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情報通信ネットワーク論[演習] (2005/10/25)
Ver. 1.1

2005年10月25日
栗野 俊一
kurino@math.cst.nihon-u.ac.jp
http://edu-gw2.math.cst.nihon-u.ac.jp/~kurino/2005/ccna/ccna-ex/ccna-ex.html
情報通信ネットワーク論(演習)2005/10/25 の資料

目次

目的

この演習の目的は通りです。

ftpの利用(復習)
必要なファイルをNetwork経由で取り寄せるためのftp コマンドの使用法を復習します。
viコマンド( Editor )の簡単な利用法(復習)
Unix系OS ( Linuxを含む)で利用されているvi というeditor の基本的な利用法を復習します。
rpmの利用法(復習)
(RedHat系) LinuxでのSoftのInstall方法として、rpm の利用法を復習します。
Web Serverの作成(新規)
Linux BoxをWeb Serverとして利用するための方法を学びます。
Name Serverの作成(新規)
Linux BoxをName Serverとして利用するための方法を学びます。

Server の構築

Server を作るには

Linux BoxをServerとするには、そのLinux BoxでServer用のProgramを( Daemonとして.. )走らせるだけでOkeyです。

例えば、Web Serverが欲しければ、Web Server用のProgramを利用するわけです。

このServer用のProgram、すなわちDaemonとして動かすには、色々とOS (この場合はLinux )の約束を守る必要があるのですが、その約束が守られたProgramが既に、用意されているので、それを利用しようというだけです。

Server Programは、何時でもClientからの要求に答える必要があるので、Serviceをするために、常時動いている必要があります。動いている状態なのに( Clientから要求がくるまで.. )何もしない状態になっている(1)のがDaemonだということもできます。

この点は、前回に行った DHCP Server の設定理屈は、全く同じです。

すなわち、次のような手順をとれば良いわけです。

Server Soft (Program File)の入手
Linux Boxに、Server Programがなければ、それを何らかの方法で入手する必要があります。今回も、前回に引続きftpを利用します。
Server SoftのInstall

入手したファイルは、一般には、そのままでは利用できない形で、配布されています(2)

そこで、それを、Linxu Boxで利用できる形にします。この作業をinstallと呼びます。

RedHat系Linuxでは、rpmを利用します。

RedHat 系 Linux と rpm

Linuxと呼ばれるものは、本来は、OSの中心部分となるkernelの名称です。逆に、それ以外のものはLinuxとは直接関係ありません(3)

しかしながら、OS (すなわちLinux )だけあっても、コンピュータを操作して色々なことをすることはできません。つまり、OS以外の様々なProgramがあって、初めて、色々なことができるわけです。

そこで、Linux Kernelと一緒に利用できる様々なProgramをKernelと一緒に、パッケージ化したものが作られました。これがDistribution (ディストリビューション:配布パッケージ)と呼ばれるものです。

通常は、このDistributionの事を指してLinuxと呼ぶのですが、本来の意味とは異ることに注意してください。

もちろん、同じ目的で利用できるProgramは必ずしも一通りではないし、また、Distribution作成者によって、取捨選択がありますので、同じLinuxといいながら(まあ、当然kernelは共通のLinuxを利用しているので間違いではないのですが.. ) Distributionによって、様々ざまな個性があり、本当にこれを同じ仲間として括ってよいのか疑問にかんじるほど異るものもあります。

この中で、パッケージ管理に関して、比較的早期から、rpm (Redha Package Manager)というtoolを採用していたRedHat 社のDistribution「RedHat」は、そのrpmの優秀さが買われ多数の追従Distributionを生みました。

これらのDistributionの一つの共通点は、「rpmを利用してPackage管理ができる」ということです。

現在は、rpmを越るPackage管理toolや、あるいは、rpmの延長上にあるtool等も利用されていますが、rpmの歴史が長く、沢山の蓄積があるために、未だに、rpmが、標準となっているわけです。

ServerのConfiguration

SoftのInstallが終ると、今度は、そのSoftの振舞をその用途に併せて、設定を変更する必要があります。この作業をConfiguration (設定)と呼びます。

Configurationは、一般にConfiguration file (設定ファイル)と呼ばれる、Server Soft固有のFileをvi等のEditorで変更することで実現します。

Serverの起動

Server機能が働くようにするためには、Server Processを起動する必要があります。

RedHat系Linuxでは、/etc/rc.d/init.dに起動用のScriptがあるので、これを実行します。

  1. 連絡がくるのを虎視眈々と待ちうけているわけですね..
  2. これは、Software Systemが複数のファイルから構成されていることが多く、これを配布するのに、配布しやすいように、一つのファイルに再構成されているからです。

    もし、そのまま利用できる形で配布されていると、たくさんのファイルを正しく入手しなければならないので、かえって不便になるわけです。

  3. これに対して、BSDと呼ばれる系列は、単にKernelだけでなく、他のパッケージを含めた概念です。

Web Server

Web Server Program apache

Web Server用のProgramも色々とあるのですがここでは、Apacheを取り上げます。

Freeであり、元々Unix用に開発されLinuxに相性が良いというだけでなく、世界のスタンダードに近い勢力をもっているという意味でも無条件のお勧めだからです。

apache の実行

apacheに関する資料は次のようになります。

apacheの入手
前回と同様ftpを利用して、次のファイルを入手(4)します。
  1. apache-1.3.12-2.i386.rpm
apacheのinstall
前回同様rpmを使います。
apacheのConfiguration
前回同様viを使い/etc/httpd/conf/httpd.confを変更します。
apacheの起動
/etc/rc.d/init.d/httpd startを実行します(5)
apacheの停止
/etc/rc.d/init.d/httpd stopを実行します。
  1. このファイルは、名前から解るようにversion 1.3.12のものです。これを利用する理由は、「単に、実習で利用するnote-pcに対応したものだから」というだけの理由です。

    当然、古いversionであるので、「単に最新の機能が含まれていない」という問題もありますが、それ以上に、「Security Holeがある」という大問題を抱えています。

    今回は、実験のためという目的なので、実験のLANの中でしか利用しないため、このSecurity Holeは問題になりませんが、もし、この実習の結果を、自分のPCで試そうと思う場合は、注意してください。万が一、本当にこのままの設定をして、Internetに公開したりしたら、次の日には、Crackされているものと覚悟する必要があります。

    必ず、Security Holeがあるものは避けてください。

  2. このscriptの名前は、daemon毎に異ります。

apache の実験

次のような実験をしてみてください。

  1. httpでは、最初の行の後に、空行を、もう一行入力する必要がある。

Name Server

bind

name serverの場合は、bind (Berkeley Internet Name Domain)を利用します。

bind の実行

name serverの場合は、bindを利用します。諸情報は以下のようになっています。

bindの入手
前回と同様ftpを利用して、次のファイル(7)を入手します。
  1. bind-8.2.2_P5-9.i386.rpm
  2. bind-utils-8.2.2_P5-9.i386.rpm
  3. caching-nameserver-6.2-2.noarch.rpm
bindのinstall
前回同様rpmを使います。
bindのConfiguration
前回同様viを使い/etc/named.confを変更します。
bindの起動
/etc/rc.d/init.d/named startを実行します。
bindの停止
/etc/rc.d/init.d/bind stopを実行します。
  1. これもhttpの場合と同様の注意が必要です。

bind の実験

次のような実験をしてみてください(8)

  1. この実験をする場合は、このname serverとなるNote-PCから、Intenetへ通信可能( ping www.google.co.jpで返事が返ってくる.. )状態にしておく必要があります。