情報通信ネットワーク(2005/05/06)
Ver. 1.0
2005年5月6日
栗野 俊一
目次
Network Model
モデルの必要性
- 教室のLANは複雑だった..
- 箱と紐
- 教室の「紐」は10/100 Base Tケーブル
- ストレートケーブル:異なる種類の物を繋ぐ(普段利用しているもの)
- とりあえず(1)、「結線(線の色)が同じ順番に並んでいる物」と理解すると良い。
- クロスケーブル:同じ種類の物を繋ぐ
- とりあえず、「ストレートケーブルと結線が異る(2)」と理解すると良い。
- 教室の「箱」はSwitch
- Switch間を繋ぐには、クロスケーブルが必要
- 机の上に並んでいるSwitchは、接続にクロスケーブルがMust
- 少し、気の利いたSwitchの場合は、uplinkと呼ばれる特別なPortが一つ用意されており、そこは、内部が、Cross結線されているので、一方のsiwtchの普通のportと、他方のuplink portとをストレートケーブルで継ぐことができる。
- 最近のかなり賢いswitchは、全てのPortで、その接続相手がHostかSwitchかを自動判定して、内部で、勝手に、Cross結線を行うので、今や、クロスケーブルの必要性は、殆どなくなりつつある。
- 次回は、自分で配線を..
- 様々な設定
- 色々なサービス
- 理解するには、整理が必要
Model の必要性
Internetは、Multi Vendor環境(複数の業者が色々な製品を開発しており、それが、相互に接続(3)されている環境)なので、それらを整理し、分類するために、Model化が必要。
Layer Model
複数のModelを重ねることにより、通信システム全体をModel化する形式の一つ。
部品となる個々のModelは、Layer (層)と呼ばれ、そのLayerを縦に重ねることにより、全体が構成される。
- 個々のLayerでは、それぞれ異なる役割やサービスを担っている。
- 上のLayerから下のLayerを隠す(カプセル化)、
- 個々のLayerは、差替可能。
Network Model
二つの Network Model
Internetで利用されるNetwork Modelは、次の二つ。
- OSI参照Model :学術的な側面が強い。物事の整理や抽象的理解に便利。Internetができてから、整理のために作成された。
- DoD (4)(TCP/IP) Model :実学的な側面が強い。Internetで利用されている、現実のシステムを後からModel化したもの(その意味で、整理されていない所もある.. )。Internetの発展と共に成立( OSIより前に成立)。
TCP/IP は元々、軍事利用目的に開発された
TCP/IPは、アメリカの広大な領地内にネットワーク網を張り巡らし、ネットワークを用いて、遠隔操作で、ミサイル等の兵器の利用を考えていた。
この為には、戦争の結果として、ネットワーク網が、ずたずたになっても、なんとか通信できるような、大変ロバスト(堅牢)な性質が要求された。
このTCP/IPのロバスト性が、民生に於けるいい加減な扱いでも、それなりに動くという非常に重要な特性となり、インターネットが世界を席巻する重要な要因となった。
OSI 参照 Model
- 次の7つの層からなる。
- 物理層
- 物理的な信号の規格。通信媒体の規格を決定し、最も基本的な通信手段(5)を提供する。
- データリンク層
- 単一のメディア内での通信( LAN通信)を提供する。
- ネットワーク層
複数のメディアで接続された大規模なネットワーク網での通信を提供する。
いわゆる、通信の為の層はここまで(6)で、以下は、通信に対する追加サービスの形で、提供される。
- トランスポート層
- 信頼性を提供する。
- セッション層
- セッションの確立や管理を行い、多重化機能を提供する。
- プレゼンテーション層
- データ形式の互換性を提供する。
- アプリケーション層
- 利用者と直接やり取りをする層で、目的によって多種多様なサービスを提供する。
TCP/IP Model
- 次の4つの層からなる。
- ネットワーク層
- 同一メディア内での通信機能を提供する( OSIの物理層+データリンク層)。これは、EthernetのModel化である。
- インターネット層
- ネットワークのend to end間の通信機能を提供する( OSIのネットワーク層)。これはIP ( Internet Protocol )のModel化である。
- トランスポート層
通信の信頼性を提供する( OSIのトランスポート層)
これはTCPのModel化である。
- アプリケーション層
- その他全部の機能( OSIのセッション層から上全部)。
TCP/IPでは、IPを中心とした考え(7)になっており、IPを実現するための手段(物理、データリンク層)と、IPを手段として利用するサービス(トランスポートより上)が作られている。
Model の効用
- 複雑さの軽減( M * NからM + Nへ)
- インターフェースの標準化(組合せて利用する),相互運用の促進
- モジュール化(独立性:一つの部分の変更が、他の部分に影響しない)
- 学習の容易性(分割統治法)
講義の内容
Mainは、ネットワーク層( IP,少し、IPX ) (8)。次にトランスポート層と、データリンク、物理層をやる。
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