それは逆に言えば「しなくてもよい」わけである。つまり、「要求に応じて保証できる」ので、「要求しなければ保証しない」階層でもある。

    この場合、得られるのは保証の変りに性能を得ることができる。

TCP/IP のトランスポート層

TCP/IP model(3)のトランスポート層はTCPとUDPの二つがある。

  1. 最近のCCNAでは、TCP/IP modelでなくDoD Modelと呼ぶらしい。しかも、OSI 7階層modelのトランスポート層は、DoD ModelのHost to Host Protocolと呼ぶようになった..。

TCP と UDP の共通点

通常IP AddressとPort Numberを対にしてSocketと呼ぶ。TCP/IPの通信の基本は、自分のSocketと相手のSocketを結びつけることによって、End-to-Endの通信が確立する。

UDP

UDP ( User Datagram Protocol )は、IPの上に被された、薄い皮と考えることができる。

以下にUDP Headerの構造(4)を示す。

        0                       16                      32 (bit)
        +-----------------------+-----------------------+
        |    転送元ポート       |        転送先ポート   |
        +-----------------------+-----------------------+
        |       長さ            |        チェックサム   |
        +-----------------------+-----------------------+
        |            データ ( ある場合 )                |
        +-----------------------+-----------------------+

HeaderのSizeは8 byteしかない。

UDPはデータブロックが与えられるとそれをセグメントに分解して、ヘッダーを付け、送るだけである(5)

通信そのもののオーバヘッドが小さいため、高速だが、色々な点で、使う人を選ぶ。

  1. 構造そのものには、ここでは余りふれない。大事なことは「小さい」「必要最小限のものしかない」ということを知ることである。
  2. その意味で、大変解りやすい。

TCP

TCPは、信頼性を保証(6)するProtocolであり、TCP/IP Networkの基本Protocolといえる。

逆にTCPは、信頼性を保証するために、様々な振舞いをする。

TCPでは、ストリームを渡すとこれを、セグメントに分割して転送する。

  1. IPが信頼性を保証しない(通信途中のRouterが勝手に、Packetを捨てるかもしれないし、経路が変化して、Packetの到達順序が変更されてしまうかもしれない..。)ので、TCPが必要となる。ただし、「保証する」とはいっても決して「必ず到達する」ということではなく、単に「自動的に到達のチェックを行い、到達の為に、努力(再送)を行い、それでもダメなら、「到達できなかったことをちゃんと報告する」ということである。
  2. このwindow制御をTCPが行うので、Internetが共有できているとも言える。TCPは、(トラフィック量が多く、途中の経路で輻輳が生じて..)到達するパケット量が少いと判断すると、自動的に、Windowsサイズをせばめ、自分の通信量制限する。

    このため(輻輳が回避され.. ) Internetのリソースが有効利用できるようになる。

TCP と UDP の相違点

属性 TCP UDP
セグメント順序 保つ 保たない
信頼性 保証する 保証しない
接続形態 コネクション型 コネクションレス型
特徴 バーチャルサーキットを構成する オーバヘットが小さい
データの受渡し ストリーム ブロック
振舞い 電話 葉書