Routing Protocolとは、Routerが、自分自身のForwarding Tableを自動的に作成、更新することを目的に、Router間で情報( Routing Informationと呼ぶ)を交換する際に利用されるProtocolである(4)。
Routing Protocolには、それが利用される状況並びに、そのProtocolがRouting Tableを作成するために、用いられるアルゴリズム、あるいは、交換される情報の違いによって、幾つかに分類される。
これに対して、RoutingされるProtocol (例えば、IPやIPX )をRouted Protocolと呼ぶ。
なお、以下では、IP Protocol用のRouting Protocolのみを議論する。
Internetでは、複数の組織がかかわっており、それぞれ異なるNetworkの運用方針(5)で、運用されている。
そこで、統一的な一つの運用方針の元に運用されているNetwork GroupをAS ( Autonomous System :自律システム)とよび、AS内のRoutingとAS間のRoutingを区別して扱う(6)。
AS内部のRoutingを行うために、利用されるRouting ProtocolをIGP ( Interior Gateway Protocol )と呼び、AS間Routing行うために、利用されるRouting ProtocolをEGP ( Exterior Gateway Protocol )と呼ぶ。
ここでは、Network Routing Policyのことを念頭に述べている。
Network Routing Policyを端的に述べれば、そのNetworkに出入りするパケットをどのような経路で伝達して行くか(あるいは伝達を拒否するか.. )を決定する方針のことである。
これによって、AS内部のRoutingがAS間のRoutingから遮蔽され、またAS内部では、AS内という狭い範囲を考慮すればよくなるので、両方共、簡素化されるというメリットが生じる。
これを二階層Routingと呼ぶ。これは、モジュール化の一種である。
Routing Protocolでは、そのProtocolを利用して交換される情報( Routing Information )の形式の違いにより、次の二つに大きく分類される。
Routing Informationとして、宛先Network addressと、そこへ到達するために、どれ位のコストがかかるか(距離が遠いか? )を、互いに交換しあい、同じ宛先に対して、複数の経路がある場合は、コストが最小のものを選ぶ。
宛先に対する距離( Distance )の表( Vector )を交換するので、この名前がある。
属性 | DV | LS |
---|---|---|
方針 | Routingの結果情報を交換する | Routingの根拠情報を交換する |
交換される情報 | 終端との距離 | 終端との接続性 |
情報交換の時期 | 定期的 | 変化時 |
通信量 | 全ての情報 | 差分(変化部分) |
計算量/情報量 | 少い/結果しか判らない | 多い/ネットワーク全体の情報を保持している |
DV型の典型的なRouting Protocol。広く利用されている。
VLSMが利用できない。
LS型の典型的なRouting Protocol。広く利用されている。
VLSMが利用できる。
DV型のRouting Protocolで、CISCO独自。
Internetでは、当初、IP Addressを、その先頭のbitパターンにより、所属する自然なNetwork Address(7)を固定する方法が取られていた。