千代田区は、平成14から、マナーから、ルールへ。そしてマナーへという標語の元に、「本来ならマナーを守るだけで済む事を条例で縛る」というある意味、残念な、しかしながら、画期的とも言える試みである、「安全で快適な千代田区の生活環境の整備い関する条例」を施行しました。
この条例の中には、例えば、「路上喫煙を禁止する」などのような、普通に「他人の迷惑を考えれば、控えるような行為(マナーを守る行為)」を「明示的に条例で禁止する」形になっています。その事は、「いかに、マナーを守る人間が少いか」という悲痛な状況を表しています。
そして、そのような状態をただ単に「マナーが悪い」と嘆くだけでなく、少くても「ルール化し守らせるための仕組を作った」という点が画期的であったわけです。
この取り組みに際して、担当者は次のような説明をしています。
「歩きタバコ」については、他人の迷惑である以上に、衣服の焼け焦げ、火傷などの危険性があります。特に小さな子どもや車椅子の方にとっては、大変危険です。
しかし、タバコを吸う側がその迷惑や危険を認識してないことが少なくありません。
このように、「マナー」や「モラル」に期待しながらまちの環境を良くしていくことは非常に難しく、人々の道徳心のみに頼ることは、もはや限界であると考えました。
このため、議論を重ねた末に、やむを得ず一定の「ルール」(罰則付きの条例)を設けて、住民の悲痛な叫びに応えていくこととしました。
(「千代田区生活環境条例 「生活環境条例」のあらまし」より、一部引用)
以下に述べる内容も、本来ならば、一般に講義を受ける学生の皆さんが、それぞれ「マナー」や「モラル」を持つならば、敢て言及することも、また、規則として明示することも不要な内容かと思います。
しかしながら、長い間、演習を担当し、様々な先生方の講義の補助を経験するに当って、近年の学生の講義の受講態度を鑑みると、上記の「安全で快適な千代田区の生活環境の整備い関する条例」の顰みに習うわけではありませんが、これと同様に、「静謐で学業に集中できる受講環境の整備に関する規則」の必要性を感じています。
今回、吉開先生の講義の一部を補助するに当り、良い機会と思い、以下に、講義を受けるために守って欲しい規則(マナーではありません!!)を記述したいと思います。
なお、当然の事ながら、これらの内容は、栗野個人が、勝手に提示しているだけであり、大学の規則ではありません。
以下の規則の運用は栗野個人の責任で行われており、吉開先生ならびに、数学科、大学などとも無関係である事に注意してください。この規則の内容に拘る反論、意見、希望、その他なんでも、伝えたい内容があれば、栗野個人まで頂ければ幸いです。
頂いた意見に対しては、当然、どのような内容であっても、真摯に対応し、また、納得が頂けるまで、説明をしたり、あるいは、適切な内容であれば、それを受け入れ、内容を更新するなど、内容を拡充すための努力を惜しまないことを誓います。
以下の具体的な規則を述べる前に、その規則の元となる理念について説明します。規則の内容やその適用に関して、疑問や不明な点があれば、この理念に戻る事によって、それらが明確になると思わますし、逆に、規則が提示されていても、それがこの理念に悖る内容であれば、その規則は訂正あるいは、適用を見合わすべきだと思われます。
原則の内容は、次の三つの項目からなります。
上記の内容は、要するに、「他の学生に迷惑をかけるな」であり、「教室の中でお喋りをする学生は、教室の外に摘み出す」ということです。
「学生」は、大学に入った時点で、既に児童でも学童でも生徒でも(ましてや幼児でも)な(3)く、講義を受けるかどうか、あるいは、その時間をどのように利用するかは、学生自身の勝手だと思います。
講義の内容が詰まらない(4)、あるいは、興味がない(5)、次の時間に提出するレポートを作成するには、今しかない(6)、または、眠くなってしまった(7)等の理由により、講義内容を聴かないのも本人の自由です。
しかし、私語により教室内の静寂を破り、「他の学生が教員の説明を聴くこと」を妨げる権利はありません。
どうしても私語が必要なのであれば、どうか、教室の外に出て、他の人の邪魔にならない所でやってください。
上記のルールは、どのような講義でも一般的に守って欲しい内容なのですが、「ソフトウェア概論B」では、演習を行う関係や、あるいは、遅刻に関する特別な対応行っているので、更に、細目や固有ルールを述べたいと思います。
成績を付ける際に、遅刻者とそうでないものを区別するために、出席表の色を変えていますが、これは、遅刻に本人の責任がないことが明示された(例えば、電車が遅れたのが原因であり、それを証明する、遅延証明書をもっている)場合は、「遅刻でない」などと、個々の事情により、個別に判断します。
しかし、着席場所の規則は、そのような場合であっても、やはり、廊下側に座って頂くということです。
その理由は、別に「遅刻者に罰則を適用する」ということではなく、単に「教室の出入りで、講義を邪魔されたくない」という理由によります。
この講義では、講義内容の確認のために課題を出し、その課題を解いた結果をプログラムとその実行結果の形で、提示して頂き、その内容を教員がチェックします。
時々、他人の行った課題結果のプログラムをコピーしたものを、内容も理解していないにも拘らず、それを、そのまま、自分の課題結果として提出している学生を見掛けます。
栗野個人としての、「課題結果のコピー」への見解は、次の様なものです。
更に、コピーの際に、コピー者が、オリジナル作成者にその内容を聴く事は、それ自身、コピー者の学習になるだけでなく、オリジナル作成者(が厭わなければ..、そ)の学習にも寄与する。
したがって、演習中の相談は推奨するし、その相談の一部としての課題のコピーは、当然の行為と判断する。
「コピーをコピーでなくす」ための典型的な(認められる..)手法は、「元のプログラムからコメントを全て削除し、自分で、新たに、そのプログラムの説明をコメントとして追加」する事です。
もし、適切なコメントが追加できるのであれば、それは、少くても「課題とプログラムの双方が理解できている」と判断できるので、「プログラムをコピーしたのは、時間の節約のため」と解釈します。
ルール違反を発見した場合は、次のような対処を行います。
何度注意しても是正されない、あるいは、そのルール違反行為が悪質だと判断した場合の、基本的な対応は、教室外への退去です。
この場合、そのコマのその後の受講を禁止します(それにもかかわらず、その講義該当時間に教室に入ろうとする場合は次の「悪質な行為の繰り返し」と判断します)。