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情報通信ネットワーク論(2003/07/04)
Ver. 1.1

2003年7月04日
栗野 俊一
日本大学 理工学部 数学科
kurino@math.cst.nihon-u.ac.jp
http://edu-gw2.math.cst.nihon-u.ac.jp/~kurino/ccna/index.html
情報通信ネットワーク論2003/07/04 の資料

目次

目的

この演習の目的は次の四つです。

CISCOとWindowsのNetwork設定方法の復習
一回目三回目の実習の復習(特にWindows, CISCO操作)。
CISCOのRouter機能の利用
前回は、LinuxををRouterとして利用しましたが、今回は、CISCO Routerを(文字通り.. ) Routerとして利用します。
Routing Tableの必要性(復習)とその設定方法
複雑なNetworkを構成するには、RouterのRouting Table の作成が必要であり、それの設定方法(CISCOの場合)を学ぶ。
CISCOのSerial Cable (V.35)の利用法
CISCO Routerには、Ethernetの口の他に、Serialの口がある。今回の実習では、このSerialの口にV.35 Cableを接続し、これによって、CISCO間を接続する方法を学びます。

演習

今回の実習では、CISCO RouterをRouterとして利用するための方法を学びます。

実験1:CISCO Router を Serial Cable で結ぶ

実験1 のNetwork

まず、CISCO間をV.35 Cableで接続する方法を学びます。このために、次のようなNetworkを構成します。

Networkの構成要素
Network
Networkは次の一つです。
実験1 のNetwork の情報
Network Name Network Address Subnet Mask
Network 2 [WAN] 192.168.2.0 255.255.255.0 (/24)
Host/Router

Hostは、零台、Router (CISCO)は二台です。なお、このNetworkでは、Name Serverが存在しないので、Name Serverは、設定しません。

また、Routerには、Default Gatewayは、設定しません(図中ではN/Aで表現している。)。

実験 1 の Host の情報
Host Name Interface IP Address Subnet Mask Default Gateway
CISCO-U (2500) s1 : Serial 1 (DCE) 192.168.2.3 255.255.255.0 (/24) N/A
CISCO-V (2500) s0 : Serial 0 (DTE) 192.168.2.4 255.255.255.0 (/24) N/A
論理図
                            CISCO-U
                         s1:[192.168.2.3] (DCE)
                               |            Netwrok 2
        >----------------------+------------<
                               |            192.168.2.0/24 [WAN]
                         s0:[192.168.2.4] (DTE)
                            CISCO-V
物理図
        +------------+
        |            |  s1:192.168.2.3
        | CISCO-U    +------------------+
        |            |(Serial Cable:DCE)|
        +------------+                  |
                                        +---+
                                            |
                                           +++
                                           | | (V.35 Connecter)
                                           +++
                                            |
                                        +---+
        +------------+                  |
        |            |  s0:192.168.2.4  |
        | CISCO-V    +------------------+
        |            |(Serial Cable:DTE)
        +------------+
設定

CISCOの設定は、三回目手動設定の所を参考にしてください。

CISCO のHost Name の設定方法

CISCOで、Host Nameを設定するには、次の設定を行うだけです。

hostnam 設定したい名前

これによって、プロンプトの所に表示されるHost Nameが変化します。自分のCISCOに適切な名前をつけてあげて下さい。

また、IP Address, Subnet Maskは、表2.1.1.2[実験 1 の Host の情報]を参照してください。

なお、Default Gateway, Name Serverの設定は、今回は行いません。

注意点としては、CISCO 2500 Routerは、一つのEthernet Interface ( Ethernet 0 )と二つのSerial Interface ( Serial 0, Serial 1 )を持つということです。

もちろん、EthernetとSerialでは、接続可能な通信Media (つまり、1層:物理層, 2層:論理層)が異なりますので、注意してください。

また、Serial 0とSerial 1では、機能的に差は全くありませんが、今回の実験では、見通しよくするために、次のようなルール(1)で、設定を行っています。

  • Serial接続を利用する場合は、必ず、一方のSerial 0と他方のSerial 1を接続する。
  • Serial Cableは、V.35のDCEとDTEを接続するが、必ず、DCE側をSerial 1の方に接続し、Serial 0には、DTEを接続する。
  • Serial Cableでの接続は、2台からなるNetworkを構成するが、そこでのIP Addressは、Serial 1を持つRouterのIP Addressの方が小さいIP Addressを持ち、連番とする( 1と2, 14と15など.. )。
  • 上記を表にまとめると、以下のようになります。

    Serial Cable 接続のルール
    I/F Number DCE/DTE IP Address
    上のCISCO 1 DCE 小さい
    下のCISCO 0 DTE 大きい

    以下、個々の設定になります。

    CISCO-U

    ルールにしたがって、Serial 1に接続(2)します。Serial 1は、DCEなので、次の設定が余分に必要(4)であることに注意してください。

    DCE Serial 固有の設定
    interface serial 1
    clock rate 64000
    

    このclock rate 68000という設定は、Serial Cable上での接続速度の設定を意味し、ここでは、その速度を64000 (いわゆる64Kbps )に設定(5)しています。

    それ以外では、Ethernet 0が、Serial 1に変更された程度で、後は、三回目と同じです。

    interface Serial 1
    ip address 192.168.2.3 255.255.255.0
    clock rate 64000
    no shutdown
    
    CISCO-U のIP Address/subnet mask の設定方法
    CISCO-U#config terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    CISCO-U(config)#interface serial 1
    CISCO-U(config-if)#ip address 192.168.2.3 255.255.255.0
    CISCO-U(config-if)#clock rate 64000
    CISCO-U(config-if)#no shutdown
    CISCO-U(config-if)#^Z
    CISCO-U#
    
    CISCO-V

    ルールにしたがって、Serial 0に接続します。Serial 0は、DTEなので、単にIP Address/Subnet Maskを設定するだけです。

    従って、Ethernet 0が、Serial 0に変更された程度で、後は、三回目と同じです。

    interface Serial 0
    ip address 192.168.2.4 255.255.255.0
    no shutdown
    
    CISCO-V のIP Address/subnet mask の設定方法
    CISCO-U#config terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    CISCO-U(config)#interface serial 0
    CISCO-U(config-if)#ip address 192.168.2.4 255.255.255.0
    CISCO-U(config-if)#no shutdown
    CISCO-U(config-if)#^Z
    CISCO-U#
    
    1. このようなルールは恣意的なものでしかなく、このようなルールを守ることは、技術的には全く意味がありません(つまり、ルールを守らなくても、接続は問題なくできる。)。

      しかし、このようなルールを決めることによって、見通しが良くなることも多々あります。

      特に、技術上、複数の選択枝があり、どちらを選んでも良い( Serial 0と1、どちらを利用するか、DTEとDCE、どちら側につけるか、IP Address、何をつけるか)場合に、常に、一方を選ぶと決めて置けば、迷わずに済みますし、また、誤まって接続や設定をしてしまった場合に、「このルールに違反していないか」という、より明確な方法で確認ができるという点にメリットがあります。

      もちろん、どのようなルールにするかは、自由ですが、大事なことは、なんらかの形であれ、「ルールを決め、それを守る」という考え方が非常に重要になります。

      もちろん、このようなルールが適用できな場合もあり(例えば、CISCO 1600はどうする? )その場合も、現存のルールをあまり壊さない形で、導入すると良いと思います。

      えっ?じゃあ、「どんなルールにするかを決めるルールは何か?」って?それは、「最初に習ったルールを自分のルールにしてしまう」ではないでしょうか? (かくして、ここにもまた、新しい流派が...)。

    2. CISCOのSerialのCable並びに、コネクタは、当然のことながら、逆挿し防止(上下がある)になっています。

      ようく、コネクタの形を見ると、台形の形をしていて、当然、上と下で横幅が違うのですが...

      どうも、上下の横幅にあまり差がないためか、不注意にも、上下逆に挿しても、無理やり挿し込むと、挿せてしまう!!のです...。

      もちろん、この場合には、「通信できない!!」と大騒ぎになるわけですが..

      まあ、「ケーブル類はやさしく扱おう」ということでしょうか..

    3. 現場では、DCE Cableを利用することは稀だと考えてください。

      一般に、Serial Cableは、WAN接続のために用いられ、その場合はDTE Cableを利用します。従って、clock rateの設定も行いません(3)

      CCNAでDCE Cableを用いるのは、実験室でWANを準備するのは(金額的に)難しいので、(安価な) DCE Cableの利用(V.35 Cross)で実現しているわけです。

    4. clock rateの後に、?と入力すると選択可能な速度の表が表示されるので、試してみましょう。

    実験1 の内容

    この状態で、pingを行うと次のような結果になるはずです。実際にCISCO-U/Vから、Pingを行って、このような結果になることを確かめなさい。

    実験 1 の結果
    From / To CISCO-U CISCO-V
    CISCO-U OK OK
    CISCO-V OK OK

    実験 1 のまとめ

    CISCOのSrial接続ができればOkeyということです。

    実験2:CISCO Router で三つのNetwork を結ぶ

    実験2 のNetwork

    実験2では、実験1加え、EthernetのNetworkを加え、3つのNetworkを結びます。

    構成としては、EternetのNetwork 1, 3と、そこに、Windows-A/Bを実験1のNetworkに追加した形になっています。

    Networkの構成要素
    Network
    Networkは次の三つです。新たに追加されたのは、Network 1, 3です。
    実験2 のNetwork の情報
    Network Name Network Address Subnet Mask
    Network 1 [LAN] (新規追加) 192.168.1.0 255.255.255.0 (/24)
    Network 2 [WAN] 192.168.2.0 255.255.255.0 (/24)
    Network 3 [LAN](新規追加) 192.168.3.0 255.255.255.0 (/24)
    Host/Router
    Host (Windows-PC)は、二台、Router (CISCO 2500)は二台です。Windows-A/Bの二台が追加分です。
    実験 2 の Host の情報
    Host Name Interface IP Address Subnet Mask Default Gateway
    Windows-A (新規追加) N/A 192.168.1.1 255.255.255.0 (/24) 192.168.1.2
    Windows-B (新規追加) N/A 192.168.3.6 255.255.255.0 (/24) 192.168.3.5
    CISCO-U ethernet 0 192.168.1.2 255.255.255.0 (/24) N/A
    Serial 1 192.168.2.3 255.255.255.0 (/24) N/A
    CISCO-V ethernet 0 192.168.3.5 255.255.255.0 (/24) N/A
    Serial 0 192.168.2.4 255.255.255.0 (/24) N/A
    論理図
    
                 Windows-A
               [192.168.1.1]
                    |                         Network 1 [LAN]
            >-------+--------------+------------<
                                   |          192.168.1.0/24
                             e0:[192.168.1.2]
                                 CISCO-U
                             s1:[192.168.2.3]
                                   |          Network 2 [WAN]
            >-------+--------------+------------<
                                   |          192.168.2.0/24
                             s0:[192.168.2.4]
                                 CISCO-V
                             e0:[192.168.3.5]
                                   |          Network 3 [LAN]
            >-------+--------------+------------<
                    |                         192.168.3.0/24
              [192.168.3.6]
                Windows-B
    
    
    物理図
            +------------+
            |            |
            |            |   192.168.1.1
            | Windows-A  +------------------+   192.168.1.0/24
            |            |   (10Base-T)     |   +------------+
            +------------+                  |   |            |
                                            +---+            |
                                                |            |
                                                | Hub/Switch |
                                            +---+            |
            +------------+                  |   |            |
            |            |  e0:192.168.1.2  |   +------------+
            |            +------------------+
            |            |   (10Base-T)
            | CISCO-U    |
            |            |  s1:192.168.2.3
            |            +------------------+
            |            |(Serial Cable:DCE)|
            +------------+                  |
                                            +---+
                                                |
                                               +++
                                               | | (V.35 Connecter)
                                               +++
                                                |
                                            +---+
            +------------+                  |
            |            |  s0:192.168.2.4  |
            |            +------------------+
            |            |(Serial Cable:DTE)
            | CISCO-V    |
            |            |  e0:192.168.3.5
            |            +------------------+   192.168.3.0/24
            |            |   (10Base-T)     |   +------------+
            +------------+                  |   |            |
                                            +---+            |
                                                |            |
                                                | Hub/Switch |
                                            +---+            |
            +------------+                  |   |            |
            |            |  192.168.3.6     |   +------------+
            |            +------------------+
            | Windows-B  |   (10Base-T)
            |            |
            +------------+
    
    設定
    Windows-A/B
    Windows-A/Bの設定は、表2.2.1.2[実験 2 の Host の情報]を参照してください。
    CISCO-U/V

    CISCO-U/Vの設定は、実験2に、Ethernetの設定を追加します。

    IP Address, Subnet Maskは、表2.2.1.2[実験 2 の Host の情報]を参照します。

    CISCO-U
    設定内容は、以下の通りです。
    interface ethernet 0
    ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
    no shutdown
    
    CISCO-U のe0 の設定
    CISCO-U#config terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    CISCO-U(config)#interface ethernet 0
    CISCO-U(config-if)#ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
    CISCO-U(config-if)#no shutdown
    CISCO-U(config-if)#^Z
    CISCO-U#
    
    CISCO-V
    設定内容は、以下の通りです。
    interface ethernet 0
    ip address 192.168.3.5 255.255.255.0
    no shutdown
    
    CISCO-V のe0 の設定
    CISCO-V#config terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    CISCO-V(config)#interface ethernet 0
    CISCO-V(config-if)#ip address 192.168.3.5 255.255.255.0
    CISCO-V(config-if)#no shutdown
    CISCO-V(config-if)#^Z
    CISCO-V#
    

    実験2 の内容

    この状態で、pingを行うと次のような結果になるはずです。実際にWindows-A/BやCISCO-U/Vから、Pingを行って、このような結果になることを確かめなさい。

    実験 2 の結果
    From / To Windows-A CISCO-U (e0) CISCO-U (s1) CISCO-V (s0) CISCO-V (e0) Windows-B
    Windows-A OK OK OK NG NG NG
    CISCO-U OK OK OK OK NG NG
    CISCO-V NG NG OK OK OK OK
    Windows-B NG NG NG OK OK OK

    実験 2 のまとめ

    実験2の結果は、前回の実験 3と同様な形になっています。

    つまり、以下のようなまとめ方ができます。

    1. 同一のMediaを共有していれば、通信可能。
    2. Host側でdefault gatewayを設定していれば、そのgatewayの他のInterfaceにも通信が可能。

    逆に、それ以外のパターンは通信できないわけで、この理由はもちろん、Routing Tableの内容が不十分だからです。

    ということで、Routing Tableの設定を行ってみることにしましょう。

    実験3:Routing Tableの設定

    実験2では、CISCO-Vが、Network 3のことを知らなかったり、あるいは、CISCO-Uが、Network 1のことを知らなかったために、通信がうまく行きませんでした。

    そこで、CISCO-U/Vに、それぞれNetwork 3/1のことを教えてやれば、通信ができそうです。

    今回の実験では、その設定方法を学びます。

    実験3 のNetwork

    実験3のNetworkは、実験2と同じですが、次のように、CISCO-UにNetwork 3のことを教えます。

    これを、(static:静的) Routing の設定と呼びます。

    ip route 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.2.4
    
    CISCO-U でのNetwork 3 へのRouting の設定
    CISCO-U#config terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    CISCO-U(config)#ip route 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.2.4
    CISCO-U(config)#^Z
    CISCO-U#
    

    実験3 の内容

    この状態で、pingを行うと次のような結果になるはずです。実際にWindows-A/BやCISCO-U/Vから、Pingを行って、このような結果になることを確かめなさい。

    実験 3 の結果
    From / To Windows-A CISCO-U (e0) CISCO-U (s1) CISCO-V (s0) CISCO-V (e0) Windows-B
    Windows-A OK OK OK NG NG NG
    CISCO-U OK OK OK OK OK (変更点) NG
    CISCO-V NG NG OK OK OK OK
    Windows-B NG NG NG OK OK OK

    実験3 の解説

    ここで、変化したのは、ping的には、「CISCO-Uから、CISCO-Vのe0側まで」ですが、tracerouteの結果(特に、tracertをWindows-AからWindows-Bに行った場合)が変化していると思います。

    直感的には、Windows-AからCISCO-Vへのpingも通りそうな気もしますが、実際には、行きはOkeyでも、帰りが駄目なので、pingが通らないわけです。

    もし、上記のことが確認したら、同様にCISCO-Vに設定を加えてみましょう。うまく行けば、Windows-A/B間での通信も可能なはずです。

    実験4:複雑な Network でのRouting

    Routing Tableの設定に関して、二週目ですので、ある程度、勘が掴めてきたのではないかと思います。

    そこで、ちょっと、複雑なNetworkにTryしてみることにしましょう。基本的には、上記の演習の延長で、それ程新しいことはありませんが、コマンドの設定としては、「既存の設定の取り消し方法」が追加されます。

    実験4 のNetwork

    この実験では、4台のCISCOと4台のWindows PCをつなぐので、実験1,2,3の二つGroupを一つにして行うと良いでしょう。

    Networkの構成要素
    Network
    Networkは次の八つです。
    実験 4 のNetwork の情報
    Network Name Network Address Subnet Mask
    Network 1 [LAN] 192.168.1.0 255.255.255.0 (/24)
    Network 2 [LAN] 192.168.2.0 255.255.255.0 (/24)
    Network 3 [LAN] 192.168.3.0 255.255.255.0 (/24)
    Network 4 [LAN] 192.168.4.0 255.255.255.0 (/24)
    Network 5 [WAN] 192.168.5.0 255.255.255.0 (/24)
    Network 6 [WAN] 192.168.6.0 255.255.255.0 (/24)
    Network 7 [WAN] 192.168.7.0 255.255.255.0 (/24)
    Network 8 [WAN] 192.168.8.0 255.255.255.0 (/24)
    Host/Router

    Host (Windows PC)は四台、Router (CISCO)も四台です。

    ここでは、IP Addressの付け方の規則が変わっています。ここでのIP Address/Network Addressの付け方は、次の規則に従いました。

    Network

    Network-XXXのNetwork Addressは、192.168.XXX.0/24とする。XXXは、まず、LAN側に1から4を付け、更にWANに、5から8をつける。

    従って、Network-5のNetwork Addressは、192.168.5.0/24となる。

    Host (Windwow PC)

    Windwos-XXXのIP Addressは、192.168.YYY.YYY、default gateway addressは、192.168.YYY.ZZZとする。

    ただし、YYYは、XXXがAの時1, Bの時2,..とし、ZZZは、XXX + 4とする。

    従って、Windows-BのIP Addressは、192.168.2.2 ( YYY : B→2 )、default gatewayは、192.168.2.6 ( ZZZ : 2 + 4→6 )となる。

    Router (CISCO)

    CISCO-XXXは、e0, s0, s1の三つのInterfaceを持つ。原則として、CISCO-XXXには、192.168.YYY.ZZZという形のIP Addressが付くが、ZZZは、XXXがUの時5, Vの時6, ..とする。また、YYYの方は、e0の時にZZZ - 4、s1の時はZZZと同じとし、s0の時は原則ZZZ - 1であるが、CISCO-Uだけは8とする。

    従って、CISCO-WのIP Addressは、e0が192.168.3.7 ( ZZZ : W→7, YYY : 7 - 4→3 )、s1が、192.168.7.7, s0が、192.168.6.7 ( YYY : 7 - 1→6 )となる。

    上記の規則に従って、IP Addressを振ると、以下のようになります。

    実験 4 の Host の情報
    Host Name Interface IP Address Subnet Mask Default Gateway
    CISCO-U e0 : ethernet 0 192.168.1.5 255.255.255.0 (/24) N/A
    s0 : Serial 0 (DTE) 192.168.8.5 255.255.255.0 (/24) N/A
    s1 : Serial 1 (DCE) 192.168.5.5 255.255.255.0 (/24) N/A
    CISCO-V e0 : ethernet 0 192.168.2.6 255.255.255.0 (/24) N/A
    s0 : Serial 0 (DTE) 192.168.5.6 255.255.255.0 (/24) N/A
    s1 : Serial 1 (DCE) 192.168.6.6 255.255.255.0 (/24) N/A
    CISCO-W e0 : ethernet 0 192.168.3.7 255.255.255.0 (/24) N/A
    s0 : Serial 0 (DTE) 192.168.6.7 255.255.255.0 (/24) N/A
    s1 : Serial 1 (DCE) 192.168.7.7 255.255.255.0 (/24) N/A
    CISCO-X e0 : ethernet 0 192.168.4.8 255.255.255.0 (/24) N/A
    s0 : Serial 0 (DTE) 192.168.7.8 255.255.255.0 (/24) N/A
    s1 : Serial 1 (DCE) 192.168.8.8 255.255.255.0 (/24) N/A
    Windows-A N/A 192.168.1.1 255.255.255.0 (/24) 192.168.1.5
    Windows-B N/A 192.168.2.2 255.255.255.0 (/24) 192.168.2.6
    Windows-C N/A 192.168.3.3 255.255.255.0 (/24) 192.168.3.7
    Windows-D N/A 192.168.4.4 255.255.255.0 (/24) 192.168.4.8
    論理図
    
               +---------+                     +---------+
               |Windows-D|                     |Windows-A|
               +----+----+                     +----+----+
                    |[4]                            |[1]
                    |    Network-4                  |    Network-1
                >---+------------<              >---+------------<
                    |    192.168.4.0/24             |    192.168.1.0/24
                    |                               |
                    |e0:[8]                         |e0:[5]
        +-----------+-----------+       +-----------+-----------+
        |       CISCO-X         |       |       CISCO-U         |
        +---+---------------+---+       +---+---------------+---+
            |s1:[8]         |s0:[8]         |s1:[5]         |s0:[5]
            |               |               |               |
            |               | Network-8     |               |
            |           >---+---------------+---<           |
            |                 192.168.8.0/24                |
            |  Network-7                                    |  Network-5
        >---+---------<                                 >---+---------<
            |  192.168.7.0/24                               |  192.168.5.0/24
            |                                               |
            |                 Network-6                     |
            |           >---+---------------+---<           |
            |               | 192.168.6.0/24|               |
            |               |               |               |
            |s0:[7]         |s1:[7]         |s0:[6]         |s1:[6]
        +---+---------------+---+       +---+---------------+---+
        |       CISCO-W         |       |       CISCO-V         |
        +-----------+-----------+       +-----------+-----------+
                    |e0:[7]                         |e0:[6]
                    |                               |
                    |    Network-3                  |    Network-2
                >---+------------<              >---+------------<
                    |    192.168.3.0/24             |    192.168.2.0/24
                    |[3]                            |[2]
               +----+----+                     +----+----+
               |Windows-C|                     |Windows-B|
               +---------+                     +---------+
    
                             【凡例】Interface の後の[XX] は、
                                     そのInterface の IP Address
                                     の4 つ目の数値を表している。
                                     ( AA.BB.CC.XX の XX の部分。
                                     AA.BB.CC は、その Interface
                                     が接続している Network の
                                     address である。)
                                     例えば、CISCO-V のe0 の[5]は、
                                     192.168.2.5 のことであり、
                                     CISCO-W のs1 の[7] は、
                                     192.168.6.7 を、それぞれ表し
                                     ている。
    
    物理図
    大変なので省略;-P
    設定

    設定に関しては、原則として、これまで紹介した方法で良いのですが、今回の場合、既に設定済みの設定を新たに変更し直す必要があります。

    CISCOの設定をし直す場合、基本的な考え方は、単に、その設定を取り消し、その後、もう一度、新しい設定をするというだけです。

    以下は、設定の取り消し方の説明です。

    Interfaceなど(6)へ設定を取り消す場合

    普通にinterface XXとした後に、no YY (YYは設定命令)とする。

    例えば、現在、CISCO-Uのinterface ethernet 0に、ip address/subnet maskが192.168.1.2/255.255.255.0と設定されており、これを、192.168.1.5/255.255.255.0に変更するには、次の設定(7)(8)を行う。

    interface ethernet 0
    no ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
    ip address 192.168.1.5 255.255.255.0
    
    CISCO-U のe0 の再設定
    CISCO-U#config terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    CISCO-U(config)#interface ethernet 0
    CISCO-U(config-if)#no ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
    CISCO-U(config-if)#ip address 192.168.1.5 255.255.255.0
    CISCO-U(config-if)#^Z
    CISCO-U#
    
    Interface以外の場合

    単に、no YY (YYは設定命令)とする。

    例えば、現在CISCO-Uに、static routingとして、192.168.3.0/24宛てが192.168.2.4とされているとします。

    これを取り消し、新たに、192.168.3.0/24宛てを192.168.5.6に、192.168.7.0/24宛てを192.168.8.8宛てと、二つのstatic routerを追加する場合(実際は、もっと多くの設定が必要です。なぜなら、networkは、8個ですが、CISCO-Uが直接繋がっているNetworkは、3個しかないので、残りの8 - 3 = 5個Networkに対してのip route設定が必要になります。)は、次のような設定(9)を行う。

    no ip route 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.2.4
    ip route 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.5.6
    ip route 192.168.7.0 255.255.255.0 192.168.8.8
    
    CISCO-U でのNetwork 3/8 へのRouting の再設定
    CISCO-U#config terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    CISCO-U(config)#no ip route 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.2.4
    CISCO-U(config)#ip route 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.5.6
    CISCO-U(config)#ip route 192.168.7.0 255.255.255.0 192.168.8.8
    CISCO-U(config)#^Z
    CISCO-U#
    

    具体的な個々の設定に関しては、自分で考えてみましょう。全てのPC間で通信ができればOkeyとします。

    1. このようなパターンは、Interfaceの他に、router命令などがあります。詳しくは、マニュアルや、配布資料を参照のこと。
    2. no shutdown設定が含まれていないのは、実は、shutdownの取り消しの設定が、no shutdownだったからです(だから、もちろん、shutdownとしてから、再び、shutdownとしても良い)。

      ただし、念のため、全てのinterfaceを一度、shutdownし、ip addressなどの再設定を行った後に、再び、no shutdownするというのは、手間はかかるが、間違いのない方法ではある。

    3. 実を言えば、ip addressの様に、一度に一つの物しか設定できない情報は、新しい情報を入れただけで、自動的に、以前の情報が取り消される。従って、この例の場合は、取り消し設定であるno ip address ...の方は不要だったりします(次の注に続く.. )。
    4. ip routeの設定は、同じ物を複数設定することができるので、不要な設定は、noを利用して、明示的に取り消さなければならない。これを忘れて通信ができなくなるということも多々ある。「過ぎたるは及ばざるが如し」なのだ。