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講義を受けるにあたって(2009/11/12)
Ver. 1.0

2009年11月12日
栗野 俊一
kurino@math.cst.nihon-u.ac.jp
http://edu-gw2.math.cst.nihon-u.ac.jp/~kurino/2009/soft/soft.html
ソフトウェア概論 B講義を受けるに当っての注意

目次

はじめに

マナーから、ルールへ。そしてマナーへ

千代田区は、平成14から、マナーから、ルールへ。そしてマナーへという標語の元に、「本来ならマナーを守るだけで済む事を条例で縛る」というある意味、残念な、しかしながら、画期的とも言える試みである、「安全で快適な千代田区の生活環境の整備い関する条例」を施行しました。

この条例の中には、例えば、「路上喫煙を禁止する」などのような、普通に「他人の迷惑を考えれば、控えるような行為(マナーを守る行為)」を「明示的に条例で禁止する」形になっています。その事は、「いかに、マナーを守る人間が少いか」という悲痛な状況を表しています。

そして、そのような状態をただ単に「マナーが悪い」と嘆くだけでなく、少くても「ルール化し守らせるための仕組を作った」という点が画期的であったわけです。

この取り組みに際して、担当者は次のような説明をしています。

「歩きタバコ」については、他人の迷惑である以上に、衣服の焼け焦げ、火傷などの危険性があります。特に小さな子どもや車椅子の方にとっては、大変危険です。

しかし、タバコを吸う側がその迷惑や危険を認識してないことが少なくありません。

このように、「マナー」や「モラル」に期待しながらまちの環境を良くしていくことは非常に難しく、人々の道徳心のみに頼ることは、もはや限界であると考えました。

このため、議論を重ねた末に、やむを得ず一定の「ルール」(罰則付きの条例)を設けて、住民の悲痛な叫びに応えていくこととしました。

(「千代田区生活環境条例 「生活環境条例」のあらまし」より、一部引用)

「講義を受けるための規則」の必要性

以下に述べる内容も、本来ならば、一般に講義を受ける学生の皆さんが、それぞれ「マナー」や「モラル」を持つならば、敢て言及することも、また、規則として明示することも不要な内容かと思います。

しかしながら、長い間、演習を担当し、様々な先生方の講義の補助を経験するに当って、近年の学生の講義の受講態度を鑑みると、上記の「安全で快適な千代田区の生活環境の整備い関する条例」の顰みに習うわけではありませんが、これと同様に、「静謐で学業に集中できる受講環境の整備に関する規則」の必要性を感じています。

今回、吉開先生の講義の一部を補助するに当り、良い機会と思い、以下に、講義を受けるために守って欲しい規則(マナーではありません!!)を記述したいと思います。

なお、当然の事ながら、これらの内容は、栗野個人が、勝手に提示しているだけであり、大学の規則ではありません。

規則の運用責任とその範囲

以下の規則の運用は栗野個人の責任で行われており、吉開先生ならびに、数学科、大学などとも無関係である事に注意してください。この規則の内容に拘る反論、意見、希望、その他なんでも、伝えたい内容があれば、栗野個人まで頂ければ幸いです。

頂いた意見に対しては、当然、どのような内容であっても、真摯に対応し、また、納得が頂けるまで、説明をしたり、あるいは、適切な内容であれば、それを受け入れ、内容を更新するなど、内容を拡充すための努力を惜しまないことを誓います。

講義を受けるための規則

理念

理念の必要性と規則の関係

以下の具体的な規則を述べる前に、その規則の元となる理念について説明します。規則の内容やその適用に関して、疑問や不明な点があれば、この理念に戻る事によって、それらが明確になると思わますし、逆に、規則が提示されていても、それがこの理念に悖る内容であれば、その規則は訂正あるいは、適用を見合わすべきだと思われます。

講義運用の原則

原則の内容は、次の三つの項目からなります。

(学生の権利)
学生は、自分が受講登録を行った講義に参加し、その内容に集中して学習する権利を持つ。
(講義担当者の義務と権限)
講義担当者は、講義の受講者が、その受講する教室内で、快適で、講義内容に集中できる環境を整備する義務と、それを実現するための権限を持つ。
(公共の場での権利の制限)
教室内の一部の学生の行為により、講義内の環境の保持が困難であると講義担当者が判断する場合に、その義務と権限により、その学生の権利の一部を制限する事ができる。

上記の内容は、要するに、「他の学生に迷惑をかけるな」であり、「教室の中でお喋りをする学生は、教室の外に摘み出す」ということです。

一般的な規則

私語の禁止

(教室内の私語の禁止)
教室内で、教員が教壇で発言、あるいは、教員が特に指示した学生が教室内で発言している間は、他の学生は、私語を止め、教室内を静謐に保つ。
(発言権の取得)
講義内で、質問、提案、その他、学生が、発言の権利を得たい場合は、次のようにしてください。

「学生」は、大学に入った時点で、既に児童でも学童でも生徒でも(ましてや幼児でも)な(3)く、講義を受けるかどうか、あるいは、その時間をどのように利用するかは、学生自身の勝手だと思います。

講義の内容が詰まらない(4)、あるいは、興味がない(5)、次の時間に提出するレポートを作成するには、今しかない(6)、または、眠くなってしまった(7)等の理由により、講義内容を聴かないのも本人の自由です。

しかし、私語により教室内の静寂を破り、「他の学生が教員の説明を聴くこと」を妨げる権利はありません。

どうしても私語が必要なのであれば、どうか、教室の外に出て、他の人の邪魔にならない所でやってください。

  1. 「『先生』と呼べ」というのは、決して、「『先生』として敬え」と言っているのではなく、そう呼んだ方が、「教員の注意を引やすい」からです。(担当の先生の名前を覚えてなくても「先生」だけなら、何時でも問題なく使えますし..)
  2. 大学の教室で行われるは「講義(教員が議論の材料を提示し、その内容について、教員と学生、あるいは学生間で、議論し、学習する、双方向形態の学習形式)」であり、「授業(教師が、特定の内容を、生徒に与える一方方向形態の学習形式)」ではないので、質問や、議論を行うのは、本来の意味の講義での当然の行為です。したがって、議論を行うことは、講義内の自然な行為であり、その為に教員の発言を遮るのは、全く問題ありません。(まあ、「他人の発言を途中で遮る」のは、それが教員であっても学生であっても、マナー違反ではありますが..)
  3. いので、本来ならば、この文章自身も不要なはずなのですが...。しかし、その行動だけから判断すると、場合によっては、「幼児」として扱わなければならないのではないかと首を傾げてしまうような気分に陥る事があります。
  4. これは講義担当者の不足ですので、是非、追及してください。その場合は、私語でブーイングをするのような姑息な手段を取るのではなく、手を上て、堂々と問題点を指摘するか、控えめな方は、教務課に投書をしましょう。
  5. のであれば、教室に来なければと思うのですが..
  6. おそらく、教室で作業するより、図書館でやった方が効率が良いと思います。
  7. 昨夜、(本人にとって)、重要な行為をしていたために、寝不足になったのかもしれません。

教室内の移動の制限

(教室内の移動の制限)
教員からの指示がない限り、教室内での移動は、基本的に、自分が着席している席と、教室の外の間に限る。
(移動上の注意)
教室内を移動する場合は、講義を邪魔するような音を立てないようにし、速やかに移動してください。
  1. 生理的な要求かもしれませんし、年頃ならば、御化粧や髪型を整えたいという理由があるかもしれません。あるいは、単に、講義が詰まらくなって、放棄したいのかもしれません。いずれにせよ、講義中であっても教室の外に出るのは、自由ということです。

「ソフトウェア概論 B」固有のルール

固有のルールの必要性

上記のルールは、どのような講義でも一般的に守って欲しい内容なのですが、「ソフトウェア概論B」では、演習を行う関係や、あるいは、遅刻に関する特別な対応行っているので、更に、細目や固有ルールを述べたいと思います。

着席場所

(着席場所の制限)
遅刻者による、講義の邪魔を防ぐために、講義開始前に着席する場所と、講義開始後に着席した者の席を明確に分離します。ただし、これは出席表の色(9)とは独立であり、純粋に着席時間で決る事に注意してください。
  1. 成績を付ける際に、遅刻者とそうでないものを区別するために、出席表の色を変えていますが、これは、遅刻に本人の責任がないことが明示された(例えば、電車が遅れたのが原因であり、それを証明する、遅延証明書をもっている)場合は、「遅刻でない」などと、個々の事情により、個別に判断します。

    しかし、着席場所の規則は、そのような場合であっても、やはり、廊下側に座って頂くということです。

    その理由は、別に「遅刻者に罰則を適用する」ということではなく、単に「教室の出入りで、講義を邪魔されたくない」という理由によります。

  2. 「講義開始」は、「正規の講義時間内」で、かつ、「教員が発言を開始した時点」とします。

課題提出

この講義では、講義内容の確認のために課題を出し、その課題を解いた結果をプログラムとその実行結果の形で、提示して頂き、その内容を教員がチェックします。

(提出内容のチェック)
提出する前に、「典型的な入力」に対応して、「適切な結果」が出る事を、少くても、次のような観点で、異なる二通りのデータで調べてください。
(プログラム説明の内容)
「このプログラムはどうゆうものか( What :何を目的とするものか、How to :どうやって実現しているか)」をプログラム全体並びに、プログラムの一部分について説明できるようにしてください。
(コメントの記載)
上記の説明内容は、予め、プログラムのコメントの中に記載しておくと、口答での説明を省いたり、あるいは、教員から突込みをさける事ができます。
(コピーした課題結果の理解しないままの提出を禁止)

時々、他人の行った課題結果のプログラムをコピーしたものを、内容も理解していないにも拘らず、それを、そのまま、自分の課題結果として提出している学生を見掛けます。

栗野個人としての、「課題結果のコピー」への見解は、次の様なものです。

  1. つまり、「コピーのコピー」は禁止です。なぜなら、それはオリジナルの作者の意図を確認していないからです。もし、そのコピーが欲しければオリジナルの作者に頼んでください。

対応

ルール違反を発見した場合は、次のような対処を行います。

  1. 最初から口答で注意しないのは、それによって、講義が妨げられることを避けたいからです。

更新履歴

2009/11/12 : 1.0版
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