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情報通信ネットワーク論(2002/06/13)
Ver. 1.0

2003年6月13日
栗野 俊一
kurino@math.cst.nihon-u.ac.jp
http://edu-gw2.math.cst.nihon-u.ac.jp/~kurino/2003/ccna/ccna.html
情報通信ネットワーク論2003/06/13 日の資料

目次

お知らせ

  1. Computer Virus について(1)
  2. 2003年度の竹島先生幾何学とコンピュータを受講されている方asirで困っている人はここを参照してください。
  1. まあ、今日は13日の金曜日なので、暴れだす奴もいるかも..。

ケーブルと中継装置

Ethernet ケーブルの分類

Ethernetケーブルには色々あるが、どのようなNetworkを作るかという観点から、分類すると次の二種類のグループに分けられる。

Bus型
Star型

前者は、「継がったアンテナ」で、PC本体から接続するには、本体のNICから電気信号で( AUIケーブル経由で.. )トランーシバ(電気/電波の変換をおこなう)に継ぎ、そこから電波経由で、ケーブルの間を結ぶ。

NIC
データと電気信号の変換
AUI Cable
電気信号を伝達
Transiver
電気信号と電波信号を変換
10Base-2/5
電波信号を伝達
共有
ケーブルそのもの

10Base-2/5は、同軸ケーブルと呼ばれる形で、真中に銅芯が入っており、電波が減衰しないようになっていると同時に、回りを銅の網で囲うことにより、電波がケーブルの外に逃げないようになっている(シールド)。


	+------+
	|  PC  |         
        |      |
        | +-+  |
	+-+ +--+
          | |   <- NIC
          +++
           |
           |    <- AUI Cable 
           |				10Base-2/5	両端にターミネータ
           |				|		| (反射防止)
          +++	<- Transiver		v		v
     >----+ +-----------+-------+-----------------------<
          +-+		|	|		
			PC	PC

後者は、直接PC本体から、10Base-Tのケーブルで接続され、通信は、電波( NICにトランシーバが内蔵されてる)で行われる。

	+------+
	|  PC  |         
        |      |
        | +-+  |
	+-+ +--+
          | |   <- NIC
          +++
           |
           |    <- 10Base-T Cable
           |				PC PC
           |				|  |
	+--+----------------------------+--+----+
	|	HUB/Switch			|
	+---------------------------------------+

10Base-Tを利用して通信するには、HubまたはSwitchが必要である(2)ことに注意。

NIC
データと電波信号の変換
10Base-T
電波信号を伝達
共有
HUB/Switch

10Base-T/100Base-TXのケーブルは、2本のワイヤをツイスト(捩ってある)を4対(計8本)のワイヤをビニール等の筒の中にいれたもの(3)でその両端にRJ-45とい規格のコネクタが付られている。

10Base-2/5との大きな物理的な違いは、シールドされていない(UTP : Unsiled Twist Pair)ということで、この結果として、次のような特徴がある。

  1. ただし、二台のPCを結ぶ場合は、Cross Cable 1本でよい( Hub/Switchは不要)。
  2. これの規格がETA/ITA-568という名前の規格。

ETA/ITA-568B のケーブル

10Base-T/100Base-TXのケーブルは、ETA/ITA-568Bという規格(4)で定められているCategoly-5(5)のUTPケーブルの両端にRJ-45のコネクタをつけて作成する。

コネクタへの接続方式も規格化されており、次のようになっている。


	+-----------------+
	| | | | | | | | | |	<- RJ-45 コネクタを腹から見る
	|		  |	   上は、金具のついている方
	|		  |
	|		  |
	  W   W   W   W 
	  O O G B B G BrBr
          | | | | | | | |
           X  |  X  |  X
          | | | | | | | |
           X  |  X  |  X
          | | | | | | | |
           X  | : :/   X
          | | |   /   | |
           X  |  /: :  X
          | | | / | | | |
	   X   X   X   X
          | | | | | | | |
	   X   X   X   X
          | | | | | | | |
	  O O G G B B BrBr
	  W   W   W   W 
  1. この他にETA/ITA-568Aも利用できるが、CCNAでは、主にBのみを扱う。
  2. Categoly-5の他にCategoly-3などもある。実は、10Base-Tのケーブルは、Categoly-3でも構わないが、いまは100Base-TX用のCategoly-5で兼用するので、Categoly-3のケーブルはあまり見掛けない。

物理層の中継装置

物理層の中継装置(6)

は、純粋に、エネルギーの増幅(7)を行うことで、中継機能を実現している。

リピータ
10Base-2/5の場合
			10Base-2/5
	>-------+------------------<
		|
	+-------+-------+
	|   リピータ	|
	+-------+-------+
		|
	>-------+------------------<
			10Base-2/5
Hub
10Base-T/100Base-TXの場合(8)
		+---------------+
		|     Hub	|
		+---+---+-------+
		    |   |
		    |   | 10Base-T
		    |   |

特徴としては次のようものが揚げられる。

  1. 下では、Hubとリピータは区別してるが、両方をまとめてリピータ(振舞いの名前)と呼ぶことも多い。

    逆に、Hubという言葉は、Star型のネットワークトポロジィの中心におくもの(形状としての名前)という意味なので、逆にSwitchもHub (その場合はSwitching Hubと呼ぶ)と呼ぶことがあるので、注意。

  2. いわゆる、アンプリファイすること。

    必ずしも「信号」の増幅を行うわけではない。もし、ケーブル中に「雑音」が入っていれば、それも一緒に増幅する。

  3. 100Base-TXのHubというのは大変めずらしい..

論理層の中継装置

フレームの中継機能

論理層の中継装置(9)は、フレームを中継する。

リピータ
10Base-2/5の場合
			10Base-2/5
	>-------+------------------<
		|
	+-------+-------+
	|   ブリッジ	|
	+-------+-------+
		|
	>-------+------------------<
			10Base-2/5
Hub
10Base-T/100Base-TXの場合
		+---------------+
		|     Switch	|
		+---+---+-------+
		    |   |
		    |   | 10Base-T
		    |   |

特徴としては次のようものが揚げられる。

  1. ここでは、Siwtchをマルチポートブリッジとして扱っている。しかし、後に述べるように、現在商品としてのSwitchは、単にブリッジとしての機能をもつのみならず、様々な機能を提供しているので、簡単に並べることはできない。

トラフィックスの分割

ブリッジの機能の一つに、トラッフィク空間を分割するという機能がある(10)

これは、「ブリッジのInterfaceに接続されている個々のセグメントで利用されているMAC Addressを観察することによって、各々のセグメントに所属しているMAC Addressを学習し、もし、同一セグメント内の通信であれば、他のセグメントに中継しない」という機能である。

これを機能によって、パケットの複製をできるだけ少くし、ネットワーク帯域を有効利用できる可能性が生れる。

  1. 以下の機能は、最近のブリッジ/Switchでは当然のように塔載されている機能であるが、古いブリッジにはなかったこともある.. (馬鹿ブリッジ..)

    その当時は、この機能をもつブリッジをLarnning Bridgeと呼んで区別したが、現在、この区別は意味がない(馬鹿ブリッジがないので.. )。

冗長経路とスパンニングツリープロトコル

リピータだけで作られているネットワークは、冗長経路(11)をもつことができない(12)

原理的には、ブリッジも同様なことが言えるが、最近のブリッジは、ブリッチ間で、情報を交換することにより、冗長経路を検出し、ネットワーク上でのLoopを除去する(13)

この情報交換を行う規約が、スパンニングツリープロトコルである。

  1. 冗長経路というのは、二つのNode間で通信をする経路が複数あることを意味する。
  2. なぜなら、冗長経路があるということは、経路のLoopを意味し、リピータは原則として全てのフレームを経路に中継するので、同一のフレームがLoopした経路をいつまでも回りつづけることになる。

    もちろん、その結果は、その「ネットワークの壊滅」を意味する。

  3. 具体的には、Loopを検出するとLoopを構成しているブリッジの一つの口を自動的無効に(ないものと.. )することによって、そのLoopを断ち切る。

    この結果、ネットワークは、木構造となる(これが、スパンニングツリーという名前の由来)。

    もちろん、何らかの障害が生じて、現在利用している経路が失われた場合は、無効にした口を復活させることによって、接続を自動回復する。