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情報通信ネットワーク(2004/11/26)
Ver. 1.0

2004年11月26日
栗野 俊一
kurino@math.cst.nihon-u.ac.jp
http://edu-gw2.math.cst.nihon-u.ac.jp/~kurino/2004/ccna/ccna.html
情報通信ネットワーク2004年11月26日 のメモ

目次

Internet の歴史と Routing

Routingは、Intenetに属する全てのNode間で、通信ができる( packetの交換を可能にする)必要がある。これを実現している仕組がRoutingだといえる。

しかし、誰もが、Internetの黎明期から、今日のInternetの状況を予測していたわけでなく、Routingの方法も、初期の段階では、その初期のIntenertの単純な状況にのみ対応すればよいだけの簡単なものであった。

しかし、Internetが発展するにつれて、Routingに要求される機能も拡大し、様々なRouting Protocolが必要となった。

今回の話題は、Internetの歴史をRouting Protocol発展の観点から、解説する。

この結果、Routing Protocolの歴史は、Netmaskの扱いに関する歴史であり、それは、同時に、IP Address Block ( =実は、Forwarding Table Entry )の枯渇とでもあったことが説明される。

core router 時代と EGP

初期のInternetは、core routerとよばれる、ringをなしたRouterが中心になっており、そのRouterから各々の組織へのNetworkが継がっているという形だった。


	  組織			組織
	>---+----<	     >---+----<
	    |		         |	
	+-- R ---- R ---- R ---- R -----+
	|				|
	|	core Network		|
	|				|
	+-- R ---- R ---- R ---- R -----+
	    |		         |	
	>---+----<	     >---+----<
	  組織			組織

組織間
組織内
Address割り当て
一組織、一( Classical ) Network Address

Class Bという大雑把な割り当て方式と、先着順という安直なIP Addressがが、将来の「IP Addressの枯渇」という問題の原因になっている。

組織内 Routing と RIP

組織内 Routing の必要性

(Class Cはともかく..) Class B以上の組織では、接続Host数が増大し、リピーター(距離の延長/コリジョンドメインの分割なし)、ブリッジ(コリジョンドメインの分割あり/ブロードキャストドメインの分割なし)だけでは、トラフィク量が多過ぎて、混雑してしまった。

固定 Subnet Mask と RIP

Network分割の必要性
Network範囲を調る仕組: Subnet Mask
unixに実装され簡単に利用できる
RIPの導入。
  1. というか、これがないので、RIP(-I)は、「使えない」ものになっている(→RIP-II )。
  2. Forwarding Tableの節約と、Networkの柔軟性のトレードオフ
  3. 元々、組織内という小さなLANを想定して設計されている。

これを、期に、Routingは、二層構造(組織間Routingと組織内Routing )に別れ、独自の発展を行うことになる(4)

  1. CCNA的には、組織内Routingが焦点で、組織間Routingは、紹介のみ。

組織内 IP Address の枯渇と VLSM

Class B Address の枯渇と Super Network Address

IP Address は枯渇していない

一時機、「IP Addressの枯渇」が騒がれたが、実際には、枯渇していない。枯渇したのは、次の2つ。

  1. 従来ならば、Class Bを一つ割当てたが、Class Bはなくなったので..。

Super Network Address による対応

Super Network Address (複数のClass Cを一つのNetwork Address = table entryとして扱う仕組: Aggrigation )が、組織間Routingとして必要になった。

Super Network Addressによって、Classical Network AddressのNatural Maskという考え方が不適切になってきた。

Classに又がるNetwork Aggrigationが、B.B. RouterのForwarding Tableのために、導入され。ネットワーク設計におけるAggrigation戦略の重葉性が認識され、Internet Topologyの再組織化と、ProvidorによるAddress割り当てが行われるようになった。

SOHO Network と CIDR

Internetが一般化し、SOHO ( Small Office, Home Office ) Networkが、行われるようになり、Class Cでも大きすぎて、無駄が生じるようになってきた。この為に、Class Cの一部のAddress Block ( CIDR Block : Classsless Internet Domain Routing Block )を組織間Network Addressとして利用できるようになった。

このために、Class CにおけるNatural Network Maskは事実上、無意味になった。

Class A/B の回収と Clasical Address の終焉

Class C同様、Class A (すでに、回収と再利用が始まっている)や、Class B (実験的に、分割した運用が試みらている。回収は始まっていないが、心ある組織は、積極的返却をおこなっている(6)。)も、分割利用の準備が整い( BGP-4 )。Class-A/B/Cという呼称も無意味な時代がもうすぐきている。

  1. 日大に割り振られているClass B Address 133.43.0.0/16も、返却すべきだと僕はおもっている。

IPv4 Address は枯渇しているか ?

結論からいえば、Dead IPの回収と、Nat技術(7)によって、まだ、まだ、対応できる。

しかし、RouterのForwarding Tableの問題は、( IP Address割り当て方法の安易さをうけて.. ) Aggrigationが進まないため、未におおきな問題。

  1. これにかんしては、改めて説明。ようするに、一つのIP Addressを、複数のHostで共有するための仕組。これによって、IP Addressの消費を飛躍的に圧縮できる。

IPv6 時代

IPv4の様々な問題に対応、「RouterのForwarding Tableの問題」にかんしては、「組織的、構造的なIP Addressの割り当て規則」を適用することにより、問題を回避するための対応ができている。

その他にも、Routingの簡易化や、Security / Auto Configurationなどの様々な工夫がなされており、非常に色々と利点があるのにもかかわらず、利用者の対応が遅れており、まだ、一般化はしていない。